スライサーの活用術・選び方
キッチンツールはライフスタイルに合わせて、しっかり吟味したいもの
食の多様化と共に増える一方のキッチンツールですが、「これがあると便利!」と言いきれるキッチンものは、実は限られているように思います。だからこそ、しっかり吟味して取り入れたいもの。あれもこれもというよりは、自分のライフスタイル、作る料理や自宅キッチンの収納スペース、料理のレベルに合わせて、本当によく使うもののみにしぼることをおすすめします。私自身も、あれもこれも、とは持っていません。
そんななか、数年ほど前からわが家のキッチンに新たに加わったキッチンツールがあるのでご紹介したいと思います。
包丁ではカバーできない野菜スライサーの仕事とは
スライサーを使えば、とんかつ屋さんで出てくるような細かい千切りキャベツを、誰でも簡単に再現できます
値段もサイズにも、けっこうな幅がある
間に合わせで買ったおろし器は、ふつうのスーパーで、500円前後で買えるプラスチック製。中央あたりに、幅1cm弱の刃が付いているタイプでした。特にメーカー名やブランド名なども書いていなかったのですが、3年ほど使っていても、特に不具合なく使えていました。ちょっと切れ味悪くなったかな?と思った頃に、本体から刃が取れてしまい、修復不可能に。わが家では、スライサーがかなりの頻度で登場する日々になっていましたので、スライサーなしはあり得ない……と思い、新たに購入することに。道具の国・ドイツ製はさすがの切れ味
ドイツ製のスライサー。丈夫で切れ味も良く、使いやすいです
薄切り用、細切り用、おろし器などのスライサーセットもおすすめ
薄切り用、細切り用、おろし器などがセットになっているタイプもおすすめです。私が料理教室で愛用しているのは貝印「SELECT100 調理器セット」のスライサーです。貝印「SELECT100 調理器セット」紹介ページ
薄切り用では、きゅうりをサラダや酢のもの用として薄い輪切りにしたり、ジャガイモを薄くスライスしたり、キャベツを千切りにしたりします。細切り用では、人参や大根を細くカットして、サラダやなますにすると、包丁で切るよりも断面が粗く仕上がるのでそこから味がよく染みておいしくなります。
野菜の切り方が増えることで、野菜料理のバリエーションも増え、短時間で野菜を切ることができるので、自然と野菜の食べる量が増えると思いますよ。ニューフェイスなスライサー・ベジカッター
最後に、ここ数年で広まりつつある、ベジカッターについてお話します。これは、野菜をスパイラル状にカットして麺のようにする器具です。私も、これを使ってベジヌードルたる料理を作ることがしばしば。普通の千切りと違い、スパイラル状にカットするので、長く、そして舌ざわりが柔らかく、本当に麺のように食べることができます。見た目もきれいですし、麺の半量を野菜にして栄養アップ&カロリーダウンもできるので、美容食、メタボ対策食にも使えますよね。
スライサーの最大のメリットとは
一般的に、野菜を切るなら、野菜スライサーより包丁を使うほうがイメージが良いようですね。でも実は、スライサーを使うメリットもあるのです。
たとえば、包丁でスライスしたり、細切りにするよりも、スライサーでカットしたほうが、野菜の断面が粗くなります。それはけっして悪いことではなく、かえっておいしくなるポイントだったりもします。というのも、野菜の断面がざらりと粗いことで、ドレッシングなどの調味料がよく絡み、染み込むからです。私のお店や料理教室でも大人気のキャロットラペ。もともとは自宅での定番料理で包丁で細切りにしていましたが、お店やケータリングで大量に作ることになり、包丁での手作業では追いつかなくなり、スライサーにしたところ、味も食感も断然良くなりました。スライサーの魅力は、野菜を簡単に素早くカット・スライスできる時短効果よりも、実はこの味の染み込み具合なのだと思います。野菜スライサーを検討中の方、まずは手ごろなお値段のものから試してみてください。使い勝手の良さを実感してもらえたら、デザイン、機能、お値段をバージョンアップしたものを購入して使ってみると良いと思います。
【関連記事】