子育ての甘やかし放任対策……親は子供のどこをどうサポートする?
何でもやってあげるのが”いいサポート”ではない。子供のためになる真のサポートとは?
手を出し過ぎると、甘やかしになり、やらなさ過ぎは、放任になります。毒親、モンスターペアレント、ヘリコプターペアレント、ネグレクト、虐待、などは、この2つの行き過ぎたケースですが、ここまでは行かない、もっともっと手前の段階で、多くのママが、どれくらいがちょうどいいサポートなのかを迷っています。
育児において大事な、
- 子供に寄り添うこと
- サポートすること
- お世話すること
- どこまで寄り添うのがベストか
- 何をサポートしてあげるのがいいのか
穏便に事を進めたいママが気をつけたいこと
これまでの心理研究などでも分かっているのは、ママは育児において、物事がスムーズに進むことを好む傾向があるということです。パパの育児の特徴と比較すると明らかなのですが、たとえば、■子供と遊ぶとき:
- パパは、自分の体を使い、予測できない展開の遊びを好む
- ママは、おもちゃや知育玩具をよく用い、パターン化した分かりやすい展開の遊びを好む
■子供が何かにチャレンジするとき:
- パパは、自力で頑張るよう促す
- ママは、寄り添いながら、子供のやる気を出そうとする
■子供が何かに苦戦しているとき:
- パパは、我が子が悪戦苦闘してイライラしていても、そのまま見守る傾向がある
- ママは、子供がやる気を失う前に、前に進めるようにサポートする
しかし、この思いが強くなり過ぎ、
- 子供が泣き出すと、イヤだから
- 反抗され、手に負えなくなるから
- ぐずられると、家事が出来なくなるから
親のすべきサポートは子供の道をならすことではない
結論から言うと、親がサポートしてあげたいのは、子供の「やること」ではなく、子供の「感情」です。子供がすべてに成功するように、道をならすことが、親のすべきサポートではありません。道をならしたことで、事が上手く運んでも、それはチャレンジや学びにはつながりにくいものです。それよりは、たとえ失敗してしまっても、その悔しい気持ちを隣で聞いてあげたり、一緒に悔しがって新たな作戦を編み出したり、こういうことが、本来求められるサポートなのです。
子供が悔しい思いをしたり、悲しい気持ちになったり、不安になったり、イライラしたりする姿は、親としてはできれば見たくないものです。でも、その思いが先走りしてしまうと、これらの負の感情が出ないようにと親が動いてしまう……。でもこれは、真のサポートとは言えません。アメリカ心理学会の前会長であるセリグマン博士も、「成長のためには、不安になったり、悔しい思いをしたりすることが非常に大切」と言っています。
もちろん、親が、お仕置きとして子供を狭いところに閉じ込めて怖い思いをさせたり、夫婦喧嘩を繰り返して不安にさせたりする、そんな負の感情はない方がいいに決まっています。でも、できなくて悔しい思いをしたり、新しいことに挑戦するときに不安になったりする感情のように、その子のためになる負の感情もあるのです。
世の中は、楽に事が運ぶわけではありません。むしろ、社会に出たら、進まない方が多いくらいかもしれません。その段階で、助け舟を出してもらうことに慣れていると、自分で踏ん張ろうという気持ちが出づらくなってしまいます。親が横にいる今の時期に、いっぱいチャレンジして、失敗し、また立ち上がる経験をしておくと、大きくなって、へこたれない子になります。
親は、子供が何かに挑戦したことで味わうフラストレーションや苦い気持ちを、「つらいね」と共感し、「頑張っているよ」と認めてあげ、「パパとママがついているよ」と支えてあげることで、「またもう1回頑張ってみよう」という気持ちになれるのです。子どもの心の声に耳を傾け、気持ちに寄り添うことが、親ができる一番のサポートです。
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