都心から1時間あまりのアクセス、嵐山渓谷
日本の風景は四季の移り変わりによって大きく景観が変化します。暑い夏が終わって北から落葉樹が色づいていく紅葉シーズン、埼玉県にも各地に紅葉の名所があります。ここでは都心から1時間あまりで行ける嵐山渓谷についてご紹介します。京都の嵐山の風景によく似ていることに由来する地名
武蔵嵐山は地形的な特徴から、昭和初期までは武蔵長瀞と呼ばれていました。ところが、1928年に公園の父と呼ばれることもある林学博士の本多静六が訪れたときに、京都の嵐山の風景によく似ていると呟いたことがきっかけとなり、武蔵嵐山と呼ばれるようになったのです。槻川の清流と河岸の岩畳を包む渓谷は、季節ごとに表情を変えます。1939年に嵐山渓谷を歩いた歌人の与謝野晶子は、渓谷の自然を「比企の渓」の29首に詠いこみました。
例年11月下旬から12月上旬には紅葉で包まれる渓谷
渓谷に育つコナラ、クヌギ、ヤマモミジは、例年11月下旬から12月上旬に紅葉の見ごろを迎えます。冠水橋と展望台を結ぶ片道5分前後の遊歩道には穏やかな空気が流れ、自然が織りなす色のグラデーションに包まれます。遊歩道は整備が行き届いているので、木立の中をのんびりと歩くことができますよ。冠水橋は、嵐山渓谷バーベキュー場から徒歩約10分のところで槻川に架かる橋。シンプルな構造の小さな石橋ですが、橋の上からは左右に紅葉を楽しむことができます。槻川の水面はまるで鏡のように、両岸の紅葉を映し出して美しい景色が。
河原ではバーベキューをするグループの他に、写生をする人の姿をよく見かけます。林の中を飛び交ったり、水辺で羽根を休めたりする野鳥の種類も豊富です。
冠水橋から西へ数百メートルのところに展望台が設置されています。展望台からは角度を変え、開けた視界で渓谷を眺め下ろすことができます。周辺は自然公園のようになっており、色づいた樹々の間を歩けば足取りも軽くなり健康を取り戻すことができそうです。
ご当地B級グルメも味わえる「嵐山渓谷紅葉まつり」
毎年、紅葉の時期に合わせて、嵐山渓谷紅葉まつりが開催。2017年は11月18日(土)から12月10日(日)の日程が予定されています。期間中には「ウォーク&グルメ」のイベントも企画されており、嵐山町観光ボランティアガイドによるガイドウォークの他に、露店では嵐山町のご当地B級グルメ、嵐山辛モツ焼きそばや地元のうまいものを味わうことができます。【嵐山渓谷】
住所:埼玉県比企郡嵐山町大字鎌形
アクセス:東武東上線武蔵嵐山駅よりイーグルバスせせらぎバスセンター方面行き、または02系統で約10分、休養地入口停下車、徒歩約15分;関越自動車道東松山ICまたは嵐山小川ICより国道254号を嵐山渓谷方面へ約7キロ
地図情報
嵐山町旅の達人(嵐山町観光協会運営HP)