時代を越えて愛される憩いの空間でほっとひと息
今、静かなブームになっている純喫茶。古いものと新しいものが同居する金沢には懐かしい雰囲気たっぷりのクラシカルな喫茶店が点在しています。流行のカフェもいいけれど、落ち着ける大人の空間で素敵なカフェ時間を過ごしてみませんか。映画の中に迷い込んだ気分で極上のコーヒーを満喫「純喫茶ローレンス」
金沢で純喫茶と言えば、絶対に外せないローレンス。直木賞作家・五木寛之氏が毎日通っていた喫茶店として有名ですが、五木氏所縁ということを除いてもローレンスは他とは全く違う唯一無二の喫茶店。秘密めいた入り口の扉を1歩潜ればそこはまるで別世界。金沢美術工芸大学出身のマダムが独特の感性で作り上げた幻想的な空間が広がっています。異世界の生き物を描いたような素描や彫刻から、溢れんばかりに飾られているドライフラワーまですべてマダムの作品。
ご高齢なため、もう無理はしないということでメニューはドリンクのみですが、どれも大きなカップやグラスに並々と注がれていてボリュームたっぷり(優に他店の3倍はあります)。しかも味も一級品です。
おすすめは市場に流通していないタンザニア大使館専用のキリマンジャロを使ったスペシャルホットコーヒーと金沢で1番美味しいと評判のココア。ココアはその人に合わせてアレンジが可能なので、お好みをマダムに伝えてくださいね。
■純喫茶ローレンス
住所:〒920-0981 金沢市片町2-8-18
TEL:076-231-1007
営業時間:14:00~19:00
定休日:無休
昭和の世界にタイムスリップ!古き良き時代を物語る「珈琲館 禁煙室」
かつては金沢市内に10軒以上の店舗があった禁煙室。現在はこちらの1号店のみになってしまいましたが、店内は創業当時の面影を偲ばせ、レトロ感が満載です。店名が禁煙室なのでちょっと紛らわしいですが、昔ながらの喫茶店らしく喫煙OK。重厚感たっぷりの家具にカラフルなステンドグラス、天井にはミラーボールを彷彿とさせる大きくて丸いクラシカルなスピーカーまでぶら下がり、昭和の時代に迷い込んだよう。明治時代に建てられた建物も趣があり、ドラマや写真集などの撮影にも使われているとか。
禁煙室はドリンクだけでなくフードメニューも豊富で、サンドイッチなどの軽食から懐かしのスパゲティやしょうが焼き定食まで揃っています。しかもすべてにコーヒー or 紅茶が付いて850円以下と良心的を通り越して、こんなに安くて大丈夫かと心配になるほど。
気になる煙草の煙も常に換気されているのでほとんど感じることはなく、カウンター席以外はソファ席なので居心地も抜群。ゆっくりとした時間が流れる落ち着いた大人の空間は、慌ただしい日常をひと時忘れさせてくれます。
■珈琲館 禁煙室
住所:〒920-0902 金沢市尾張町2-14-21
TEL:076-232-1466
営業時間:9:30~23:00
定休日:無休
建築当時の面影を残す、ロマンティックな穴場の喫茶店「珈琲館 長田亭」
往時には金沢市内に10数軒の店舗があったと先に紹介した禁煙室ですが、その2号店だったのがこちらの長田亭。現店主の長田さんがお店を譲り受けた際、店名に自分の名前を冠し、再スタートされたそう。店内はほぼ禁煙室当時のままでインテリアは勿論、趣のあるアンティーク家具や調度品もそのまま利用しているとのことで、訪問時には気づかなかったのですが、後で禁煙室の写真と見比べてみるとやはりそっくりでした。
お店は横に長く、入り口の扉を潜って左側がカウンター席、右側の少し奥まった隠れ家的なスペースにソファ席があります。メニューはドリンク・フード共に揃っているので、カフェ利用だけでなくランチ利用にもおすすめ。
金沢駅から徒歩圏内という立地ながら、目抜き通りから外れた静かな住宅街にあるため街の喧騒から離れ、旅疲れを癒すのにぴったりな長田亭。街歩きを終えたら、こちらでほっとひと息つきませんか。
■珈琲館 長田亭
住所:〒920-0853 金沢市本町2-18-32
TEL:076-221-2714
営業時間:8:30~13:00、15:00~22:00
定休日:日曜日