国民年金基金って何?
会社員・公務員等は国民年金の上乗せという形で厚生年金に加入していますが、自営業者などの国民年金の第1号被保険者は国民年金しか加入していません。同じ自己負担の保険料でも将来受け取る年金額が大きく異なってしまうのです。将来の年金額の差を解消するため自営業者などの上乗せ年金として、国民年金基金制度が平成3年4月に創設されました。
現在のところ、国民年金基金は47都道府県の「地域型基金」と22の職種別「職能型基金」があります。加入する場合は住所地の「地域型」か職業の「職能型」どちらかの基金を選ばなくてはなりません。
原則20歳以上60歳未満の自営業者など(国民年金保険料法定・申請免除、学生・若年者猶予の人、会社員・公務員の被扶養配偶者は除く)が加入でき、60歳以上65歳未満の方は国民年金に任意加入し保険料を支払えば、基金にも加入できます。
国民年金基金の掛け金は全額「社会保険料控除」となり、所得が多いほど節税することができます。平成31年(新元号元年)4月より、国民年金基金は「全国国民年金基金」として一本に統合されることになりました。
国民年金基金の統合は事務の一本化が目的?
現在の国民年金基金は他の都道府県に転居したり、職業替えした場合、加入資格がある他の地域型基金や他の職能型基金に加入のする手続きを3か月以内にしなければ、加入資格喪失となってしまいます。こういった加入脱退の事務や国民年金基金の請求を怠った人も多く、国民年金基金連合会の調査によれば、未請求者は平成27年3月時点で約3400人います。
国民年金基金連合会から加入者に送付された手紙によると、「住所変更や職業変更による手続きが簡単になり」、「別々の基金が行っていた事務を集約し効率化を図るため」と記載されています。
ちなみにiDeCo(個人型確定拠出年金)の管理や企業型DC(確定拠出型年金)からiDeCoに資産を移す手続きも国民年金基金連合会で取り扱っています。
自営業者ならiDeCoと国民年金基金は合計で月額6万8000円まで加入できますので、両制度に加入している方もいます。iDeCo加入者と自営業者の上乗せ年金部分で国民年金基金連合会と全国国民年金基金は連携して行くのでしょう。
iDeCoは原則5年から20年の有期年金ですので、長生きリスクを考えると「公的年金の補完」と言えるでしょう。自営業者等の上乗せ年金で終身年金である国民年金基金がより充実することを願います
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【参考】
国民年金基金連合会HP