社会保険料って何?
お給料から税金とともに差し引かれていますが、社会保険料って何でしょう?給与明細に「社会保険料」とはありませんが、会社員にとっての社会保険料は厚生年金、健康保険、介護保険(40歳から)、雇用保険の保険料です。自営業等、20歳以上の学生、失業者等にとっての社会保険料は、国民年金、国民健康保険です。こちらは給与から差し引かれるのではなく自分で支払方法を選び支払います。65歳以上は介護保険の種別が変更になり、介護保険料は年金から差し引かれます。
75歳以上はもし会社に残っていても高齢者医療保険に切り替わります。ちなみに75歳以上の高齢者医療保険料は、平成29年8月分(引き落としは10月)から軽減率が減少し介護保険料が増えます。
厚生年金は9月から翌年8月まで同じ額の保険料
厚生年金・健康保険は4、5、6月の給与平均が決まった総報酬月額を元に、およそ18.3%の保険料を計算します。(参考 平成29年9月からの保険料額表 東京都)厚生年金保険料は毎年9月分(納付は10月)から来年8月分まで原則保険料は同じ額です。総報酬月額が2段階以上変わった場合等特別な場合は、4か月目に保険料が増減する手続きをします。
平成16年10月から毎年値上がりしていた厚生年金保険料
「どうもお給料が上がらないなあ。下がってないよね?」そんな風に感じたことはありませんか?実は平成16年10月から保険料水準固定方式が適用されたため、毎年0.354%(自己負担分は0.177%)ずつ厚生年金保険料は上がっていたのです。平成16年9月に13.85%だった厚生年金保険料が平成29年9月からは18.3%になりました。実際は半分(9.15%分)を会社が負担するから、自己負担は総報酬月額の6.925%から9.15%に増額です。
賞与からも厚生年金は差し引かれるので、年収500万円の方なら約11万1000円も厚生年金保険料が増額したことになります。庶民にとって負担の額でしょう。
平成29年9月以降の厚生年金保険料は引き上げ率上限の予定
「厚生年金保険料率の引き上げはこれ(18.3%)で固定される。」と厚生労働省では8月に報告しています。ほんとに引き上げは終わりになるのでしょうか?平成31年の財政再計算ではどうなるのでしょう?一部の報道では、財政再計算で保険料率が25%超える形で再計算されるのではないか?という声もあり、未知数な部分もあります。
実際には厚生年金保険料率を約5%(自己負担2.5%)引上げするのに13年間も時間をかけており、平成31年に財政再計算されても突然厚生年金保険料率が25%(自己負担は12.5%)になる可能性は低いでしょう。
企業内保育所の整備に使う資金を、社会保険料の事業主拠出金を上げる形で捻出する意見などが厚生労働省で出ているとのことです。予定通り厚生年金保険料が18.3%(自己負担9.15%)で維持され、その範囲内で保育所の整備にあてられるといいですね。
健康保険料・雇用保険料は毎年3月に見直し、4月に変わる。
健康保険料は協会けんぽの場合、保険料率は10%(自己負担5%)前後ですが、都道府県ごとに保険料率が異なり、平成29年度は9.69%(自己負担4.845%)から10.42%(自己負担5.21%)です。雇用保険料は、平成29年度でサービス業などが0.9%(自己負担0.3%)、建設業は少し高く1.2%(自己負担0.4%)になります。
例えば年収500万円(賞与50万円が2回)で40歳以上の方は健康保険料(介護保険料含む)月額約2万4000円、雇用保険料は約1000円になります。いずれも毎年3月に見直され4月分から保険料率が変更になります(据え置きの場合もあり)。
国全体の高齢化が進んでいて、平成28年度で約41.3兆円と医療費も増えています。その反面、保険料を支払う若い人は増えていないので公的年金も待ったなしの状況のようです。
若くて稼げる時から、老後を考えて全額資金を自分で備えられる人はごく少数でしょう。老後の収入の柱として公的年金制度が安定することを願います。
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