出産祝いをあげる基準とは? 今どきのリアルマナー
肌着やスタイ、靴下などは衣料品かつ消耗品
出産祝いの一連の行為といえば、赤ちゃんが生まれた数か月以内に何かしらのモノを贈り、もらった方はそれに対して感謝の意とともに何かしらのモノを返すというものです。
でも、時にその行為が目的となって、儀式のようになっていませんか? そこで、産後ワンオペ育児になりがちなママの負担にならないこと、本当に喜んでもらえることを第一とし、出産祝いの新しい在り方を考えます。
さて、出産祝いの今までの定番といえば、ベビー服。何枚も必要になる肌着や、ロンパース、スタイなど、ちょっぴりよそ行きのグレードのものが喜ばれているようです。
しかし、同時に「ママの趣味ではない赤ちゃんの服」だとがっかりされることも。もらう人の好みをしっかり把握しておかないと、かえって困らせてしまいます。
そこで、お洋服を贈るときには、あげる人に好みを聞いたり、ズバリ物を指定してもらうというのが安心!
……でも、欲しいものを聞けて、言えるようなざっくばらんな間柄だったら、そもそも出産祝いで悩まないわけで……。
以下、あげる人との関係性、もの、タイミング、お返しと一連の出産祝いにまつわるコトを考察してみます。
<目次>
出産お祝いをあげる人は、どんなひと?
いつもお世話になっている人にはおのずといいものをあげたくなります
まずあげる人との関係性について。お祝いを贈る基準は、ふだんの親密さ、お世話になっている深さではないでしょうか。
A.学生時代からの友人、仲のよい親戚、そして毎日顔を合わせる(合わせていた)同僚、上司、部下
おのずと「贈りたい」気持ちもあり、比較的高価なモノでも恐縮しないで受け取ってもらえそうです。1人であげるのもいいですが、会社の同僚なら同僚どうしでお金を出し合ってプレゼントするのが一般的。代表的なもので、抱っこ紐やベビー服(サイズはあげる時期によって違いますが、80センチ~90センチ以上だと良い)、ブランケット、バウンサー、靴、食器セットなどなど。
ママの好みが反映されやすいグッズですが、コミュニケーションも取りやすい仲だと思うので、事前に聞くと喜ばれると思います。赤ちゃんが二人目以降の場合、上の子で使っていたものがあるはずなので、ますます事前伺いが重要になるでしょう。
現金に勝るものなしというゲンキン主義
注意したいのは、ギフト券・商品券の場合、必ず使える場所が多いものを選びましょう。ギフト券によっては都道府県内で1つの施設でしか使えなかったりもして、もどかしい思いさせてしまいます(もどかしさ経験済み)。
ちなみに私の鉄板出産祝いは「鼻吸い器」。お母さんが吸うタイプではなく、空気の力で吸い込むもの。もちろん本人に確認してから贈ります。
昭和の耳鼻科でよく見かけた鼻吸い器
B.あまり仲が良くないけど、同じコミュニティに属している人に贈る場合
例えば習い事教室で一緒、地域のサークルで一緒、など週一回くらい会って、ランチや飲み会を何度かともにした間柄。出産祝いを贈らなくてもいいと思いますが、あげる場合は、同じコミュニティの人とそれほど高価ではない、負担を感じないものがよさそうです。
例えば、タオル、ガーゼ、靴下、木製のおもちゃ、絵本、ベビーの日焼け止め、保湿クリーム、おむつケーキ、おしりふきなど。そしてママ用のお菓子、ハンドクリーム、カフェインレスのお茶などなど。
いわゆるザ・無難なものですが、お祝いの気持ち&相手を煩わせないことができる名チョイスだと思います。
ママ友といっても親友から顔見知りまでさまざま
C.悩ましい相手、ママ友に出産祝いをあげる場合
ママ友にあげるということは、必然的に2人目以降の出産です。ということは、たいていのベビーグッズを持っている。ここで欲しいものを聞いて、ママ友集団であげるのも良いかと思いますが、みんな時間のない身だったり、個人的には仲良くないことも。私は顔見知り程度の場合は、会った時にお祝いの言葉だけでも十分だと思います。
しかし、いろいろあってあげるとなった場合、ちょっとおしゃれな消えモノだともらう方も気がラクなのではないでしょうか。ママ用のお菓子、無添加やオーガニックなどのハンドクリーム、赤ちゃん用の日焼け止めクリームや保湿クリーム、シャンプーなどなど。
本当に仲の良いママ友なら前述のAタイプと同じ。欲しいものを聞いたり、あげたいものに対する可否をあらかじめ聞いて、本当に喜んでもらえるモノを贈りたいですね。
ママに安らぎの時間をプレゼントできたらいいですね
出産祝いをあげるときに添えたい一言「お返しは要らないよ」
産後のママは、ただでさえ新生児のお世話で忙しいのに、出産祝いのお返しの段取りがのっかってくると、記憶がなくなるくらい疲れるものです(経験済み)。なので、私があげる場合、「お返しはいらないよ!」と言っています。それでも返してくれる方は、それでよし。
お返しについては、再度ふれますが、新生児のママさんパパさんを煩わせたくないと思ったら、一言添えてあげると思いが伝わるのかなと思います(なかには真逆に受け取る人もいそうですが……!)。
出産祝いをあげるタイミング
荷物が大きい場合も宅配便が便利です。
ここで気を付けたいのが、赤ちゃんとママのタイミングに合わせる、ということです。生まれた赤ちゃんを早く見たい気持ちがあっても、ママは新生児のお世話で大変。
ママから誘われたら良いと思いますが、生まれて間もない時期に大人数で自宅に伺うことは避けたいものです。
また、生後3ヶ月以内に病原菌をもらうと、厄介な病気に発展する場合があるので、風邪やインフルエンザが流行っている時期の訪問は避けた方が良いと思います(赤ちゃんは6ヵ月間お母さんの免疫に守られるという話がありますが、私の娘は生後2ヶ月でRSウイルスに感染して肺炎になりました)。
私がありがたかったのは、宅急便で出産祝いをいただき、生活が落ち着いたら会うというパターン。その人もママだったので、されて嬉しいことが分かっていたのだと思います。
出産祝いのお返しアレコレ
年配の方へは旧来どおりの対応が無難
「出産祝いは気持ちだから、お返しは義務ではない」という意見もあれば「いやいや、礼儀としてお返しを贈るべき」という意見もあるでしょう。
これは私の場合ですが、もらった相手によって対応が異なっていいものと考えます。
■目上の方や会社の上司へのお返し
形式を重んじる方も多いため、いただいた贈り物の額の1/2から1/3を1ヵ月以内に返します(地域によっては同等の額をかえす全返しの場合も)。
人によっては「お返しがお茶だと法事みたい」と言われることもあるそうなので、箱入りのお菓子や有名ホテルのグルメセットなどを贈るとザ・無難!だと思います。
■友達・ママ友へのお返し
ふだんからコミュニケーションを取っている友人であれば、好きそうなお菓子や紅茶などのグルメ系消えモノ、またはリップクリームなどの美容系消えモノを会った時に渡せばよいのではないでしょうか。
あらかじめ「お返しはいらないよ!」と言われているのであれば、甘えるのも手。「そうはいっても返さねばまずそう」なら消えモノを。
■両親へのお返し
賛否両論あるところですが、お返しをすれば、喜んでもらえるのは明らかだと思いますよ。私は地元のお菓子を返しました。
この場合はどうしよう?変化球のパターンを考えてみる。
第二子以降のお祝いだと、絵本はかぶりやすいかも
ジャッジの際の参考にしてくださいね。
例1.ママ友から出産祝いをもらったが、自分はあげてなかった!
「何かにつけてプレゼントをあげたい人」はたまにいらっしゃるので、お礼とともに受け取るだけも手(そのあたりは見極めを)。同等のグルメ系消えモノをお返しして終了、または旅行にいった際になにか手土産をあげるなどで対応。
例2.ママ友から出産祝いをもらって、お返しをしないまま、そのママにも赤ちゃんが生まれる。
「お祝い」と「お返し」は別々にするべきという意見が「今までの常識で正しい」と思います。ですが、もらったものと同じ価格帯をあげる(返す)、で気持ちは伝わると思いますよ。
例3.自分は出産祝いをもらっていないけど、親戚に赤ちゃんが生まれた。
このあたりは「気持ち」を基準に。あげたければモノを贈り、そうでなければ祝福のメッセージを。
例4.出産祝いを贈ったのに、お返しをもらっていない・出産祝いをもらっていなくて不満
人はそれぞれの価値観で動いているので、理由があるのでしょうね(単に忘れている場合も)。あなたが、どうしても不満に思うようであれば、その方とは合わないと思うので、今後縁が薄くなっていくかもしれません。
本来「祝いたい心があるから、贈るという行動になる」ものですが、人によって、地域によって、家によっては、行動自体に重きが置かれる場合もあります。
その都度、置かれている状況をジャッジしていくことになるかもしれませんが、一度出産祝いについて自分の方針を持てば、それに従うだけ。
モノにとらわれすぎず、気持ちのよい人間関係を築いていけるとよいですね。
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