三歳児神話…後追いされると保育園に預けることに迷いも
三歳児神話を聞いたり、預ける際「ママ!」と後追いされると0歳から保育園に預けることに抵抗や迷いを感じることがあるでしょう
最近は女性の社会進出も目覚ましく、保育園に子供を預け就労する母親も増えてきています。ですが「三歳児神話」を聞いたり、預ける時、大声で泣かれたり、後追いされると早くから保育園に預けることに迷いや抵抗を感じる人も少なくないでしょう。
心も体も健やかに成長し、しっかり自立している子供の中には、幼い時から保育園に預けられ育った子も多くいます。ですが何故、3歳までは母親が育児に専念して育てた方がよい、という三歳児神話が根強く残っているのでしょうか。
そのカギを握るひとつ「愛着形成」の解説と、0歳から赤ちゃんを保育園に預ける母親が心がけたいことをお伝えします。
<目次>
愛着形成は生きていく基盤となる
愛着とは、慣れ親しんだモノへの特別な思いを言い、発達心理学では赤ちゃんと特定の養育者との心のつながりや情緒的な結びつきを言います。愛着を形成していくことは、子供の成長において非常に重要で、協調性や社会性が身についていく、勉強や運動ができる、友達と仲良く遊ぶ、ルールを守る、心が優しい、たくましい、意欲があるなど生きていくうえで大切なことの基盤となります。
愛着形成は社会的やり取りから生じる
愛着形成とは?
つまり話しかけたり、スキンシップを取ったり、赤ちゃんからの何らかのサインに応えてくる人との間に形成されていくのです。
まだ言葉を話せない赤ちゃんは、このコミュニケーションを非言語によりおこなっています。顔の表情や声のトーン、しぐさなどを通し、身近な人と交わす社会的やり取りが、心理的絆を深めていくと言えるでしょう。
やがてそのやり取りの多い相手、つまり主たる養育者と決まった意思疎通の形式が出来てきます。
そしていつもの馴染みの相手から、予測している反応が返ってくることで、赤ちゃんは安らぎを感じ、精神的に落ち着き、愛着形成がなされていくのです。
意思疎通の形式が定まらないと不安を感じる
自分の発する非言語による言葉に応じてもらえない、またはいつもと違う反応、期待していた返答と異なる対応であったりすると、不安や恐怖を感じる原因になると言われています。家庭の場合、社会的やり取りの相手は母親になりますが、保育園だと、保育士さんが仕事を分担したり、シフト制であったりしますので、その相手が変わります。ですので馴染みの相手や意思疎通の形式が変わり、赤ちゃんは不安を感じることもあるでしょう。
では保育園に預けられると皆、不安を感じて育つのかと言うと、そうではありません。母親との愛着形成がしっかり築かれていると、むしろ集団の中でたくましく育つでしょう。
育児は時間より質が大切です。短い時間でも充実した関わりを持てば、母子間の愛着は形成していくことができます。
スキンシップや関わりの時間を決めたり、見える化する
どんなに忙しくてもしっかり赤ちゃんに向き合い、語りかけましょう
簡単なようですが、就労しながら子育てをしている母親は、帰宅後さまざまな家事をこなさねばなりません。そして夜泣きが始まったりすると、夜も熟睡することは出来ず、肉体的にも精神的にも疲労困憊の状態でしょう。するとどうしてもあかちゃんの小さなサインを見落とされたり、関わりが減少してしまいがちです。
その場合は、
・赤ちゃんに向き合う時間を決める
・抱っこや、絵本読みのカードを作り、その関わりをすれば裏返しにしていくなど、工夫するのもよいでしょう。
就労しながらの愛着形成は母親の意思次第
家事を助ける最新の家電や家事代行サービスなどを利用すれば、赤ちゃんと向き合う時間を捻出できますが、経済的理由で共稼ぎしている家庭では、なかなか利用できないのも現実でしょう。そう考えると、就労しながらの愛着形成は母親のかなりの負担と努力が必要です。また愛着はどれだけ形成されているかは目に見えず、結果も直ぐにはでないので、判断が難しいでしょう。そのあたりも、三歳児神話が根強く残る理由かもしれません。
ですがその道を選択したのであれば、保育園に預けていることに迷いを見せず、強い意志を持って子育てに向き合いましょう。
保育園か子育てに専念するか、メリットの大きさを総合的に判断
ワーキングマザーと専業主婦か?
また昨今の「女性が輝く社会、女性の活躍促進」などの社会情勢から、就労意欲の高い女性も増えてきています。家庭で育児に専念していると、不安やモヤモヤ、イライラが募り、ネガティブな感情が高まるのであれば、保育園を利用し、社会で働くこともよいでしょう。
早くから保育園に預けて就労するか育児に専念するか、どちらがよりメリットが大きいかは、その家庭の事情や母親自身の生き方によるでしょう。
子育ては、未来を担う子供たちを創る重要な仕事
社会で働きたい母親がいる一方、子育てに専念したいけれど、就労せざるをえない母親が大勢いるのも事実です。今、保育園待機児童数が2万人、実際はそれ以上だと言われていますが、保育園を増やすことを考えると同時に、就労を望まない母親が、安心して子育てに専念できる社会も考えなければならいでしょう。これから先、そのような社会を実現させていく大人になるよう、今の子供たちを責任持って、健やかに育てていきたいですね。
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