アレルギー検査とは

アレルギー採血

View39やMAST36といったアレルギー検査では40項目ほどのアレルゲンに反応するか一度の採血で調べられる。花粉や食物に対するアレルギーの有無を判定する目安になる

最近は「アレルギー検査」「アレルギーテスト」という言葉が一般的にもかなり浸透したのか、患者さんから「アレルギー検査をお願いします」と言われることがあります。アレルギー検査には様々な種類がありますが、皮膚科のクリニックでは、アレルギー検査と言うと採血による血液検査を指すことが多いです。ここ数年で「View39」や「MAST36」といった採血項目で、40近くのアレルゲンに対する反応を一回の採血で調べられるようになりました。

■View39の血液検査で分かること

View39の場合、採血項目は以下の通りです(MAST36との違いも括弧で示します)。

  • ヤケヒョウヒダニ (MAST36ではコナヒョウダニ)
  • ハウスダスト
  • ネコ皮屑
  • イヌ皮屑
  • ゴキブリ
  • スギ
  • ヒノキ
  • ハンノキ
  • シラカンバ
  • カモガヤ
  • オオアワガエリ
  • ブタクサ
  • ヨモギ
  • アルテルナリア
  • アスペルギルス
  • カンジダ
  • マラセチア
  • ラテックス
  • 卵白
  • オボムコイド
  • ミルク
  • 小麦
  • 大豆
  • ソバ
  • ピーナッツ
  • ゴマ
  • エビ
  • カニ
  • 果物
  • キウイ
  • リンゴ (MAST36ではモモ、トマト)
  • バナナ
  • 鶏肉
  • 牛肉
  • 豚肉
  • マグロ
  • サケ
  • サバ
上記のようにView39とMAST36ではほとんどの項目が共通ですが、一部はそれぞれ片方にしかない項目があります。モモやトマトのアレルギーが疑われる場合にはMAST36、サバのアレルギーが疑われる場合はView39、のように使い分けるとよいです。

採血によるアレルギー検査で調べていること

血液中には「IgE」という抗体があり、それぞれのアレルゲンに反応してアレルギー反応の原因になっています。それぞれのアレルゲンに反応するIgEの量を個別に測定するのが採血によるアレルギー検査です。この量によって、検査ではクラス0~クラス6まで分類します。「クラス0」なら反応なし、「クラス6」なら反応が非常に強いという判定になります。

結果がクラス1~2の場合、採血上は反応はあったが実際はアレルギーは起こらなそう、クラス5~6では実際にアレルギーがありそう、という目安になります。クラス3~4の場合、実際の症状と照らし合わせて判断することになります。

アレルギー検査の正確さ・活用法・実際の症状との差も

注意しなくてはならないのは、アレルギー検査の結果を鵜呑みにして、「○○にアレルギーがある」「××を避けなければアレルギー反応が出る」とは断定できないという点です。あくまで採血上の結果なので目安にはなりますが、何に対するアレルギーをもっているのか正確に判定できるテストではありません。

エビを食べたら毎回じんましんが出る、スギ花粉のシーズンになると鼻水が出て涙目になる、という症状があれば、たとえアレルギー検査で高い数値が出なくてもアレルギーがあるということになります。また、エビやカニに採血で高い数値が出ても実際に食べてもアレルギー反応が出ないのであれば、食べないように避ける必要はありません。実際の症状がアレルギーがあるかどうかを判定するのに最も重要なのです。

アレルギー検査を受けるべき症状・タイミング

エビヤカニを食べるとじんましんが出る、果物を食べると口が腫れる、春や秋の特定のシーズンになると鼻水が出て顔もかゆくなる、といった特定のアレルゲンを疑う症状がある時に採血を行うと、原因を確かめる手がかりになります。アレルギー検査のいい適応です。
蕁麻疹の症例画像

じんましんの症状で食べ物を原因として疑った場合には採血によるアレルギー検査が原因の手がかりになる


花粉皮膚炎

春の花粉が飛ぶ時期に、顔が赤くがさがさになる場合には原因を調べる上でアレルギー検査が手がかりになります


診療していて難しいのは、じんましんや湿疹の原因を知りたいのでアレルギー検査をしたいという要望を受けた場合です。特定の原因を元から疑っていない場合には、アレルギー検査を行っても原因がわからないことが多いからです。じんましんであれば8割以上は特定の原因は見つかりません。湿疹では乾燥や元からの体質が影響しますので採血の項目の中に特定の原因があることは少ないです。患者さんからの希望がある場合には、原因を同定できない可能性も高いと伝えた上でアレルギー採血を行っています。

アレルギー検査の費用の目安は5000円程度

View39とMAST36はどちらも同じ検査料で、保険で3割になった場合、5000円程度かかります。

アレルギー検査の結果が出るまでの期間は1週間程度

View39とMAST36ともに採血を診察当日に行い、1週間程度で再度受診してもらい結果を伝えるのが一般的です。外部の施設に委託して検査してもらうので、結果は当日には出ません。

View39やMAST36以外のアレルギーに関する採血項目

40近いアレルゲンを一回の採血で調べられるこの2つの検査に加えて、総IgE、好酸球数、TARCは体の中のアレルギー反応がどの程度あるのかを調べる指標になります。

■総IgE
特定のアレルゲンに対するIgEの量を調べたのがView39やMAST36ですが、そのトータルの量は体の中でのアレルギー反応の全般的な強さをみる上で有用な検査です。View39やMAST36を調べるのであれば、同時に行うことをおすすめします。基準は用いるキットによってもブレがありますが、200を超えていれば数値が高いと言えます。アトピー性皮膚炎や喘息といったアレルギーが原因の病気があると数値が上がり、症状が強いと5桁になることもあります。

■好酸球
白血球の中には好酸球というアレルギーに深く関わっているタイプがあり、体の中にアレルギー反応があると数が増えます。白血球全体の5%を超えていれば増加しているといえます。

■TARC
TARCはアトピー性皮膚炎のときに増加しやすく、この病気の時に月1回、医療保険の範囲内で採血で調べられます。アトピー性皮膚炎が悪化すると数値が上がり、改善すると数値が下がるので、治療の指標になります。アトピー性皮膚炎は皮膚にがさがさや赤みといった症状が出るのでTARCの採血は必須ではありませんが、定期的に測ることで症状を数値化できるので治療のゴールがわかりやすくなり、また毎日ぬり薬をきちんと塗る動機づけをすることができます。

金属アレルギー等を調べるパッチテスト

血液検査だけでなく、かぶれの原因を調べる場合には、「パッチテスト」という皮膚の表面にアレルゲンを直接付着させる検査を行います。金属アレルギーをはじめ、かぶれを疑った場合には背中に疑った原因物質を貼り、48時間後と72時間後、場合によってはさらに1週間後にどの程度赤くなったかでかぶれの原因を探ります。夏は汗をかくためにうまく判定できなくなることが多いので、汗をかく季節は避けたほうがよいです。

まとめ

採血で40項目近いアレルゲンに対する反応を判定できるView39とMAST36は簡便で有用な検査です。保険でカバーされ、結果も1週間で出ます。特定の食べ物や花粉に対するアレルギーの有無の目安になります。ただし、実際のアレルギーの有無と検査結果が一致しないこともありますので、実際の症状と合わせて結果を判断しましょう。
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