「FF外から失礼します」とは
日本人的な「内と外の意識」が影響している?
海外メディアで「丁寧なネットスラング」と評価
海外メディア「Mashable」では、英語では「「we don't follow each other, but please excuse me, [I have something to say].」という意味となると説明しています。背景には、日本文化にある「内と外」という考え方があることが関係していると解説されています。元々、Twitterではフォローしている・していないに関わらず、自由にツイートできるオープンなサービスです。当初はこのような独自ルールはなく、日本だけで自然発生的に生まれた独自ルールなのです。
初めて「FF外」を使ったのはいつ?
では、このフレーズはいつ頃から使われているのでしょうか。Togetterで、初めてFF外から失礼したのは誰かについて調べた結果がまとめられています。「FF外から失礼します」を使ったもっとも古いツイートは2012年でした。「フォロワー外から失礼します」は2010年から、「フォロー外から失礼します」はなんと2009年5月から始まっていました。Google トレンドで調べてみると、「FF外から失礼します」は2016年から徐々に増えており、2017年にかけて急増していることがわかります。「フォロー外から失礼します」はもう少し古く、2014年夏頃から増加し続けています。
独自ルールに従わないでトラブルも
このようなフレーズを使うユーザーは、「言わないと失礼という風潮があるから」「急に知らない人からリプライをもらうと迷惑な人もいるから」と言います。これに対して、「元々Twitterはそういうサービスではないし、気を使いすぎ」という意見も少なくありません。元々SNSでは、似た価値観の人が集まったり交流しやすい傾向にあります。これを「エコー・チェンバー現象」と言います。それ故、ある人の周りではこのフレーズを使うことが常識なのに、別の人はこのフレーズ自体を知らないということが起こるのです。
常識が違うユーザー同士が交流することで、「挨拶もなしにいきなりリプライして非常識」「元々Twitterにはそんなルールはない」と意見が食い違い、トラブルになってしまうというわけです。自分の常識は誰にも通用するものではないことは知っておくべきでしょう。
「無言フォロー」トラブルも理由は同じ
一方向フォローが可能なサービスにも関わらず、なぜこのようなフレーズが生まれたのでしょうか。一つには、日本人らしい内と外という意識が影響していることはありそうです。フォロー関係があることはつながりがある仲間であり、それ以外の人は交流がない他人というわけです。
似たような事象では、「無言フォロー」もトラブルになることがあります。一部に、無言フォロー、つまり何も言わないでフォローすることをマナー違反と考える人がいるためです。「無言フォロー失礼します」の他、「無言フォロー歓迎」などの使われ方をします。これも、フォローをつながりととらえているため、「挨拶もなしに入って来るのは失礼」と感じるためです。言うまでもなく、これも日本独自のルールの一つです。
こういったフレーズがSNSの中でも特にTwitterでみられるのは、他のサービスでは内と外がはっきりしているということも影響しているかもしれません。TwitterとInstagramは一方向フォローが可能ですが、LINEやFacebook、mixiなどは双方で友だち追加するか、友達申請・承認を経る必要があります。
若者世代はTwitterでも仲間とだけ話しているつもりで、問題発言を投稿して炎上してしまうことが少なくありません。それにも、このようにフォロー・フォロワー関係がある相手だけが仲間で、それ以外の人は無関係という意識が関係している可能性があります。しかしTwitterはオープンなサービスなので、フォロー・フォロワー関係でなくてもツイートが読めることは知っておくべきでしょう。
SNSには様々な独自ルールが生まれています。様々な独自ルールがあることを知り、リプライやフォローなどトラブルになりやすい行動には注意したほうがいいかもしれません。