家の骨組みとなる木材の種類と使い方とは
<目次>
- Q:家に使われる集成材の柱は強度的に問題ありませんか?
- A:貼り合わせだからといって、危惧することはありません
- 骨組みとなる木材について:針葉樹と広葉樹の違いもチェック
- 木材の使い分、それって適材適所ですか
Q:家に使われる集成材の柱は強度的に問題ありませんか?
現在家を建てています。先日現場を見に行ったら柱はてっきり1本の原木からとった木と思い込んでいたら、細かい木を重ね合わせた集成材でした。強度的には問題はないのですか?また、家の骨組となる木材の使われ方を教えて下さい。
(女性 40歳代、神奈川県)
A:貼り合わせだからといって、危惧することはありません
集成材は1本の原木としては使用しづらい間伐材などを貼り合せた材です。近年は集成材の技術も向上していて、貼り合わせだからといって、危惧することはまったくありません。むしろ貼り合せることで狂いも少なく、強度も無垢材の約1.5倍あると言われています。<家の骨組となる木材の使われ方>
- 梁:アカマツ、カラマツ、米マツ、構造用集成材
- 筋かい:スギ、ベイツガ、
- 胴差し:米マツ、ヒノキ、杉、構造用集成材
- 通し柱:スギ、ヒノキ、構造用集成材
- 管柱:スギ、ヒノキ、構造用集成材
- 土台:ヒノキ、ヒバ、米ツガ
土台は耐久性、耐水性、防腐性に富んでいるヒノキやヒバ、予算が合えばクリ材などを使います。柱は縦の力に強い杉、構造用集成材。梁は横の張力に強くて硬いマツ系の樹種が多く使われています。
骨組みとなる木材について:針葉樹と広葉樹の違いもチェック
針葉樹は字のごとく葉は梁のように先がとがり細く、ほとんどが常緑樹です。ヒノキ、スギ、アカマツなどです。比重(0.4)が小さいので軽く変形しにくく、加工もしやすいので家の構造材に多く使われています。また、熱伝導率も小さいので、触った時に温かみを感じます。一方広葉樹の葉の形は偏平で、落葉樹と常緑樹があります。建築に使われる落葉広葉樹で代表的な樹種は、ナラ、クリ、ケヤキ、アオダモ等です。ちなみにアオダモは野球のバットに使われる程堅い木です。その他一般的には建具や家具などにも使われます。比重は針葉樹と比べると0.7と大きく、たわみは少ないですが伸縮が大きく変形がしやすいです。熱伝導率は高いので触った際、堅く、冷たい感じがします。
木材の使い分、それって適材適所ですか
ビジネスの社会で「適材適所に人の配置を行いました」というコメントを聞くことがあります。ここでの適材適所はその人の能力や特性を正しく評してふさわしい仕事や地位を与えるという意味で使われています。この言葉の語源は木材の使い分けからきているので「材」という言葉が使われているのです。豊富な森林に囲まれた日本は針葉樹、広葉樹と実にさまざまな木材が建築に使われてきました。一口に木と言っても材種によって性質はかなりのバラエティーに富んでいるのです。伝統的な日本家屋や寺社などは、バラエティーに富んだ木材をいかに見極めて美しく、さらに強く、そして長持ちさせる木材の使い分けをするのがとても重要だったのです。
つまり木の声を聞きながらつくってきたのです。現代の家づくりは耐震性を高めるために金物も多く採用されています。しかし基本となる材種はきちんとおさえておくことでさらに耐久性の増す家づくりができるということです。
住まいづくりは木材はもとより他の建材、素材なども含めて適材適所の使い方や考え方をもつことで、健康なる空間が得られるということです。
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