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洋画アニメ吹替に挑戦、土屋太鳳が語る「私とダンス」

アニメ映画『フェリシーと夢のトウシューズ』は11歳のフェリシーが、パリのオペラ座のバレリーナを目指す物語です。その日本語吹替え版でフェリシーの声を担当しているのが土屋太鳳さん。踊れる女優として評価の高い土屋さん、なんと踊りながら吹替えをしていたそうです! そんな彼女に、洋画の吹替えの難しさ、幼い頃からやってきたダンスについてインタビューしてきました。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

“踊れる女優“土屋太鳳とバレエ少女フェリシーの共通点

フェリシーと夢のトウシューズundefined土屋太鳳

土屋太鳳さん、バレリーナの衣裳のようなキュートなワンピースがお似合いです。

2017年8月12日公開のアニメ映画『フェリシーと夢のトウシューズ』で初めて洋画の日本語吹替え版に挑戦した土屋太鳳さん。彼女自身も3歳のときからバレエを習っており、フェリシー役にピッタリ! 

土屋さんといえば女優業だけでなく、“覆面”アーティストとして知られるオーストラリア出身歌手・シーアのMVで素晴らしいダンスを披露し話題になったりと、踊れる女優としても有名です。そんな土屋さんに、ダンスのこと、日本語吹替え版のこと、女優のお仕事のことなど語っていただきました。


3歳から始まったダンスとの深い関係

フェリシーと夢のトウシューズundefined土屋太鳳

ダンスについて、幼い頃、高校時代、現在にいたるまで熱く語ってくれました。

――土屋さん自身もバレエを習っていたり、大学で舞踊を学んでいたりしていますが、フェリシーに共感する部分もあったのではないでしょうか?

土屋太鳳さん(以下、土屋):そうですね。私は3歳からバレエを習っていましたが、陸上もやったりしていたのでバレエは週1回レッスンするくらいだったんです。

ただ、フェリシーとの共通点はバレエだけじゃないんですよ。フェリシーは11歳のときにパリのオペラ座で踊ることを目指して1歩踏み出しますが、実は私も10歳のとき、オーディションを受けて芸能界に入るという1歩を踏み出したんです。新しい1歩を踏み出す年齢がほぼ一緒。ただ当時の私よりもフェリシーの方が精神的にはお姉さんかなと思います(笑)。

フェリシーと夢のトウシューズundefined土屋太鳳

オペラ座のバレリーナを目指すフェリシー


――ずっと踊りをやってきて、大学でも舞踊を学ぼうと思ったのは何かきっかけがあったのでしょうか?

土屋:私は高校時代、創作ダンス部ですごく力を入れてダンスを学んでいました。私がいた高校は創作ダンスの強豪校だったので、全国大会にも出場していましたし、夏といえば強化合宿で厳しい練習をずっとやってきました。先輩後輩の上下関係もしっかりありましたし、3年間、とても鍛えられました。

進学するとき、お芝居を学ぶか、体を動かして実技で表現を学ぶか悩んだのですが、音大出身の母が「大学の4年間で学んだことは覚えている」と言ったんです。その言葉にピンときて、「体を動かす実技で表現を学んで、お芝居に活かせたら」と、大学の舞踊学科に進みました。そしたら、シーアさんのMVでダンスを踊らせて頂いたり、思った以上にダンスのお仕事をいただけてビックリです(笑)。


2014年にリリースしたシングル「シャンデリア」が全世界92カ国のiTunesチャートで1位を獲得し、天才少女ダンサーのマディー・ジーグラーをフィーチャーしたその衝撃的なMVがYouTubeで16億回を超える再生回数を記録するなど、世界中で社会現象を起こした天才ポップ・シンガー、シーア。 土屋さんが出演した「アライヴ」のミュージック・ビデオ(2016年)は日本でも大きな話題となった。

経験したことは繋がっていくと思いました。もしも私が高校時代、部活が辛くてやめていたら、今、踊れなかっただろうし、ダンスの仕事もいただけなかったと思います。今の仕事も何に繋がるかわからないから、与えられた仕事を一生懸命やることが大切だと思って取り組んでいます。
フェリシーと夢のトウシューズundefined土屋太鳳

土屋さん曰く「ダンスは心を解放しなければ、お客様に伝わらない」と。


――そういうプロセスがあったのですね。女優の表現とダンスの表現はリンクすることありますか?

土屋:表現ということでは一緒ですが、女優のお仕事はセリフがあります。でもダンスは言葉を持たないので、その分、心を思い切り解放して踊り、見ている方に伝えなければなりません。

ただ私は言葉があると逆に難しいと思うことがあるんです。例えば、本当はうれしいのに「別に」と言ったりする心と裏腹なセリフの表現は難しいですね。ダンスの方が心を解放するので素直な表現だと思います。


踊りながらフェリシーの声の演技!

――アニメ映画『フェリシーと夢のトウシューズ』のフェリシー役、土屋さんにピッタリでしたね。日本語吹替えのお仕事はいかがでしたか?

土屋:海外アニメの日本語吹替えのお仕事は初めてだったのですが、とても難しかったです。異なる文化から生まれたアニメ作品で、言語も違いますから言葉のリズムや感情の起伏の違いをどう日本語に乗せて表現したらいいのか、とても悩みましたし、大変でした。でも監督さんの演出や現場のスタッフさんの明るく温かい雰囲気に助けられましたね。海外の独特な表現を活かして、いつもの私よりも少し大げさな演技をしてみました。

フェリシーと夢のトウシューズundefined土屋太鳳

フェリシーとの共通点がありますと語る土屋さん。


――フェリシーは踊りながらも楽しそうに声をあげますよね。ああいったシーンの吹替えはどんな感じで演じていたのですか?

土屋:私も踊りながら声を出していました(笑)。フェリシーの振りを真似したりして、かなり動きましたね。でもあまり動きすぎるとマイクから離れ過ぎてしまうので、スタッフさんが、マイクから離れても声がキャッチできるようにセッティングしてくださいました。

映像のお仕事は体の動きや共演者や現場の空気に助けていただくことが多いのですが、今回は声だけのお仕事。声優さんの圧倒的な熱量のある演技にはまだかなわないけど、私ができることは、フェリシーに心を寄せて、踊りをやっている特徴を活かし、体を動かして演技することだと思ったので、フェリシーと同じように踊って声を入れていこうと思いました。


多忙な毎日、心のスイッチの切り換え方

――2017年は『PとJK』『兄に愛されすぎて困ってます』が公開され、今後『トリガール!』(2017年9月1日公開予定)『8年越しの花嫁』(2017年12月16日公開予定)もあり、そして本作『フェリシーと夢のトウシューズ』の日本語版の声の出演も! 大忙しですが、様々な仕事とオフのスイッチの切り替えはどのようにしていますか?

土屋:スイッチを切り換えるという意識はしていなくて、同時進行のお仕事があっても、スタッフさんや共演者の皆さんや、現場の違いが自分の意識を自然に切り替えてくれます。私は、環境で人は育つと思っているので、そうやって異なる環境を経験していくことで成長しているのかもしれません。あと自分の役のこと、シーンのことを考えていると自然に自分の中でスイッチが切り替わっていると感じます。

オフのスイッチは、友だちと会ったりすることで切り替えています。午前中ゆっくりだったり、早くお仕事が終わったりしたら、お友だちと約束するか、体の疲れを癒したりすることで、プライベートな自分に戻るようにしています。

――では、最後に映画『フェリシーと夢のトウシューズ』の土屋さんのオススメのポイントを教えてください。

土屋:この映画はフェリシーが夢を掴む物語です。彼女の心の揺れやオーディションでの挫折など、共感していただける部分がたくさんあります。あと19世紀のパリの街並みや美しい空など映像も素敵です。何かを見つけようとしている方や見失いそうになっている人に、ぜひ見ていただきたいです!
フェリシーと夢のトウシューズundefined土屋太鳳

『フェリシーと夢のトウシューズ』は2017年8月12日公開



土屋 太鳳(つちや・たお)
1995年2月3日、東京生まれ。2008年『トウキョウソナタ』で映画デビュー。学業と両立しながら映画、ドラマで活躍の場を広げていく。NHK大河ドラマ「龍馬伝」(NHK)「鈴木先生」(テレビ東京)などを経て、NHK連続テレビ小説「まれ」で主演。映画『るろうに剣心』『orange』『青空エール』『PとJK』『兄に愛されすぎて困ってます』に出演し、新作は『トリガール!』(2017年9月1日公開予定)『8年越しの花嫁』(2017年12月16日公開予定)。2018年は『となりの怪物くん』に主演するほか、2018年1月7日より舞台『プルートゥPLUTO』に出演予定。また『フェリシーと夢のトウシューズ』の日本語吹替え版の主題歌「Felicies」の歌唱と作詞も担当している。

フェリシーと夢のトウシューズ

パリのオペラ座で踊ることに憧れるフェリシー


『フェリシーと夢のトウシューズ』
(2017年8月12日公開)
フランス、ブルターニュ地方の施設で暮らすフェリシー(声:土屋 太鳳)の夢はパリ・オペラ座のバレリーナ。彼女は発明家を目指す施設の親友とともに夢を叶えようとパリへ!オペラ座に辿りつくものの、門前払いのフェリシー。そんなときお金持ちの家で働く使用人のオデット(声:黒木瞳)と出逢うと同時に、フェリシーはひょんなことからオペラ座の招待状を手に入れ、入学することになるのですが……。

映画『フェリシーと夢のトウシューズ』公式サイト

監督:エリック・サマー、エリック・ワリン/声の出演:エル・ファニング、デイン・デハーンほか/日本語吹替え版:土屋 太鳳、黒木瞳、熊川哲也、夏木マリほか

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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