新型LSの安全技術は、車両全周にわたる「バリア」のよう
新型LSに採用される新しい安全技術の実力は?
レクサスが2017年秋に日本発売を予定している新型LSに採用される新しい安全技術のお披露目を行った。以下詳しく紹介するけれど、前方の安全を担保する自動ブレーキに始まり、認知&回避操作まで行う歩行者保護機能、ブレーキとアクセルの踏み間違いを防止する誤操作担保機能などなど、車両全周に渡る「バリア」を構築している。
まず自動ブレーキ。対車両で競合他社に勝るとも劣らない性能を持つのは当然の上、歩行者検知&保護機能を大幅に向上させてきた。具体的に挙げると、現在ボルボの新世代システムのみ可能な「昼間と夜間問わない歩行者検知能力」(スバルは夜間も検知可能ながらカタログスペックでの表示無し)を持たせ、さらに自動歩行者回避機能まで付く。
現時点で世界トップクラスの性能に達した安全技術
正面を横断する歩行者だけでなく、下の動画のように路肩を歩いている歩行者と接触しそうになったら、自動でブレーキを掛け、同時にハンドルを自動転舵し避けるという内容。機能体験は車速65km/hで行ったが、とても避けられるとは思えないほどのレベルにも対応する高い技術である。このシステムを発展させていけば、歩行者との事故を激減できるだろう。スバルのアイサイトの場合、追突や人身事故など、車両前方で発生する事故の85%近くを防止できる効果が、実際の事故データで確認出来ている。歩行者保護性能を向上させている新型LSの性能なら、90%以上の事故を未然に防げる可能性が大(レクサスの公式コメントではない)。現時点で世界TOPの性能に達していると考えてよかろう。
アクセルとブレーキの踏み間違い事故も防止
アクセルとブレーキの踏み間違による飛び出し事故も多い。コンビニに飛び込んだり、建物の壁を破って落下する形態。こういったミスをカバーするため、新型LSはソナー(超音波)を使ったセンサーを装備。壁から2~3m離れた場所からアクセル全開にしても、基本的に緩慢な加速しかしない制御を行い、壁の直近で自動停止する。踏み間違いによる急加速もセンサーで防止
さらにバックで車道に出るようなケースは、左右後方をマイクロ波レーダーを使って常時検知し、接近車両あれば、これまた自動ブレーキで停止。前進の場合、自動ブレーキこそ掛けないが、車両の接近を音や光で警告してくれる。運転ミスや安全確認不足による車両や建物、壁などに衝突する事故の大半を防ぐことが出来るだろう。
幼児の事故が多発する車両後部の死角もケア
素晴らしいのが車両後部の死角に立っている幼児を想定した自動ブレーキ。バックギアに入れたらバックカメラで後方の状況をチェック。幼児などが居たら、アクセルを踏んでも自動ブレーキを掛けてくれる。痛ましい事故の多くは自宅の近所で発生する傾向。新型LSのシステムなら、これまた多くの命を救えると思う。もうひとつ、運転中に居眠りや疾病などで運転操作ができなくなったケースでは、連続してハンドル操作しなくなったのを検知すると、警告のあと車線内をキープしたままハザート点灯して穏やかに減速。自動停止後、ホーンを鳴らし、レクサスコールに緊急通報。コールセンターから異常の有無を聞かれる、といった具合。事故防止に役立つだろう。
ドライバーの異常を検知すると減速し、停止する
停止後はレクサスコールに緊急通報してくれる
これらの安全装備は、前述の通り新型LSから採用されていく。今後、レクサスだけでなくトヨタ車にも使われるという。出来れば今後、全てのレクサスとトヨタが採用して欲しいと思う。
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