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勝手にやってもらうが余計なことをさせない投資方法

今、個人が資産運用をスタートする方法として注目されている投資信託ですが、実は「勝手にやってもらえる」便利さと「余計なことはさせない」コントロールが同時に成立するよい仕組みです。…ってどういうこと?

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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投資信託のいいところを知ると使いたくなってくる

投資信託という金融商品は今、個人が資産運用をスタートするにあたって注目されているしくみです。

個人は数百円から数千円程度の金額があれば購入することができ、たくさんの個人のお金を何百億~何千億円とまとめることで、たくさんの対象に投資をする仕組みです。

仮に日経平均株価に連動する投資信託を買うとすれば、これは225社の株をいちいち買わずともほぼ同じ値動きをする投資がスタートすることができるわけです。

これから投資をスタートさせる人を主眼に置いた新しい制度、つみたてNISA(2018年1月からスタート)においても、投資信託を活用して投資をするような仕組みになっています。

ところで、この投資信託、マネーハック目線でいえば「勝手にやってもらえる」便利さと、「余計なことはさせない」コントロールが同時に成立させられる素晴らしい仕組みでもあります。

勝手にやってもらうことができる~忙しくても細かいことが分からなくても投資ができる

まず、投資信託の素晴らしいことは、細かい投資の売買については勝手にやってもらえる、ということです。日経平均やTOPIXと同じ値動きだけは儲けておきたいと思ったとき、実際に日経平均に採用されている225社や東証一部に上場されている1900社を全部買うわけにはいきません。

上場廃止されたり新規採用された企業を買ったり売ったりするのも面倒ですし、お金がいくらあっても足りません。

そういう「手間ひま」を投資信託をひとつだけ買うことによって省略することができます。投資信託はそれぞれ「どの国に投資します」とか「対象とする株式は○○です」のような運用方針がオープンになっているため、自分がやりたい投資を行ってくれる投資信託をひとつ選ぶだけで、お好みの投資ができるのです。

海外であればなおさら便利です。「世界中の株式を各国の国力に応じてまんべんなく買っておく。でも1万円で」というような無茶なことも投資信託ならできます。インドやブラジル、インドネシアのように経済成長が期待できる国がありますが、新興国の株を個人が直接買うことは事実上不可能です。しかし投資信託なら数千円で同じことができるのです。

これほど便利な「勝手にやってくれる」しくみはありません。

余計なことはさせずにすむ~投資でやっていいことはあらかじめ分かっている

といっても何でも好き勝手にやっているわけではありません。勝手にやって、しかもそのやり方に納得がいかないままにお金が減ってしまうのでは困ります。

投資信託はあらかじめオープンになっている運用方針「以外」のことを勝手にやることは許されません。たとえば「日経平均株価に採用されている225社の株式を主に保有し、日経平均225の株価指数とほぼ同様の値動きを目指す」と目標が示されている投資信託が、余計な判断をして「Appleがもっと値上がりすると思うので、買っておきました」と言うことは絶対にありません。

投資するエリア、投資する対象(株か債券か)、投資する方法、徴収する手数料などはあらかじめ示されており、余計な逸脱をされることはありません。

仮に、「日経平均株価(225種)を投資対象とするが、ダメだと判断する企業を20社くらい外して、伸びると思われる会社を日経平均以外のところから20社買います」というような投資をするなら、あらかじめそう書いておかなければいけないほど厳密です。(だって、余計なことをしてその判断が裏目に出た責任だけこちらが負うことになっては困りますから)

これほど便利な「余計なことはさせずにすむ」しくみはありません。お任せしつつ、その方針さえ納得いけば放っておけばいいのですから。

投資信託を使えば、時間を少しだけさけば世界中に投資ができるようになる

多くの人は投資は大変だと思っています。値動きして損するかもしれない、というイメージだけでなく、「毎日株価やニュースを見なければいけない」「何日か放っておいたら投資したお金が紙くずになってしまうのでは」というようなイメージです。

個別に会社を選んで、個別の株を買うなら確かにそういう「大変な投資」になります。ダメな会社(粉飾決算が発覚したとか、業績が急落しているとか)に投資をしていた場合、ニュースを見逃してしまうと半月もせずに半値になってしまうこともあります。一方でいい会社を選ぶのも大変です。

投資信託なら、投資方針にもとづいて勝手に投資をしてくれますし、投資方針以外の余計なことはされません。

私たちは「投資をする株式市場全体の値動き」から大きく外れずにすみます。一人負けを確実に回避できるわけです。しかもそのための手間ひまはほとんどありません。ただ買って、放っておけばいいのです。

そして、楽に投資をできるということは、投資の時間を少なくしても運用が続けられるということです。これなら夜や週末に家族との時間を確保したり、日中は仕事に集中したりしながら、かつ投資をすることができるようになります。

普通の人が普通に暮らしながら、投資を組み入れていくための賢い仕組みが、投資信託といえるかもしれません。

投資に興味があるなら、個別企業の株選びより、投資信託を使ってみることをおすすめします。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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