アジア最高の遺跡&観光都市シェムリアップ

早朝のアンコール・ワット

シェムリアップ観光のハイライトのひとつ、早朝のアンコール・ワット。遺跡の背後から朝日が昇ってきます

カンボジアの首都プノンペンの北西約230kmに位置するシェムリアップは毎年500万人の観光客が訪れるアジア屈指の観光都市です。

観光客のお目当てはもちろん世界遺産「アンコール」! この遺跡、1000件を超える世界遺産の中でももっとも評価が高いもののひとつで、トリップアドバイザー「行ってよかった! 日本人に人気の海外観光スポットランキング」では2011~16年のあいだ1位をほぼ独占しています(2014年だけ2位)。

リピーターが多いのも特徴で、そもそもアンコールはアンコール・ワットやアンコール・トムをはじめとする数十の遺跡を含んだ遺跡群ですから何度訪れても楽しめますし、カンボジアにある3件の世界遺産の残りのふたつ、プレア・ヴィヒア寺院とサンボー・プレイ・クック寺院地帯も拠点はシェムリアップです。さらに、トンレサップ湖の水上村やスパなど遺跡以外のアトラクションも多く、一粒で二度も三度もおいしい観光地として人気を集めています。

[関連サイト]

シェムリアップを東南アジア周遊の旅に組み込もう!

アンコール・ワットの女神像デヴァター

美しくセクシーなアンコール・ワットの女神像デヴァター。アプサラ・ダンスに見られる衣装はこうした彫刻やレリーフが元になっています

シェムリアップには日本からの直行便はありませんが、下のように9か国30近い都市と結ばれています。いずれかの都市を経由しなければなりませんが、ストップオーバー(乗継地で降機・滞在すること)が認められた航空券であればそうした都市の観光も楽しめます。

■シェムリアップ国際空港への就航都市(2017年3月時点)
  • 国内線:プノンペン、シアヌークビル
  • 中国:北京、天津、済南、上海、杭州、寧波、広州、厦門、香港、成都、武漢、昆明、貴陽、南寧
  • 韓国:ソウル、釜山
  • ベトナム:ハノイ、ダナン、ホーチミン、フーコック
  • ラオス:パクセ、ルアンパバン
  • タイ:バンコク、プーケット
  • マレーシア:クアラルンプール
  • シンガポール:シンガポール
  • フィリピン:マニラ
また、シェムリアップは周辺国との陸路のアクセスも豊富で、タイのバンコクやパタヤ、ベトナムのホーチミン、ラオスのパクセなどと国際バスや長距離バンで結ばれています。そのため以下のような陸路の周遊旅行も人気を集めています。カンボジアも周辺国もビザが不要、あるいは国境や空港でアライバル・ビザが取れる点も便利ですね(再入国する方はタイの陸路入国2回制限やベトナムの30日再入国制限等に注意が必要です)。

■シェムリアップを含む陸路周遊旅行の例
  • 日本→バンコク→(バス8時間)→シェムリアップ→(バス8時間)→ホーチミン→日本
  • 日本→ダナン→(バス15時間)→パクセ→(バス9時間)→シェムリアップ→(バス8時間)→バンコク
※バスの所要時間は参考で、運行会社や便・天候等で変わります
※途中でバスやバンを乗り換えることがあります

次章以降ではシェムリアップの見所ベスト10を紹介します!

1. 世界遺産は数あれど最高峰のひとつ、アンコール遺跡群

世界遺産「アンコール」の構成資産、タ・プローム

映画『トゥームレイダー』で神秘の遺跡として登場する世界遺産「アンコール」の構成資産、タ・プローム

All About 世界遺産「一生に一度は行きたい世界遺産ランキング」第3位、「NHK探検ロマン世界遺産 プロが選ぶ!世界遺産ベスト30」第3位など、世界遺産ランキングの上位に必ず入るアジア最高峰の世界遺産が「アンコール」です。

森林の中というシチュエーション、1日や2日ではとても見切れない規模、彫刻やレリーフの見事なまでの繊細さが同居した希有な遺跡で、有名なアンコール・ワットをはじめ、宮殿や寺院など数十の遺跡が点在しています。特にアンコール・ワット、アンコール・トム、タ・プロームの三大遺跡は必見!

バンテアイ・スレイを除くほとんどの遺跡はシェムリアップ中心部から5~15kmほどの位置に密集しているので、観光客はツアーに参加するか、1日券・3日券・7日券を購入して、タクシーやレンタカー、バイタク(バイクタクシー)、トゥクトゥク(荷台付きバイク)、自転車などを借りて散策します。

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2. まるでラピュタ世界! 苔むした遺跡ベン・メリア&コー・ケー

ペン・メリア

ジャングルに侵食されたペン・メリア。修復が進むアンコールの遺跡群と異なり、廃墟のような美しさを備えています

いまアンコール以上に人気を集めている遺跡が、シェムリアップの北東約40kmに位置するベン・メリアです。ガジュマルの木が絡みつき、苔むしたその姿は「天空の城ラピュタ」や「インディ・ジョーンズ」シリーズに出てくる遺跡のようで、熱帯の遺跡のイメージそのままのエキゾチックな姿で観光客を魅了しています。

ベン・メリアのさらに北東約50kmには7段ピラミッド、コー・ケーがあり、ピラミッドに登って周囲のジャングルを眺め下ろすことができます。両遺跡はカンボジアの世界遺産暫定リストに載っていて、世界遺産登録を目指しています。

ベン・メリアはシェムリアップから車やバイクで約1時間、コー・ケーはさらに1時間。ツアーに参加するか、車をチャーターしたりバイタクを雇って訪ねます。道中にはプノン・クーレンやクバール・スピアン、バンテアイ・スレイなどの遺跡もあるので、これらを組み合わせて訪ねると効率的。

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3. ブーム到来! 絶景世界遺産プレア・ヴィヒア

プレア・ヴィヒア寺院

プレア・ヴィヒア寺院の神の景色。この場所はアンコール朝によってヒンドゥー寺院が建てられる以前から聖地として祀られていました

ベン・メリアとともに、ガイドがイチ押しする遺跡が世界遺産「プレア・ヴィヒア寺院」です。タイとの国境紛争のため長らく訪ねることができませんでしたが、2013年に国際司法裁判所の判断が出て以来落ち着き、2015年頃からツアーも催行されるようになりました。

ハイライトはなんと言ってもその絶景! 寺院自体が「神の景色」を中心に構成されているのですが、あの光景を見ればその理由もすぐに理解できるでしょう。

シェムリアップの北東140km、約250kmの道程で、車で片道3~4時間ほどもかかります。1日のほとんどが往復に費やされてしまいますが、それだけの価値がある遺跡です。道中にベン・メリアやコー・ケーがあるので、これらを組み合わせたツアーも催行されています。

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4. 2017年登録決定! 最新の世界遺産サンボー・プレイ・クック

サンボー・プレイ・クックのダエム・クレイ

ツタが絡みついたサンボー・プレイ・クックのダエム・クレイ

2017年7月に登録されたばかりの世界遺産が「古代イーシャナプラの考古遺跡、サンボー・プレイ・クック寺院地帯」です。6~7世紀に繁栄したクメール人国家・真臘(しんろう)の首都遺跡で、この真臘が分裂したあと、クメール人の一部がシェムリアップに首都を遷してアンコール朝を建国します。

まだ順路などがあまり整備されていませんが、その分、ジャングルの侵食をそのまま残しており、林の中から突然遺跡が現れたり、ガジュマルやツタなどが絡みつく姿はなんとも野性的で、ジャングルを探検しているような臨場感が味わえます。

遺跡はシェムリアップの南西約140kmに位置しており、コンポントムという町の周辺に広がっています。まだ定期的なツアーは少ないので、シェムリアップやコンポントムで車をチャーターするか、不定期のツアーに参加するのが一般的。コンポントムからならタクシーやバイタクを雇って訪ねることもできます。

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5. 母なる湖トンレサップで水上村を探検する!

トンレサップ湖の水上家屋

トンレサップ湖の水上家屋。こうした家々が集まって村落を形成しており、村によっては市場や学校・教会なども備わっています

古代世界では、大きな都市は海や大河の近くに築かれました。真臘やアンコール朝で海や大河の役割を果たしたのがトンレサップ湖です。この湖、雨季と乾季で水量が4~5倍ほども違うのですが、最大時は琵琶湖の20倍以上にもなる巨大な湖で、東南アジア最大を誇ります。

トンレサップ湖ではクルーズ船によるツアーが催行されていて、水上家屋や水上学校・水上市場・養魚場を訪ねたり、ツアーによっては夕日を見たり釣りをしたり湿地探検なども楽しめます。

シェムリアップでツアーに参加するのが簡単ですが、トゥクトゥクやバイタクでトンレサップ湖畔まで行ってコンポン・プルックやチョン・クネアといった水上村を訪ねることもできます。また、シェムリアップとプノンペンやバッタンバンは定期船で結ばれているので、船で移動することも可能です。

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6. ディープさとリゾート感の競演! オールド・マーケット&パブ・ストリート

パブ・ストリート

夜になるとシェムリアップ中の観光客が集まるパブ・ストリート。周辺の細い通りにも店がひしめいています

その国の生活の様子をもっともよく表すのが「市場」です。人々が集まる市場は郊外にあってなかなか訪ねられないのですが、シェムリアップのオールド・マーケットは市内の中心にあるのでぜひ訪ねてみてください! 野菜や魚といった食材から衣服・雑貨・土産物まで、扱う商品は多種多様。周辺にはカンボジアのラーメン・クイティウのお店や甘味・フルーツ屋台などが並びます。もっと地元に密着した市場を見たい人は6号線を東に行った近郊最大の市場プサ・ルーへ!!

オールド・マーケットの北の大通り、パブ・ストリート(Street 08)は夕方以降、観光客であふれかえるナイトスポットです。ここから西のアンコール・ナイト・マーケットにかけて、お土産物屋、レストラン、バー、マッサージ店、旅行代理店などがひしめくシェムリアップでもっともにぎやかなエリアになります。

これらの店舗の多くは23~24時頃の閉店ですが、週末などは朝まで開店しているクラブやバーもあったります。また、年末年始やクメール正月などは朝方までたいへんに盛り上がります(4月のクメール正月は水かけ・粉かけ対策をお忘れなく!)。

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7. 遺跡の神々が動き出す! 影絵芝居スバエク&伝統舞踊アプサラ

クリスタル・アンコール・レストランのアプサラ・ダンス・ショー

クリスタル・アンコール・レストランのアプサラ・ダンス。ショー終了後には、ダンサーたちとの撮影タイムが設けられています

シェムリアップは3件の世界遺産の観光拠点ですが、実はユネスコの無形文化遺産2件も見学することができます。

ひとつはアプサラ・ダンスに代表される「カンボジアの宮廷舞踊」です。アプサラ・ダンスは水の精霊アプサラスに扮したセクシーなダンサーたちが神々をもてなすための踊りで、アンコール・ワットの女神像デヴァターは当時のダンサーたちをモデルにしていると伝えられています。それ以外に、ココナッツのダンスや孔雀のダンスなど多彩なダンスが含まれています。

もうひとつは「クメールの影絵劇スバエク・トム」です。「スバエク」は「革」という意味で、牛革で作られた人形に光を当てて、その影を使って芝居をします。スバエク・トムは大型影絵で焚き火の光を使って芝居をするのですが、祭りなどの特別な日にしか見ることができません。その代わり、スバエク・トーイと呼ばれる小型の影絵の公演が行われています。

アプサラ・ダンスやスバエク・トーイはシェムリアップの複数のホテルやレストランで演じられています。以下に、完成度の高いダンスで知られるアンコール・ヴィレッジ・アプサラ・シアターと、アプサラ・ダンスとスバエク・トーイ両方の公演を行っているクリスタル・アンコール・レストランのリンクを貼っておきましょう。

アンコール・ヴィレッジ・アプサラ・シアター
  • 公演:ディナーは19:30、ショーは20:30から。5~10月は火・木・土曜、11~4月は毎日
  • 住所:Wat Bo Road, Siem Reap
  • 電話:+855 63 963 361, +855 63 963 561
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クリスタル・アンコール・レストラン
  • 公演:スバエク・トーイは毎日19:00、宮廷舞踊は毎日19:30から
  • 住所:Krous Village, Svay Dangkum, Angkor Wat, Siem Reap
  • 電話:+855 12 786 786
  • メール:info@crystalangkor.com
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8. 女神像デヴァターのように美しく! 伝統のクメール美容&薬草サウナ

スパ・クメールの薬草サウナ、チュポン

スパ・クメールの薬草サウナ、チュポン。使用される薬草は一人ひとりの体質や目的に合わせてカスタマイズされています ©SPA KHMER

カンボジアには古くから「クル・クメール」と呼ばれる伝統療法士がいて、医師や占い師・祈祷師の役割を担っていました。クル・クメールが用いるのは天然の薬草やミネラル類で、お香にしたり、身体に塗ったり、お茶や食事にしたりして、身体の内外から総合的に心身を整えます。その技術はアンコール朝の時代にインドのアーユルヴェーダや中国の中医学をも取り入れて確立されたと言われています。

そんなクル・クメールが行う施術のひとつが「チュポン」です。チュポンはハーブやスパイスを蒸して行うスチームサウナで、身体のバランスを整えることでアンチエイジングや疲労回復・美肌・免疫促進など多方面に効果があるということです。カンボジア人女性の美肌や美白にかける情熱は日本人以上のものがありますが、彼女らの健康美の秘密の一端がここにありそうです。

在住日本人が経営するスパ・クメールでは、現地のクル・クメールと共同開発したチュポンやマッサージ、ハーブ料理等々を提供しており、問診を行って一人ひとりの体質や目的に合わせた施術を行っています。ハーブに関するアドバイスも受けられるので、日本での生活や体質の改善にも役立ちそうです。

スパ・クメール
  • 住所:Salakam Reuk Commune, Siem Reap
  • 電話:+855 11 345 039
  • メール:info@spakhmer.com
  • 開店時間:10:00~20:00 (火曜定休)
  • デトックスツアー(観光も含めた3日間のリトリートツアー)
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9. 口コミで広がり大ブレイク! 手作りサーカス劇団ファー

カンボジアン・サーカス、ファー

アクロバティックな芸で魅せるファー。観客との距離の近さにも注目! ©Regis Binard

段ボールなどの手作り小道具以外はいっさい使わず、筋肉と身体能力・ユニークな演出で魅せるいま人気のサーカス劇団がファーです。こぢんまりとしたサーカステントの中、手が届きそうな距離で繰り広げられるアクロバティックな芸の数々で観客を引き込み、会場一体となって盛り上がります。

パワフルで明るく楽しいサーカスですが、複数ある演目はカンボジアの自然や歴史・文化・社会を反映したもの。たとえば人気の「ソカ」はクメール・ルージュから現在に続く若者たちの物語を描いており、カンボジアやファーの歴史が理解できるものになっています。

もともとタイ国境付近の難民キャンプに入った青年たちがはじめたパフォーマンス・アートで、主催するファー・ポンルー・セルパク(PPS)は現在もバッタンバンで若者にサーカスや絵画・音楽などを教えて自立支援を行っています。お土産やファーのBGMなども生徒や卒業生の作品なので、こちらも注目してみてください。

カンボジアン・サーカス、ファー
  • 公演:毎日20時から、11~3月は月・木・土曜17時の部もあり(演目は時期によって異なります)
  • 住所:Phare Circus Ring Road, south of the intersection with Sok San Road, Siem Reap
  • 電話:+855 15 499 480、+855 92 225 320
  • メール:ticketing@pharecircus.org
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10. 極めつけの異文化体験! 驚異のカンボジア昆虫食!!

バグズ・カフェのディスカバリー・プレート

バグズ・カフェのディスカバリー・プレート(小)。この中に7~8種類の昆虫が含まれています

東南アジアは食のタブーがほとんどない地域で、本当になんでも食材にしてしまいます。特に驚くのが昆虫食で、市場に行けばタガメやゲンゴロウ、イナゴ、バッタ、コオロギ、オケラ、アリ、ハチ、セミ、サソリ、クモなどの成虫や卵、蛹などが食材として売られています。

特にカンボジアはクメール・ルージュによる大虐殺時代、命からがら地方に逃れた人々が昆虫を貴重なタンパク源としたことからより親しまれるようになったようです。市場や6号線沿いではしばしば昆虫のつくだ煮やフライを売る屋台を見掛けます。

他の場所ではできない体験ということで昆虫食にチャレンジする旅行者も増えていますが、屋台や市場の昆虫料理はちょっと……。そんな方にオススメなのがバグズ・カフェ。「昆虫はおいしい!」をモットーに西洋風昆虫料理を提供するお店で、アリの揚春巻、タガメの串焼き、タランチュラの天ぷら、虫バーガーなど、多彩な料理が堪能できます。思い切って旅の記念にいかがですか?

BUGS CAFE
  • 住所:351 Thmey Village, Angkor Night Market Street, Siem Reap
  • 電話:+855 17 764 560、+855 89 935 007
  • メール:bugscafesr@gmail.com
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