生活保護を受給することのメリットとは
生活保護の申請を済ませ、実施調査、資産調査、扶養照会など条件をクリアし、生活保護を受けられることになったとします。生活保護のメリットについて確認してみましょう。1.生活費を受け取れるので助かる
・地域や家族構成に合わせた最低生活費から収入認定額(勤労収入や年金等)を差し引いた額の生活保護費を毎月1回受けることとなります。これはやはり「経済的に楽になる。」と感じることでしょう。2.いろいろな給付金があり、必要な場合に給付を受けられる
・生活保護の扶助にはいろいろな種類があります。3.公共料金や医療費が実質無料、所得税、住民税も非課税になり、社会保険料も法定免除となる
・固定資産税(相応の自宅の場合)、軽自動車税(車が認められた場合)が免除され、交通機関の無料券(自治体により異なる)をもらえることもある。生活保護のデメリット
経済的には助かる反面、生活保護にはデメリットも存在します。確認してみましょう。1.生活保護支給が決まる前に親兄弟親族に扶養照会が入る
・毎年扶養照会があるのでどうしても親兄弟等には内緒にできません。もしかしたら扶養照会を契機に親兄弟等と不仲になることもあるかも知れません。2.車は原則持てない
障害がありどうしても送迎に車が必要などの特別な理由がない限り、車はぜいたく品とみなされ、持つことはできません。大方の場合車を売って入ったお金を使ってから生活保護費を受けることになります。3.過分な資産は原則売ることとなる
・生活保護費で本人の資産形成をするわけではないので、過分な資産(保険、不動産、過分な持ち家等)は売るように指導をされるそうです。4.収入の申告を毎月しなければならない
・保険の満期金、アルバイト料、知り合いからの借金、養育費等収入は必ず申告しなければなりません。万一申告しないで見つかった場合、今後生活保護が受けられないとともに今までの受取額を返還させられるとのことです。5.生活費の使い方に指導が入ることもある
・家計簿をつけることを勧められたり、お金の使い方にケースワーカーの口出しが入ることもあるそうです。生活保護費は自由には使えないのです。他人に知られる可能性は?
以前、芸能人の身内が生活保護を受けていることがマスコミに報道されたことがあります。どうして生活保護を受けていることが世間に知れてしまったのでしょう?できれば周囲に内緒にしておきたいという人もいるでしょう。ご近所にわかってしまう可能性はあるのでしょうか?生活保護の申請手続きの流れに沿って、他人に知られる可能性を探ってみましょう。
1.福祉事務所への事前相談
事前相談の窓口は住所地を所管する福祉事務所の生活保護担当(厚生労働省HP参照)なので、近所の人に見られる可能性は確かにあります。福祉事務所を訪問するのは、なるべく近所の人が少なそうな時間帯を選ぶとして、万一見られた場合どう振舞うといいのでしょうか。福祉事務所の仕事は生活保護だけではありません。老人福祉法、知的・身体障碍者に関する法律、児童福祉法、母子・寡婦福祉法なども管轄するのです。例えば「老人福祉のことで相談に行っただけ」等と自分に言い聞かせ、何食わぬ顔で振舞えばいいのではないでしょうか?
2.生活保護の申請
生活保護の申請は、原則は直接福祉事務所に来訪し申請書を提出しますので、その際に近所の人に見られる可能性はあります。ただし、近所の人に見られるのが嫌な場合、内容証明郵便で生活保護申請書を送る等「生活保護の申請」をしてみてはいかがでしょうか?(参考 生活保護申請書・資産申告書・収入無収入申告書・一時金支給申請書を入手できるHP )
生活保護の申請を受けると生活保護の決定のために福祉事務所が生活状況等を把握するための調査として家庭訪問なども行われます。
福祉事務所の職員が来訪してきたときも「ホームヘルパーに相談するため」と自分に言い聞かせるのです。万一見た人に突っ込まれても(突っ込む人も多くないとは思いますが)「私の親が同居するかもしれないから」等と言うのはいかがでしょうか?
福祉事務所の許可があれば引っ越しも原則できるのですが、管理会社等に勤務先を聞かれるでしょうから、生活保護のことも話さざるを得ません。信用のできる管理会社にしたいものです。
3.生活保護費の支給
生活保護費は原則銀行振り込みで行われるので、保護を受けていることはまず気づかれることはないでしょう。収入の状況は必ず毎月申告します。ケースワーカーによる年数回の訪問調査が行われ、就労の可能性に応じ就労に向けた助言や指導も行われます。ですが福祉事務所の人が来たと周囲に言わなければ、近所の人には「来客があった」としか見えないでしょう。
【参考記事】
生活保護を受けるには?申請流れ・必要書類・注意点
生活保護とは?もらえる人の条件と注意点
生活保護受給者の葬儀やお墓はどうなる?