メダカは改良により、種類だけでなく美しさも増した
もともと日本の河川に生息していたメダカをベースに、品種改良が進めらている改良メダカ。原種からは想像もつかない、色鮮やかな多くの品種が存在する。
本来野生では一年ほどの寿命しか持たないメダカは、生後3か月もすれば繁殖可能となり、元来丈夫なこと、世代交代のスピードが速いこともあって、毎年のように新しい品種が誕生し今では数百種類もの改良メダカが知られています。
全ての種類を取り上げることは難しいので、美しい改良メダカの中からいくつかの代表的な種類について紹介していこうと思います。
さて、昨今のメダカブーム以前より知られた改良メダカに、白いタイプのメダカがいます。実は観賞魚としての歴史は古く、既に江戸時代には観賞魚として楽しまれていたそうです。
<目次>
改良メダカの種類1:白メダカ
量販店でも目にする機会の多いシロメダカは、最もポピュラーな品種です。現在の改良メダカブーム以前より知られ、広く親しまれてきました。その体色によって幾つかの品種が存在し、写真のメダカは数百円程度で販売されているよく目にするタイプですが、純白に近い品種も知られ、やや高価に取引されています。
水槽でも(横見)、屋外のスイレン鉢などでも(上見)綺麗に見えることから、改良メダカの定番種となっています。
古くはヒメダカに若干混じる、メスしか存在しない(伴性遺伝)シロメダカなども一部のマニアの間では知られていました。
改良メダカの種類2:ブラックメダカ
ブラックメダカも改良メダカのベースとなる品種の一つで、メダカが持つ黒色の色素に重点を置かれ選別されてきた品種です。メダカの習性として外部環境に合わせて体色を変化させてしまう、という特徴があり、黒いメダカは白っぽい砂利や水槽(人口照明下)で飼育するとボケた様な黒に変化しがちです。昨今ではそれらの弱点を克服し、どのような環境下でも黒いままの品種なども誕生しています。また黒い体色をベースに光沢感のあるラメが散りばめられたものや、ヒレの形状などにも変化のある多くの品種が存在しています。ベーシックなものでは数百円程度から。高価な品種では数万円と珍しさやグレードによって価格の幅があります。
改良メダカの種類3:楊貴妃メダカ
2004年に作出された品種で、もっとも広く知られた改良メダカの一つ。メダカブームの礎となった品種と言っても過言ではありません。それまで 知られていたヒメダカよりも更に赤みが強く、詳しくない方がみれば金魚と間違えてしまうほど鮮やかな色彩をしています。また楊貴妃をベースに非常に多くの品種が作出されおり、まるで錦鯉を彷彿させるような色彩のものから、より赤さを追求した品種など、非常に多くの表現型に派生しています。
普及種のため、ベーシックなものでは数百円から販売されていますが、品種によってはペアで数万円で販売されるものも珍しくありません。
改良メダカの種類4:楊貴妃透明鱗ひかり
帯状に光る銀色の部分から、銀帯とも呼ばれる。観賞魚としての完成度は非常に高い。
改良メダカの種類5:三色透明鱗
朱赤メダカに透明鱗が掛け合わされ、さらに黒のブチ模様のでた品種。まるで錦鯉の様な体色で、非常に人気の高い品種。
改良メダカの種類6:幹之メダカ
グレーがかった体色のニホンメダカの改良品種とは思えないほどに、メタリックブルーの派手な色彩をしている超人気種。作出者のお子様の名に由来してのネーミングだというのは、有名な話。人気種ゆえに改良がハイペースで進んでおり、当初メタリックな色彩は一部にしか乗らなかったが、現在では口元までブルーが乗ったフルボディーと呼ばれるタイプが浸透しつつある。
フルボディー幹之が基本となり、微妙な色彩の変化やラメが乗ったもの、体形など、それこそ多様な表現型へと現在進行形で改良が進められています。
グレードが低い(光の乗りが少ない)ものは千円前後から。よりハイグレードなものは数千円から数万円で取引されています。
改良メダカの種類7:灯(あかり)
幹之メダカに黄色を乗せた、まだまだ珍しい品種で、産まれてくる仔には様々な表現のものが現れます。一番上のスイレンと一緒に写った黄色と黒と白の三色も灯メダカで、この個体と同腹の兄弟になります。価格はやや高価で、ペアで数千円から数万円。ハイグレードなものでは、さらに高額で取引されています。
さて、ざっと有名どころのメダカを紹介しましたが、現在でも改良メダカは数百種いるとされています。中には、希少な品種に数十万円の高値が付くことも珍しくありません。今後も更なる改良が進められ、多くの品種が私たちを楽しませてくれることでしょう。
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