Google スプレッドシートの使い方

Googleスプレッドシートで条件付き書式を使用する方法

「売上が100万円を超えた日付はいつ?」「在庫が10個以下の商品は何?」……等々。データを表で管理していると、特定の条件に合ったデータだけをピックアップして調べたいことがあります。そんなときに役立つ「条件付き書式」の使い方について詳しく解説。条件に応じてセルに単色やカラースケールで色をつけたり、カスタム数式を利用して行に色を付ける方法や、ルールを削除したり複数設定する方法などをまとめました。

井上 健語

執筆者:井上 健語

ワード(Word)の使い方ガイド

条件付き書式とは? どんなとき利用すると便利?

たとえば、あなたが中学校の先生で、生徒の期末テストの結果をGoogleスプレッドシートで管理しているとしたら、きっと生徒の合計点を調べて順位を出したり、教科ごとの平均点を計算したりするでしょう。場合によっては、成績の悪い生徒を調べて、補修を受けさせないといけないかもしれません。

このようなとき、特に成績の悪かった生徒は誰なのか、特に成績の悪かった教科は何なのか……等々を簡単に調べることができたら便利でしょう。Googleスプレッドシートの「条件付き書式」は、こんなときに役立つ機能です。

たとえば、次は条件付き書式の「カラースケール」を利用して、得点が低いほど濃い赤で表示した例です。これを見れば、どのあたりに問題があるのか、全体的な傾向をつかむことができます。

条件付き書式の「カラースケール」です

条件付き書式の「カラースケール」です


また次は、赤点以下の得点だけを赤色で表示した例です。これを見ると、誰にどの教科の補習を受けさせなければならないかが一目瞭然です。

赤点以下の得点のセルを赤い背景色で表示した例です

条件付き書式を使って、赤点以下の得点のセルを赤い背景色で表示した例です


このように、条件付き書式を使うと、特定の条件に合致したセルだけをわかりやすく表示できます。以降では、成績表を例にして、条件付き書式の具体的な設定方法を見ていきましょう。


全体の傾向を確認するなら「カラースケール」がおすすめ

最初に、条件付き書式の「カラースケール」の設定方法を説明します。カラースケールは、先に紹介したように、表に含まれるデータの全体的な傾向を把握するのに適しています。

1.まずは、条件付き書式の設定されていないもとの成績表を示します。すべてのセルが同じ書式なので、パッと見ただけでは成績の良し悪しの全体的な傾向はわかりません。
1.まずは、条件付き書式の設定されていないもとの成績表を示します。データは入力されていますが、成績の良し悪しの全体的な傾向はパッっと見ただけではわかりません

 




















2.得点の入力されている範囲「D5:L24」を選択します。
2.得点の入力されている範囲「D5:L24」を選択します

 




















3.[表示形式]の[条件付き書式]を選択します。
3.[表示形式]の[条件付き書式]を選択します

 




















4.右側に条件付き書式の設定項目が表示されます。
4.右側に条件付き書式の設定項目が表示されます

 




















5.[カラースケール]を選択します。すると、選択した範囲の各セルに濃い緑から白までの背景色が自動的に設定されます。
5.[カラースケール]を選択します。すると、選択した範囲の各セルに濃い緑から白までの背景色が自動的に設定されます

 




















6.色を変更します。[プレビュー]をクリックし、メニューから「赤→白」に変化するカラースケールを選択します。
6.色を変更します。[プレビュー]をクリックし、メニューから「赤→白」に変化するカラースケールを選択します

 




















7.[完了]をクリックして設定を終了します。
7.[完了]をクリックして設定を終了します

 




















8.[×]をクリックして条件付き書式の設定画面を閉じます。
8.[×]をクリックして条件付き書式の設定画面を閉じます

 
















9.適当なセルをクリックして範囲選択を解除しましょう。得点の低いセルほど赤い色が濃くなり、得点の高いセルほど白くなっているので、得点の高い箇所、低い箇所を全体的に把握することができます。
9.適当なセルをクリックして範囲選択を解除しましょう。得点が低いセルほど赤い色が濃くなり、高いセルほど白くなっているので、得点の高い箇所、低い箇所を全体的に把握することができます

 




















いかがでしょうか。条件付き書式の「カラースケール」を利用すると、表の全体的な傾向をパッとつかめます。この成績表であれば、以下のあたりに問題がありそうなのがわかりますね。

赤い丸で囲ったあたりに低い得点がある(問題がある)ことがわかります

 
















なお、条件付き書式の条件のことを「ルール」と呼びます。ルールは不要になったら削除することをおすすめします。複数のルールを登録することもできますが、数が多くなると、条件が重なってわかりづらくなってしまうからです。

削除するには、まず、[表示形式]-[条件付き書式]を選択して、登録した条件付き書式のルールを表示します。そして、ルールにマウスポインタを合わせ、ゴミ箱のアイコンをクリックすると、その条件付き書式のルールが削除されます。なお、[新しい条件を追加]をクリックすれば、新しいルールを追加することも可能です。

条件付き書式にマウスポインタを合わせ、ゴミ箱のアイコンをクリックして削除します

 




















条件付き書式で赤点のセルだけ背景色を赤にする

次は、赤点以下の得点が入力されているセルだけ背景色を赤にする例を説明します。赤点の定義は特に決まっていないようですが、ここでは、「全教科のテストの総平均点の半分の得点」としました。その得点は、セル「H2」に表示されている「36.4」です。これは、計算式を使ってあらかじめ算出してありますので、条件付き書式を設定するときには、セル「H2」を参照することにします。

1.得点の入力されている範囲「D5:L24」を選択します。
2.[表示形式]の[条件付き書式]を選択します。
1.得点の入力されている範囲「D5:L24」を選択します。 2.[表示形式]の[条件付き書式]を選択します

 




















3.右側に条件付き書式を設定項目が表示されたら、[セルの書式設定の条件]をクリックします。
3.右側に条件付き書式を設定項目が表示されたら、[セルの書式設定の条件]をクリックします

 
















4.条件の一覧が表示されたら[以下]を選択します。
4.条件の一覧が表示されたら[以下]を選択します

 

















5.「値または数式」と表示されている入力欄をクリックしてカーソルを置いたら、「=$H$2」と入力します。これは、赤点の基準となる得点が入力されているセル「H2」を参照する指定です。特定のセルを参照するときは、このように記号の「$」を付けて絶対参照で指定します。
「値または数式」と表示されている入力欄をクリックしてカーソルを置いたら、「=$H$2」と入力します。これは、赤点ラインの得点が入力されているセル「H2」を参照する指定です。特定のセルを参照するときは、このように記号の「$」を付けて絶対参照で指定します

 


















6.[書式設定のスタイル]をクリックしてスタイルの一覧を表示したら、赤い背景色のスタイルを選択します。
6.[書式設定のスタイル]をクリックしてスタイルの一覧を表示したら、赤い背景色のスタイルを選択します

 





















7.[完了]をクリックします。
7.[完了]をクリックします

 


















8.[×]をクリックして条件付き書式の設定画面を閉じます。
8.[×]をクリックして条件付き書式の設定画面を閉じます

 
















9.適当なセルをクリックして範囲選択を解除しましょう。赤点以下の得点が入力されているセルだけ背景色が赤になりました。
9.適当なセルをクリックして範囲選択を解除しましょう。赤点以下のセルだけ背景色が赤になりました

 






















成績トップの生徒の行だけスタイルを変える(カスタム数式の例)

最後に、成績トップの生徒の行だけ背景色を緑色で表示する例を説明します。具体的には、「合計点」の列に入力されているデータを調べて、最も得点が高ければ行全体の背景色を緑色にします。

先の例と異なるのは、セルではなく行全体に書式を設定する点です。また、最大値を調べるので、条件の設定方法も異なります。このような場合は、「カスタム数式」と呼ばれる独自の数式を利用します。

1.生徒のデータが入力されているすべての範囲「A5:M24」を選択します。
2.[表示形式]の[条件付き書式]を選択します。
1.生徒のデータが入力されているすべての範囲「A5:M24」を選択します。 2.[表示形式]の[条件付き書式]を選択します

 




















3.右側に条件付き書式を設定項目が表示されたら、[セルの書式設定の条件]をクリックします。
3.右側に条件付き書式を設定項目が表示されたら、[セルの書式設定の条件]をクリックします

 




















4.条件の一覧が表示されたら[カスタム数式]を選択します。
4.条件の一覧が表示されたら[カスタム数式]を選択します

 

















5.[値または数式]に「=$M5=MAX($M$5:$M$25)」と入力します。これは、合計点が入力されているセル範囲「M5:M25」の最大値をMAX関数で調べて、同じセル範囲「M5:M25」の各セルを順番に調べて、入力されている数値が調べた最大値と一致しているかどうかを確認する数式です。
6.[書式設定のスタイル]は初期設定の緑の背景にします。
7.[完了]をクリックします。そのあとは、[×]をクリックして条件付き書式の設定画面を閉じてください。
5.[値または数式]に「=$M5=MAX($M$5:$M$25)」と入力します。これは、合計点が入力されているセル範囲「M5:M25」の最大値をMAX関数で調べて、同じセル範囲「M5:M25」の各セルに入力されている数値が、調べた最大値と一致しているかどうかをチェックする数式です。 6.[書式設定のスタイル]は初期設定の緑の背景にします。 7.[完了]をクリックします。このあとは、[×]をクリックして条件付き書式の設定画面を閉じてください

 






















8.適当なセルをクリックして範囲選択を解除すると、最高得点の生徒の行だけ緑色の背景で表示されます。
8.適当なセルをクリックして範囲選択を解除すると、最高得点の生徒の行だけ緑色の背景で表示されました

 




















以上がカスタム数式を使った条件付き書式の例です。このように、カスタム数式を使うとユーザーが自由に条件を設定することができます。なお、数式は先頭に半角イコール(=)を入力し、そのあとに結果がtrue(真)かfalse(偽)になる数式を入力します。そして、結果がtrue(真)ならスタイルが設定される仕組みです。

カスタム数式を利用するときは、数式の組み立て方をちょっと考える必要がありますが、それ以外は、思ったよりもずっと簡単に利用できるのが「条件付き書式」です。表をいろいろな角度から分析するのにも役立ちますので、ぜひ試してみてください。

なお、本記事で利用したGoogleスプレッドシートの表を「閲覧可能」な状態にして、どなたでも見られるようにしておきました。編集はできませんが、表全体を選択して[Ctrl]+[C]キーを押せば、データをコピーできると思います。コピーしたデータを、ご自分のGoogleスプレッドシートに[Ctrl]+[V]キーで貼り付ければ、本記事と同じ操作を試せると思いますので、ぜひ実際に操作してみてください。

本記事で利用したサンプルです(閲覧のみ)


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※OSやアプリ、ソフトのバージョンによっては画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

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