保有契約件数は日本生命がアフラックを抜いて最多に!
各保険会社の保有契約件数(個人契約のみ)を多い順に並べてみました。また、どのくらい業績が伸びているか確認できるよう、5年前の保有契約件数と増減率も載せ、さらに直近の業績がわかるよう2016年度の新契約件数も載せておきました。個人保険の保険契約を一番多く保有している生命保険会社は日本生命(2498.6万件)で、前年までトップだったアフラック(2386.7万件)を抜きました。5年前は1000万以上の差がありましたが、僅か5年で抜いてしまいました。日本の総人口が1億2700万人弱なので、5人いたら1人が日本生命、1人がアフラックの保険に加入している計算になります。10番目の太陽生命までの契約件数を足しただけで総人口と同程度になります。日本では生命保険が多くの人に必要とされているのでしょう。
前年からは、オリックス生命、マニュライフ生命、チューリッヒ生命等が保有契約件数の順位を上げています。個人向けに競争力のある商品を揃えていることが良い結果につながっていると考えられます。
年換算保険料の増加率は保険会社によってかなり差がある
次に保有している保険契約から発生する保険料の合計額を見てみましょう。決算書の前に方に載っている保有契約(個人保険と個人年金保険の合計)の年換算保険料を多い順に並べてみました。また、増加率を確認できるよう5年前の年換算保険料も載せ、昨年の新契約年換算保険料も合わせて載せておきます。※年換算保険料とは、1回あたりの保険料を支払方法に応じた係数を乗じて1年あたりの保険料に換算した金額のことです。
保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)はかんぽ生命が最多で、3兆7773億円にもなります。1年間で5274億円もの新契約年換算保険料があり、解約や満期等で多少減るものの、5年間で75%も増えています。
5年前と比べると保有契約年換算保険料はほとんどの保険会社で増えていますが、増加率には大きな差があります。例えば東京海上日動あんしん生命は98%も増加し、第一フロンティア生命は272%も増加しています。共に新契約年換算保険料が1千億円以上あり、このペースが続けば順位を上げていくでしょう。
また新契約がたくさんあっても、解約や満期等が多いからか保有契約が5年間でほとんど変わらない保険会社もあります。中心となっている保険商品が何かで年換算保険料や契約件数の傾向は異なりますが、業績が好調なのかどうかは何となく想像できるのではないでしょうか。
ソルベンシー・マージン比率はどこも問題なし
生命保険会社の健全性を確認する指標の一つに「ソルベンシー・マージン比率」があります。保険金等の支払余力をどの程度有しているかを表していて、比率は高い方が良く、低いと監督官庁による業務改善命令等の対象となります。一番比率が高いのはネオファースト生命(7636.9%)で昨年と変わりませんが、比率は9969.9%から大きく下がっています。どの保険会社も問題ない水準ですが、5年前と比べると10社比率が下がっていて、前年比では26社も比率が下がっています。フコクしんらい生命・三井生命・朝日生命は5年続けて比率が上がっています。
契約件数や年換算保険料が多いとソルベンシーマージン比率が高くなるわけではなので、契約件数や年換算保険料の順位とは大きく異なっています。
生命保険は加入期間が数十年にもなることが多いので、現在も未来も安心できる保険会社を選びたいものです。業績が良くても経済状況等の変化で翌年には大きく悪化することも多々あります。昨今では貯蓄を兼ねた一時払いの商品が金利の動向等に大きな影響を受けました。保険会社の経営状況は決算内容でもある程度は確認できるので、興味のある人は是非確認してみて下さい。
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