シトロエン/シトロエン

人と違うミニバンを。グランドC4ピカソに試乗

日本だけでなく世界でも、SUVやミニバンなど背の高いクルマが人気。魅力的な新型車がぞくぞくと登場を果たしている。なかでもオススメはグランドC4ピカソ。乗る人をワクワクさせてくれるインテリア、いかにもフランス車らしい乗り心地、人とは違うミニバンが欲しい人にうってつけです。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

選択肢が広がった輸入車ミニバンのオススメモデル

シトロエン グランドC4ピカソ

大きなフロントウインドウとガラスルーフをもつ個性的なスタイルのミニバン、シトロエンC4ピカソ。7シーターはグランドC4ピカソ、5シーターはC4ピカソと呼ばれる(写真はグランドC4ピカソ シャイン BlueHDi)

欧州市場における人気カテゴリーの傾向が、最近、だんだんと日本っぽくなってきたように思えてしかたない。SUVやミニバンタイプといった、背の高い=見晴らしの効くモデルへの注目が集まっているからだ。

否、世界的な傾向、といっていい。それゆえ、各ブランドともにそのあたりのモデル開発には力が入ってくるわけで、魅力的な新型車がぞくぞく日本上陸を果たしている。

最近でこそSUV勢に押されているとはいうものの、日本ではまだまだ根強い人気を誇っているミニバンタイプ。ちょっと前までは、国産車に飽きたとしても背の高い輸入車なんて、贅沢ででっかいSUVくらいしかなかった。けれども、今では人気のドイツブランドをはじめ、選択肢は広がっている。

なかでもボクが以前からオススメしているのが、シトロエンのミニバン、グランドC4ピカソだ。
シトロエン グランドC4ピカソ

ボディサイズは全長4605mm×全幅1825mm×全高1670mm、ホイールベース2840mm

ここでちょっと、この車名について、クルマを知っている人ほど混乱すると思うので説明しておくと、、、

先代のグランドC4ピカソ、日本市場では単にC4ピカソと名乗っていた。このときも本国には5人乗りのC4ピカソと7人乗りのグランドC4ピカソがあったのだけれど、5人乗りのほうは輸入されなかったので、7人乗りをC4ピカソで押し通したわけだ。けれども、現行モデルとなり、2タイプともに入れることになったものだから、本国と同じ呼び方に戻したのだった。

とまぁ、説明しなおしても、いっそうややこしくなっただけかもしれない。とにかく、グランドの付く方が、その名の通り、大きい=3列シートの7人乗り、と覚えておけばいい。

いかにもフランス車然とした“まったり風味”

シトロエン グランドC4ピカソ

ガソリンエンジンの1.6Lターボ(シャイン 355万円)に加え、2016年の改良時に登場した2Lディーゼルターボ(シャイン BlueHDi 380万円)をラインナップ

C4は、シトロエンの中核を担うハッチバックモデルである。それをベースにミニバン級の居住性をもたせた5人乗りハッチバックがC4ピカソで、さらにホイールベースとリアエンドを引き延ばし、3列シート7人乗りのミニバンタイプとしたのがグランドC4ピカソだ。つまり、前半分は一緒(パワートレーンも含めて)だけれど、後半分がまるで違う。

もちろんオススメはグランドC4ピカソのほうだ。もちろんフツウのC4ピカソもいいクルマだが、ミニバン市場の根付いた日本では、やっぱり3列シート仕様という商品性へのニーズが依然高いだろうし、ロングホイールベース仕様の乗り味もまた、いかにもフランス車然とした“まったり風味”=国産ミニバンとはまるで違う味付け、なのだから。
シトロエン グランドC4ピカソ

垂直方向の視界が最大70度あるスーパーパノラミックフロントウインドウを採用。ガラスエリア面積57平方メートルを誇るパノラミックガラスルーフ(シャインはオプション)も用意され、どの席からでもパノラマビューが楽しめる

そして、もうひとつ。現行モデルにも引き継がれたスーパーパノラミックウィンドウの魅力は、同乗者が多くなればなるほど楽しくなるに違いない。

頭上まで広がるフロントスクリーン越しに見えるビューは、オープンカーでも味わえないもの。“その向こうに行けばきっと楽しい何かがある”的に、乗る人全員をわくわくさせてくれる。そんな気持ちにさせてくれることが、何とも家族のシアワセを運ぶミニバンというカテゴリーに、似合っているじゃないか!
シトロエン グランドC4ピカソ

ファブリックシートを標準に、ツートーンのナッパレザーシートをオプションで用意

シトロエン グランドC4ピカソ

2列目シートは個別に前後スライドとリクライニングが可能な独立式。レバー操作で簡単に座面が起き上がり、前方にスライドすることができる

シトロエン グランドC4ピカソ

3列目シートは折り畳んで床下に収納、フラットなラゲージ空間を作り出すことができる。テールゲートはハンズフリー機能を備えた


乗れば乗るほど、しみじみと“いいクルマ”

シトロエン グランドC4ピカソ

2L直噴ディーゼルターボは最高出力150ps/最大トルク370Nmを発生。ファミリーカーであるC4ピカソに合わせてチューニングが施されている。アイシンと共同開発した6ATを組み合わせる。ガソリンの1.6Lターボは165ps/240Nm

いうわけで、実際に乗ってみると、絶妙な“アタリの柔らかさ”をもった乗り味が、昔のシトロエンほどじゃないにしろ、まだちゃんと残っていて、ドイツ車や国産車とはまるで違う足腰のクルマだということが、よく分かる。ディーゼルパワーに思ったほど力強さを感じなかったのが玉に瑕だけれど、ガソリン車よりはマシ。乗れば乗るほどに、しみじみと“いいクルマ”だと思えてくる感覚は、実は、実用重視、機能重視、合理性重視、のフランス車らしい。
シトロエン グランドC4ピカソ

16年の改良により安全/快適装備も充実。アクティブセーフティブレーキ、レーンキープアシスト(高速走行時に作動)、ブラインドスポットモニターなどを備えた

日本のミニバンには、ちょっと飽きてきた。ミニバンにも官能性が欲しい。人とは違うミニバンを。そんな方にうってつけの選択が、グランドC4ピカソだと思う。
シトロエン グランドC4ピカソ

16年の改良でC4ピカソとグランドC4ピカソのフロントマスクを統一。7座モデルのルーフレールをシルバーとした。ちなみに中央のダブルシェブロンから伸びるクロームライン上のLEDはポジションランプ、その下がヘッドライト

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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