大盛況だったのびーる体験会

ニンテンドースイッチの図

ARMSはニンテンドースイッチならではのタイトルということで、とても楽しみですね

任天堂がニンテンドースイッチ専用タイトルとして2017年6月16日に発売を予定している「ARMS」の先行オンライン体験会「のびーるウデだめし」が2017年5月27日、28日に開催されました。その日全世界の人が一斉にARMSを体験し、Twitterではあっという間に「ARMS」がトレンド1位に。

ガイドもたっぷりARMSを体験しまして、今回はその魅力をご紹介しようと思います。ただし、ARMSは誰にでもオススメのゲームというわけではありません。

格闘ゲームが複雑化、高度化していく中でついていけなくなってしまった人が、ARMSだったら楽しめるということは、十二分にあるように思います。ARMSは斬新で、新しく、多くの格闘ゲームの常識にとらわれない作りをしているからです。一方で、見た目よりは、きちんと対戦ゲームで、適当にガチャガチャと腕を振り回して楽しめるかというと、それは難しいかもしれません。

瞬時に状況を判断して複雑で正確なコマンドを入れる格闘ゲームと比較するなら、圧倒的に簡単で多くの人が遊べますが、誰でもワイワイ楽しめるパーティーゲームかというと、強い人が勝って、弱い人が負けるという、それなりにシビアな面があります。

ARMSがオススメな人、オススメでない人はどんな人か、順を追ってご説明したいと思います。

ARMSってどんなゲーム?

いいね持ちの図

両手をいいね!な形にして握ります

ARMSは、一言で言えば伸びる腕で殴りあう格闘ゲームです。ARMSは片方の「Joy-Con」を横に持って操作するスタイルや、「Nintendo Switch Proコントローラー」で遊ぶこともできますが、オススメの操作方法は「いいね持ち」と呼ばれるスタイルです。2つのJoy-Conをバラバラにして、それぞれ左右の手で縦に握り、トリガーボタンを親指で押すように持つスタイルです。この状態で、Joy-Conを握った左右の手で実際にパンチすると、ゲームの中のキャラクターもパンチする、というのが基本の操作となります。

非常に特徴的なのは、パンチをすると腕がびよーんと伸びること。伸びた腕が遠くにいる相手を攻撃するので、これで遠距離で殴り合いをします。Joy-Conを持った手をハの字にすれば、キャラクターも腕でガードしてくれますし、両手を同時に突き出せば、やはりキャラクターの腕も両手がぐいーんと伸びて相手をキャッチ、投げてくれます。

パンチを繰り出すとゲージが貯まり、一定以上のゲージが貯まると、ラッシュを発動させることができます。ラッシュ時は強力なパンチを連続で繰り出すことができ、うまく当てれば一気に相手の体力を奪えます。

この伸びる腕を使って、1対1、あるいは2対2や3人のバトルロイヤルで戦う他、伸びる腕を使ったバレーやバスケットもあります。

さて、このARMSで特に注目しておきたい点は、「遅い」ということです。

1秒という遅さ

ストリートファイター4の図

多くの格闘ゲームは、0.1秒、0.2秒という世界で、戦います

ARMSを遊んで最初にガイドが想起したのは「スティールダイバー サブウォーズ(以下スティールダイバー)」という、任天堂から発売されたニンテンドー3DS用タイトルです。スティールダイバーは潜水艦のシューティングゲームで、水中で潜水艦を操って、魚雷を撃って戦います。潜水艦は速度を上げるのも、落とすのも、また旋回するのも急には動けませんし、魚雷は撃ってから着弾するのに時間がかかります。これによって、瞬時に狙って撃ち抜くという対戦シューティングのゲームスピードをぐっと落としたゆっくりと、ただし先を読みながら戦うのがスティールダイバーというゲームでした。

ARMSはこのスティールダイバーにかなり近い発想があると思います。伸びる腕で戦うARMSはある程度相手と離れて戦います。ガイドがゲームを録画して測ってみたところ、パンチの種類や相手との距離によって差がありますが、パンチを放ってから当たるまでにざっくり1秒程度かかるようでした。

1秒というのがどのくらいの時間なのか、格闘ゲームに詳しくない人には良く分からないと思いますので、ちょっと細かい話をします。通常、格闘ゲームでボタンを押してから技が当たるまでの時間というのは、フレームという単位で表します。フレームという単位が表現する時間はゲームによって違う場合もあるんですが、今回は1フレームが60分の1秒ということでお話します。

非常に素早い技でボタンを押してから攻撃が当たるまでに3フレーム程度、秒に直すと0.05秒ということになります。これはもう、人間が反応できる時間ではありませんね。10フレームというと大振りで遅い技ということになりますが、これで約0.17秒という世界です。これでどういう攻防が行われるかというと、例えば、相手の攻撃をガードした後、自分が攻撃できる状況になった時、相手は攻撃をしたせいで隙が7フレームあるとします。そしたら、10フレームの技ではどう頑張ってもその隙に攻撃を入れることはできませんが、3フレームの技であれば、4フレーム以内、つまりおおよそ0.1秒以内であれば確実に反撃できる、と、こういう世界です。

改めて文字にしてみるととんでもないですね。このスピード感の中で攻防があり、複雑なコマンド操作も必要になります。まともにゲームができなさそう、と思うかもしれませんがその通りで、これはもう相当に慣れなければついていけません。格闘ゲームというのは、経験者とそうでない人では大変な断絶があるジャンルです。

0.2秒が遅いなんていう感覚からいうと、当たるまでに1秒もかかる技なんていうのは、誇張なく止まって見えます。しかし、ARMSは他の格闘ゲームでいえば止まって見えるようなスピードでやり取りします。ですから、パンチを撃ったな、というのを確認してからよけられます。そしてARMSには複雑なコマンド操作もありません、連続でできる攻撃は左右2本の腕を1回ずつ振るところまでです。この点において、格闘ゲームのスピード感と複雑さについていけないけれど、ARMSならば遊べるという人は少なくないと思います。

しかし一方で、誰でもガチャガチャとやれば勝ったり負けたりできるかというと、そうでもないと思います。ARMSはうまいへたがはっきりと出る、戦略、戦術が存在します。

1秒先の未来

ARMSの図

1秒先に、自分と相手がどうなっているか、考えて戦わなければ勝てません

相手のパンチを見てからよけれるということは、自分のパンチも見てからよけられるということです。これは、きちんと見ている相手だった場合、適当に打ったパンチはまず当たらない、ということを意味します。何しろ遅いのです。

じゃあどうやって当てるのか。パンチを放ってから1秒後に当たるんですから、1秒先の未来を読まなくてはいけません。例えば、まず右手でまっすぐ相手を狙います。相手が左側に避けるのを先読みして、時間差で左手のパンチを放ちます。しかも、腕を振る時にフックさせることで、ゲームキャラクターのパンチにもぐーんと弧を描かせます。右手をよけたと思ったら、視界の端から弧を描きながらパンチが飛んできて思わず当たってしまう、というわけです。

さらに、ARMSのキャラクターは右手と左手の腕、ARMを変えることができます。ARMには色んな種類があり、素早い動きのもの、相手のパンチを弾き飛ばす重量のあるもの、あるいは追尾したり、水平に広がったり、盾になったり、様々です。両手に装備したARMの特性をうまく使って、相手を翻弄し、虚をついて攻撃します。

さらにさらに言えば、キャラクター自身もそれぞれ特殊な能力を持っていて、空中で何度もジャンプできたり、忍者のように消えたり、キックで相手のパンチを落としたりと様々です。

ガチャガチャッと適当にボタンを押すことをガチャプレイなどと言うことがあります。普通の格闘ゲームであれば、ガチャプレイが思いもよらない動きを見せて功を奏すなんてこともありますが、ARMSではゲームスピードが遅いが故に、ガチャプレイをしても、しっかりと見ている相手には通用せず、きちっとよけられて、きちっと当てられます。

ARMSはその遅いゲームスピードとシンプルな操作の中で、確かな判断と、1秒先にどうなるかを考える戦略、戦術が必要になります。

今なら全員スタートライン

スプラトゥーンの図

新しいゲームのルールで、みんなが試行錯誤しながらバトルがどんどん変化していく面白さは、初代スプラトゥーンの発売当初を思い出させます(イラスト 橋本モチチ)

ARMSは「遅い対戦格闘アクション」であると言えます。ですから、他の格闘ゲームのような反射神経を求められることはありません。また、複雑なコマンドもありません。しかし、適当に遊んで楽しいゲームかと言うと、しっかりと動きを見て攻撃を防ぎ、そして崩す戦略を持って攻撃してくる相手にはなかなか勝てないでしょう。その点で、見た目程カジュアルなゲームではないかもしれません。崩しの戦術と、1秒先の未来を読む力が試されます。もっとも、それが大変に面白いゲームである、ということは付け加えておかなければいけません。

もう1つ重要なことがあります。それは、ARMSはとても斬新で、特殊な格闘ゲームであり、他の格闘ゲームのセオリーがほとんど通じない、ということです。全てのプレイヤーは手探りでゲームを始め、そして混沌とした戦いが始まります。のびーる体験会は各1時間ずつ、1日3回、2日間で計6回開催されましたが、実はその6回の間でも参加プレイヤーに変化が見られました。初回は本当にメチャクチャに戦うばかりの人が多かったのが、回を重ねるにつれてどんどん工夫され、戦術が編み出され、拳から意図が伝わってくるようになりました。

これは、Wii U専用タイトルとして任天堂から発売された「スプラトゥーン」と非常に似た現象です。これまでにない仕組みに、幅広いプレイヤーが興味を持ち、そして、みんなが同じスタートラインでよーいどん、と始めるので、混沌とした中でゲームのプレイが刻々と変化していきます。

誰でも適当に腕を振り回せば楽しく遊べそう、ということであればあまりオススメはしませんが、するどい反射神経や複雑すぎる操作を求められずに、戦術や駆け引きを楽しめそう、ということであれば大変にオススメです。発売前にオンライン対戦ができるのびーる体験会は6月3日、4日にも開催されますので、気になった方はぜひ試してみてください。

そして、もし気に入ったのであれば、全員初心者で始められる発売と同時に購入して、混沌とした戦いをぜひ楽しんでみてください。

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