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住宅の税金、消費者の気づかないリスク

住宅の税金は特例が適用されるかどうかでかなり異なる場合もありますが、税金について調べる際に一般の消費者が気づきにくいリスクも存在しているようです。そのリスクとはいったいどのようなものでしょうか。

執筆者:平野 雅之


住宅の税金について解説記事を書くときには、当然ながら各種の資料や市販の書籍などを参考にしています。さすがに自分の記憶だけで書くわけにはいかないでしょう。

そのとき、税金の内容ごとに管轄官庁が出している公的資料や、専門家向けの実務書などをメインにするわけですが、ときどき一般消費者向けに売られている書籍も参考にします。

といっても、一般消費者向けの本に書かれている内容そのものを参考にするのではなく、一般消費者向けの本に「何が書かれていないのか」、一般の人にとって「足りない情報は何か」を確認するために目を通しているのです。

ところが、一般向けの本のなかには不適切な記述が目立つものもあって困ってしまいます。

4月に出版された本なのにその年の税制改正の内容が反映されていなかったり、誤植が原因なのか、まったく逆の意味のことが書かれていたり、データを用いて説明している本文の内容とは異なる表を掲載していたりと、不適切な内容は多岐にわたっています。

著者が税理士の某氏になっていながら間違いの多い本もありましたが、おそらく第三者が書いた原稿に名前だけを貸して、内容のチェックを十分にしなかったのでしょう。

それぞれの出版社には校閲の担当者もいるはずですが、そのレベルはかなり異なるようです。税金の本ではありませんが、住宅購入について書かれた一般向け市販書の1冊のなかに、50か所以上のミスを見つけたこともありました。

私たちがみればすぐに間違いだと分かるような内容でも、一般の人がそれをみたときには間違いと気づかずに信じてしまいそうです。

税理士名義の本でもあてにならないとすれば(もちろん大半の本は大丈夫なはずですが)、いったいどうすればよいのでしょうか。

まさか「一般の人も分厚い専門書を買うべきだ」などとはいえませんし……。あまりにも複雑になってしまっている税法自体の問題も大きいでしょう。

誤った情報を信じて取引をすれば、かなり高額な「見込み違い」も生じかねないリスクを抱えているのが不動産の税金です。とりあえずは「一つの情報だけで済ませずに、複数の情報で総合的な判断をすること」が必要なのかもしれません。

ネットで情報を発信する側の立場としても、十分に気をつけていきたいものです。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2006年9月公開の「不動産百考 vol.3」をもとに再構成したものです)


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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