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略奪愛はうまくいかない? その後の顛末とは

略奪愛はうまくいかない?友だちの彼を奪ってしまった、という女性の声を聞く機会があった。いったい、彼女たちはなぜそういうことをしたのか、そしてその顛末は……。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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略奪愛はうまくいかない?

略奪愛はうまくいかない?

略奪愛はうまくいかない?

「友だちに彼を奪われた」という話はよく聞くが、「奪った」側がその後どうなったのか。本人が言いたがらないせいもあるのだろうが、あまり耳にする機会がない。そこで今回、「奪った」側の女性たちの話を聞くことができた。いったい、彼女たちはなぜそういうことをしたのか、そしてその顛末は……。
 

「始めは最高にテンションマックス」交際3年で破局

6年前、高校時代からの親友の彼を奪ってしまった結果になったというのは、ヒカリさん(33歳)だ。だが当時は「奪った」という感覚はなかった。

「彼女が彼とうまくいかないと愚痴っていたんですね。私も何度か彼には会っていたし、彼と私の勤め先が近かったんですよ。じゃあ、私がいろいろ聞いてきてあげると。彼とふたりでランチをして、彼女のことを話したりして。当時、ふたりはつきあって1年くらいでしたけど、彼女が嫉妬深くて困ってると彼は言っていました。そのことを彼女に伝え、『仲良くやってよ』と励ましていたんです」

ところが、それを機会に彼がヒカリさんに接触してくるようになった。彼女は「親友の彼として」節度をもってつきあっていたが、ある日、酔った彼がオレ、本当はヒカリちゃんのことが好きだ」と路上で絶叫した。

実はそのとき、ヒカリさんも彼のことが好きになっていた。思わず「私も!」と叫び、その日はふたりでホテルに泊まってしまう。
親友の彼に突然告白されて、ホテルへ……

親友の彼に突然告白されて、ホテルへ……

「でも翌朝、本当に後悔しました。人としてやってはいけないことをしてしまった。彼の寝顔を見ながら涙が止まらなかった。奪いたいなんていう気持ちはありませんでした。そのまま、ひとりでホテルの部屋を出たときの虚しい気持ちは今もはっきり覚えています」

彼も同じ気持ちだったのか、連絡が途絶えた。ヒカリさんは親友とはたまに会っていたが、やはりふたりはそれほどうまくはいっていない様子だった。

「2ヶ月くらい本気で悩み、迷いました。でもどうしてももう一度、彼と会いたかった。それでメールをしたんです。そうしたら彼が『僕もどうしてもあなたを忘れられなくて、ずっと鬱々としていました』って。その敬語を見て、彼が私と距離を置こうとしつつできないんだ、と確信したんです。それで会いたい、どうしても会いたいと返信しました」

今度会ったら、もう離れられない――わかっていて会った。そして彼はヒカリさんの親友と別れた。もちろん理由は言わなかったらしいが、親友にはわかってしまったようだ。

「当時の私は奪ったつもりなんてなかったけど、客観的にみればやはり略奪だったんでしょうね。彼女に呼び出されてぼろくそ言われて、『もともとうまくいってなかったじゃない』と言ってしまったんですね。彼女は目にいっぱい涙をためて『信じてたのに』って言われました」

恋愛はある意味で弱肉強食の世界なのかもしれない。親友の恋人には手を出さないのは暗黙のルールではあるが、ときに恋愛感情が友情を上回ることがある。

ヒカリさんは3年間、彼とつきあったが、結局は別れた。

「親友に恨まれても、最初は、彼と一緒にいられることがうれしくてたまらなかった。つきあい始めは最高にテンションマックス。でも、それ以降は恋の炎がだんだん鎮まっていった。お互いに前向きにつきあっていこうとはしていたんですが、ふたりともじっくり恋を育てていくタイプじゃなかったのかもしれない。激しさがおさまったら恋愛感情もおさまってしまったような……」

燃え上がるような恋愛を常に求めているふたりにとって、落ち着いた関係は物足りなくなってしまったのかもしれない。

 

「友だちを裏切る覚悟をしました」交際4年の成功例

言い出せずに諦めていたけれど……。

言い出せずに諦めていたけれど……。

友だちから奪ってしまった彼ではあるが、今も関係は良好だというのはエリさん(32歳)だ。

「学生時代から3人とも友だちで、私は彼が好きだったんです。でも友人が彼のことを好きだと周りに言っていて、いつしかふたりがつきあうようになっていた。私は言い出せずに諦めたわけです。卒業してからも、ふたりはくっついたり別れたりしながら、いつかは結婚するんだろうなという雰囲気でした。でも私、どうしても納得できなかった。ふたりが結婚していくのを黙って見てはいられなかったんです」

あるとき、彼を呼び出し、一緒にお酒を飲んだ。飲んでも肝心なことは言い出せなかった。彼と別れて自宅に帰ろうとしたものの、どうしても足が向かない。そして彼の家へと向かった。

さっき別れたばかりで突然家までやってきたエリさんに、彼は驚いていた。

「それでも言うべきことだけは言おうと。酔った勢いもあったので、彼の部屋の玄関先で『私は10年間、あなただけを見てたの! でも、いい、何も言わないで!』と言ってばっと抱きついて、そのまま走って去ろうとしたんです。だけど酔ってるものだから転んでしまって……足首を捻挫して立てなくなった」

彼は慌てて氷で足首を冷やしてくれた。酔いも醒めていき、彼女はいてもたってもいられない恥ずかしさに襲われる。

「ごめんなさい帰る、と言ったのですが、彼は『相当ひどいから、もっと冷やしたほうがいい』と。コーヒーをいれてくれたり氷を取り替えたりしながら、ぽつりと、『少しだけ待っててくれる?』って。そのときは何のことかわからなかったんです。
そしたら、その1週間後に『彼女と別れた』って……。彼女とは10年つきあっていたけど、どうしてもこの人と人生をともにしたいと思えなかったそう。私と一から人生をやり直してみたいと言われて、泣きました。それで私は友だちを裏切る覚悟をしたんです」


彼と付き合うことになり、彼女だけでなく、当然周りの友人たちも敵に回した。

それから4年近くたった。件の彼女は半年前に結婚、エリさんのもとに手紙が来た。

「自分も幸せなので、もう気にしないでいいからね、という内容でした。今までひっかかっていたことがクリアになって、彼とふたりでようやくほっとしたところです」

こういうことはすべて結果論なのかもしれない。

略奪したあげく、何かの理由で別れてしまえば「やっぱり略奪愛はうまくいかない」と言われ、別れずに結婚でもすれば「愛を貫き通した」と言われるのである。

友だちの彼を奪うのは決していいことではない。ただ、いちばん大事なのは自分の率直な気持ちと相手の気持ち。そしてある種の覚悟なのかもしれない。

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