「恋愛意欲」が急減するアラフォー独身女性たち

「どうしたら恋愛できるんだろう」から「恋愛ってしなきゃいけないの?」へ。女性たちの変化とは。

「どうしたら恋愛できるんだろう」から「恋愛ってしなきゃいけないの?」へ。女性たちの変化とは。


アラフォー独身女性たちと話す機会があったのだが、誰もが「恋愛するエネルギーがなくなった」と嘆いている。仕事でも恋愛でもある程度の経験を積んできて、多少の余裕もありながら、「恋愛だけは消去」してしまうのだそうだ。いったいなぜなのだろう。


「結婚しなければいけない」の呪縛から解き放たれて

ユミさん(40歳)は、40歳になったとたん、すべてから解放されたと笑う。

「遠方に住む親もあきらめたのか、『結婚しないの?』と言わなくなった。むしろ『東京に遊びに行くとあなたのところに泊めてもらえるから気楽だわ』とさえ言うようになって。会社でも独身女性がけっこういるし、逆に男性たちも気軽に飲みに誘ってくれる。そういう環境があるせいか、結婚しなくちゃと思わなくなったんですよね。男友だちもいるので寂しくもない。こうなると恋愛から結婚へという流れは自分の中の選択肢としては“消去”ですね」

周りを見ると、結婚して子どもがいる友人もいれば、離婚して再婚している人もいる。自分と同じように独身もいればシングルマザーもいる。

「いろいろな人がいるんだなあと実感するようになりました。独身アラフォーはもう珍しいわけではない。私は4年ほど恋愛していませんが、今や恋愛って何だっけって感じですね」

少し前なら、「どうしたら恋愛できるんだろう」と言っていた女性も少なからずいたのだが、ユミさんは完全に突き抜けている。確かに自分が不自由や不都合を感じていなければ、恋愛は人生において不可欠なものではない。「選択肢」のひとつなのだ。


「世間一般」にあてはまらなくても……

「私は恋愛したくない」と宣言することにも違和感が。

「私は恋愛したくない」と宣言することにも違和感が。


生き方も価値観も人それぞれ。そう思っていながら、女性たちは恋愛しない自分を「世間一般からずれている」とどこか引け目を感じてもいる。

「せめて一度は結婚しないと、誰からも選ばれなかった女だと思われるのではないか、恋愛しなくてもいいと言ったらヘンな人だと思われるのではないか。そんな不安はありますね」
そう話してくれたのはカオルさん(38歳)だ。彼女はすでに8年、誰ともつきあっていない。恋したくないわけではないが、恋するきっかけがないのだという。

「よくみんな『出会いがない』と言うけど、出会いがないわけではないんですよね。ただ、その気になれない。めんどうだと言ってしまえばそれまでだけど……。何がめんどうって、待ち合わせてデートとか、日々あったことを話すとか(笑)。それが恋愛の原点だと思うけど、それこそがめんどうなので恋愛意欲がなくなっているということなんだと自分で分析しています」

出会って好きになって、もっと相手のことが知りたくなり、自分のことも知ってもらいたくなり、体を寄せ合ったり密着したりという一連の「恋愛業務」がめんどうだと彼女は言う。恋愛はすでに「業務化」しているのだ。

だからといって、「私は恋愛したくない」と宣言することもできない。ヘンな人だと思われたくないから。そこでカオルさんは「恋愛についての話題が出ると、終始にやにやと曖昧にやり過ごす」のだという。それがまたストレスになっていく。


「恋愛耐性」がなくなると、なかなかその気にはなれない

恋愛は楽しいことばかりではない。めんどうなこともあるし、理不尽に失うこともある。しようと思ってするわけではなく、やはり「落ちる」ものなのだろう。8年間恋愛していないカオルさんも、最後の恋愛の痛手が響いているようだ。

「2年つきあった彼が私の友だちと浮気、子どもができてそのまま結婚したんです。あのときは人間不信になりました。今はそこからは立ち直ったけど、恋愛するとああいうこともありうると知ったので、積極的に落ちようとは思わなくなったんです」

情熱も時間も労力もかけた。それでも恋愛は報われるとは限らない、手痛い目にあうこともある。

「8年も恋愛していないと耐性がなくなるんですよね。だからきっとちょっとしたことでも気になったり傷ついたりしてしまう。それは私の日常生活を脅かす。わかっているから飛び込めないんでしょうね。実際、恋愛が必要だとも思えないし」

確かに恋愛を繰り返している人のほうが「耐性」はつくだろう。だが、それが次の恋愛に活かされるとも限らない。アラフォー独身女性をめぐる「恋愛意欲の低下」は非常に興味深い。
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