尻込みするのは性格?それとも……?

親子

「できない」「ムリ」が口癖になっている子の背中をうまく押してあげたいものです

 チャレンジは自分の可能性を広げていきます。ですから、なるべく色々なことに挑戦してほしいと思うのに、「できない」「無理」とすぐに尻込みしてしまう子どもがいます。どうしてそんなふうに思ってしまうのでしょうか。親はどのように関わっていけばいいのでしょうか。

物心ついた頃から慎重な性格だった子もいるでしょうが、親が心配になるくらい尻込みしてしまっている場合は、色々な要素を考えながら、対応の仕方を探っていきましょう。


自分はダメだと思っている

自分はダメだ、無能だと思っていると、なかなか新しいことにチャレンジする勇気は湧いてこないものです。子どもの自己評価が低いと感じる場合は、それがいつ頃から気になり始めたのか思い出してみましょう。

大人でも、一生懸命取り組んだことが評価されないと、自信を無くしてしまいます。ここぞという時にダメだったという経験なら尚更です。頑張って勉強したのに、いい点数を取れなかった。スポーツでレギュラーになれなかった。自信を持っていた絵をけなされた、あるいはほとんど関心を向けられなかった。……等々。

誰でも普通に経験することです。その時は凹むけれど、その悔しさをバネにして気持ちを切り替えてまた頑張るというのが健康的な心の持ち方です。でも、親や周りの大人が、勝ち負けにこだわったり、「結果が全て」という考え方をしていると、子どもにとっては一度の失敗がオオゴトになってしまいます。

結果ではなく、子どものがんばりを評価するよう心がけましょう。また、過去の失敗が子どもの大きな心の傷になっている場合は、タイミングをみて「あの時は残念だったけど、あれだけ頑張れたのはすごいと思うよ」と伝えてみてはどうでしょうか。過去は変えられないと言われますが、過去をどのように意味づけしていくのかは今からいくらでも変えていくことができます。


常にネガティブな評価を受けている(と子どもが感じている)

ほめて育てているつもりなのに、どうしてうちの子は尻込みしてしまうんだろう。そう思ってしまう場合は、ほめ方が下手な場合が多いようです。

たとえば、ほめた後にけなす。「今回のテストは良かったけど、前はダメだったよね」とか「サッカーは上手になったけど、勉強も頑張らなきゃね」といったように。また「よくやった。じゃあ次は○○を目指さなきゃね」と親に勝手に次の目標を決められると、子どもは「今の自分では、まだまだダメなんだ」というふうに感じてしまいます。逆に、子どもが「たいしたことじゃない」と思っていることを大げさにほめるのも、子どもの自尊心を傷つけてしまいます。

自信を育てるには、子どもが「オレ頑張った!」と思ったタイミングで惜しみなくほめることが大切です。子どもの「またチャレンジしたい」という気持ちを育むことにもつながります。


尻込みすることにメリットがある(と子どもが感じている)

頑張ってもほめてもらえない、失敗したらクソミソにけなされる。そういうことが繰り返されると「そもそも取り組まないほうが傷つかずに済む」と思うようになります。

また、親が何でも代わりにやってしまうといった経験が重なれば「最終的には誰かがやってくれるから、わざわざ自分が頑張る必要などない」と思ってしまうかもしれません。

でも、それだと達成感は得られないので、いつまで経っても自己評価は上がらず、他者からの評価も遠ざける結果になってしまいます。

尻込みすることが習い性になってしまっている場合、小さなチャレンジの背中を押すことから始めましょう。「いつもより5分早く起きる」でも「嫌いなピーマンを食べる」でもかまいません。なにかにチャレンジしようと思ったことを評価し、実際にチャレンジしてみたことを評価し、チャレンジを続けていることを評価し、というように、細かい段階に分けて都度ほめましょう。


謙虚さとはき違えている

「根拠のない自信を持つより、謙虚である方がいい」といったことを時折耳にします。しかし「やってみなきゃわからない」と色々なことにトライするのは、自信の有無や根拠とは無関係です。一見謙虚に見える尻込みが、自己評価の低さや卑屈さに繋がらないようにしたいものです。

そもそも子どもが発達の過程で万能感を持つのは正常なことです。チャレンジして挫折する経験を重ねることによって、子どもたちは自分の個性を知り、課題や目標を設定できるようになります。逆に、尻込みを続けることは「やればできる(はず)」という根拠のない自信を育て、理想と現実のギャップにつまずく結果を招きかねません。

親が失敗を恐れないことも大切です。発明家のトーマス・エジソンは「私は失敗したことがない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」という言葉を残していますが、親がそのように考えているとチャレンジの敷居は下がるのではないでしょうか。

小さくつまずいて立ち上がる経験の繰り返しが、子どもを強くしていきます。「成功しても失敗してもいいから、実験だと思ってやってごらん」そんな声掛けも有効かもしれません。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。