教育ローンを利用すると老後資金準備に手が回らなくなる!?
子どもの教育費は、住宅資金、老後資金と並ぶ人生3大資金に位置づけられています。高校までは生活費のなかでヤリクリできても、大学や専門学校でかかる費用はそうはいかけない家庭が多いでしょう。子どもが小さいころからコツコツ貯めたお金で足りなければ、教育ローンか奨学金を利用することになります。一般的に、教育ローンは親が借りて親が返済するもの、奨学金は子どもが借りて子どもが返済するものです。子どもが大学を卒業して社会人になった後、奨学金を返済していくのはかわいそうだと教育ローンを利用する親御さんがいます。気持ちはわかりますが、教育ローンの利用はやめましょう。
子どもが大学生の親御さんは40代後半から50代が多く、親自身の老後資金準備にラストスパートをかけなければいけない時期と重なります。その大切な時期に教育ローンの返済(住宅ローンのある人はその返済も)をしていると、老後資金の準備に手が回らなくなります。退職金でローンの残債を一括返済すればいいと考えるかもしれませんが、退職金はそっくり老後資金としてキープしたいので、ローン返済で減らすのは得策ではりません。
老後資金が足りなくなっても子どもに頼れない!?
今後、公的年金額は減り続け、90歳超の長寿者が増えると想定され、老後資金不足が深刻な問題になることは必至です。親の老後資金が足りなくなっても、子どもが援助できる経済状態であればいいですが、それは期待しにくいのでは? 子どもには家族と夢があり、親を援助する余裕はないでしょうから。どうしても、親を援助しなければならなくなると、子どもは結婚できない、結婚しても子ども(孫)を作れない、子ども自身の老後に影響するかも……で、子どもの人生を制約してしまうことになりかねません。よって、かわいそうでも、子どもには奨学金を利用してもらいましょう。
奨学金は返済が必要な貸与型が多いですが、企業や自治体、大学などで返済不要の給付型奨学金を実施しているところがあります。国も、ようやく重い腰を上げ、2018年4月から給付型を本格実施します(今年4月から、特に経済的に厳しい学生向けに先行実施)。
給付型で支給される金額だけでは大学でかかる費用の全額を賄えないでしょうけれど、返さなくてもいいお金ですから助かりますね。子どもには、給付型を優先的に検討してもらい、条件がクリアできなければ貸与型を利用してもらいましょう。それが、親の老後資金不足を回避するために必要なことなのです。