忍城の歴史。豊臣秀吉が唯一落とせなかった難攻不落の城
テレビドラマや映画で頻繁に取り上げられる戦国時代。特に人気のある歴史上の人物として、農民から武士となり天下統一を果たした豊臣秀吉は、様々な形でストーリーに描きこまれます。数々の合戦に勝ち続け天下を統一した豊臣秀吉が、唯一落とせなかった城が埼玉県行田市の忍城(おしじょう)です。 豊臣秀吉の天下統一の総仕上げは、北条氏居城、小田原城攻めでした。関東一円を治める北条氏との合戦は広範囲に及び、武蔵、成田氏の居城、忍城の攻撃を任されたのは忠臣の石田三成。三成は忍城から南東に2キロ余りの丸墓山に本陣を構えました。丸墓山を囲むさきたま古墳公園の敷地内には、三成が忍城水攻めのため1590年に築いた石田堤の一部が残されています。さきたま古墳公園 観光ガイド記事
映画『のぼうの城』の舞台に
梅雨時期の水攻めによって本丸は水没しそうになりながらも、成田長親の奇策によって落城を免れました。忍城は水に浮かぶ城、難攻不落の浮き城と呼ばれるようになったのです。 成田長親は2012年11月公開の映画『のぼうの城』の題材ともなりました。野村萬斎が演ずる成田長親は、不器用なため家臣から“でくのぼう”扱いされる一方で、領民からは「のぼう様」と親しみをこめて呼ばれる領主だったのです。『のぼうの城』公式サイトより
続日本100名城や関東七名城の一つにも数えられる城内では土日祝日を中心に、忍城おもてなし甲冑隊が戦国時代のいでたちで登場し、歴史を偲ぶイベントを行っています。また、毎年11月の第2日曜日には、忍城時代祭りが開催され市役所前から忍城に武者行列が続きます。
・忍城おもてなし甲冑隊 公式ホームページ
続日本100名城のスタンプが準備されている郷土博物館
御三階櫓に隣接する行田市郷土博物館には、忍城の続日本100名城スタンプが準備されています。正面玄関の右側にスタンプ台が設置されているので、コレクターは見逃すことはできません。 郷土博物館に入れば武蔵国の歴史や文化の知識を深めることができます。行田市は中世には城下町として栄えましたが、さきたま古墳公園に代表されるように古代から特徴のある歴史を刻んできました。産業の面では江戸時代から足袋の生産が盛んに行われ、1930年台には国内生産の8割を超えていたのです。また、講座室では甲冑姿で記念撮影をすることもできます。 城址の南東に隣接して水城公園が整備されています。明治時代に取り壊された忍城の濠の後は忍沼と呼ばれる大きな沼となりました。その一部が1964年に水城公園として開園しました。広場には約200本の桜が植樹され、市内有数の桜の名所となっています。しのぶの池やあおいの池の水際から忍城を眺めると、水に浮かぶ城を体で実感することでしょう。営業時間や駐車場情報など、忍城・行田市郷土博物館の基本データ
住所:行田市本丸17-23TEL:048-554-5911(郷土博物館)
開館日時:9:00~16:30
休館日:毎週月曜日,祝祭日の翌日(土日は開館),毎月第4金曜日
駐車場:2ヶ所57台(無料)
公式ホームページ:
https://www.city.gyoda.lg.jp/kyoiku/iinkai/sisetu/hakubutukan.html
アクセス: JR高崎線行田駅より西循環バスで忍城址郷土博物館前停下車、秩父鉄道行田市駅より徒歩約15分
地図情報