日本人には意外!? 世界の意外な快眠法
なかなか寝付けないと、翌朝の目覚めはスッキリしません
快眠のための工夫や習慣は、個人によっても、国によってもさまざま。今回は世界各国で眠れないときにとられる行動や寝室の工夫についてご紹介します。
裸で寝る国は意外と多い? 高温多湿の日本はどうすべき?
日本の感覚からは意外かもしれませんが、「裸で眠る」という国はけっこう多いもの。暑い国に限らず、アルゼンチンやイギリス、ナイジェリア、ネパール、フランス、モンゴルなどの人が、快眠のために裸で眠ると回答していました。寝具を使わずに裸で眠る場合、寝室の適温は28~30度。それ以下の室温のときは、何か寝具を使った方が良いでしょう。一方で、日本の夏のように高温多湿な環境の場合は、寝ている間も汗をかきやすいので、パジャマなどのナイトウェアをきちんと着用するのがおすすめです。体の表面に汗がついたままになると、汗の蒸発によるクーリングの効果が悪くなってしまいます。そのため一度ナイトウェアに汗を吸わせ、体温が下がりやすくするのがおすすめです。ナイトウェアは、吸湿性や放散性の良い素材を選んでください。
さらに、オーストリアやオランダ、シンガポール、ドイツ、ポーランド、モルドバでは、窓を開けて眠るのも一般的そうです。「よい睡眠にはきれいな空気が必要」との考え方からなのでしょう。あまり寒くない季節なら試してみても良いかもしれませんが、防犯対策はくれぐれもしっかりと。
寝るときの照明は人それぞれ・国それぞれでOK!
みなさんは、寝室を真っ暗にして眠っていますか? イギリスやイタリア、カンボジア、ブルネイでは、眠るときに小さなライトをつけることがあるようです。暗闇に不安を感じない方は、寝室を真っ暗にして眠っても問題ありませんが、暗闇に不安を感じる方は豆電球程度のライトをつけた方が、睡眠の質が良くなります。これは国だけでなく、本当に個人の好みの問題といえそうです。夜中に起きてトイレへ行くことが多い人も、安全のため小さなライトをつけておくのがよいでしょう。
「眠れないときに部屋を変える」習慣は、ぜひ日本でも!
イタリアの眠れないときの回答で驚いたのが、「部屋を変える」というもの。これは医学的にはとても良いことだと言えます。なぜなら、睡眠に問題がない人は、頭の中で「ベッド・布団・寝室=睡眠」となっているのに対し、不眠に苦しんでいる人の多くは、「ベッド・布団・寝室=不眠」と感じているからなのです。不眠の人は「布団の中にいれば眠れるかもしれない」と思い、眠れないのに長時間、布団にしがみついています。「ベッド・布団・寝室=不眠」という感じ方や考え方を、「ベッド・布団・寝室=睡眠」に変えるためのポイントは、睡眠と性生活以外に寝床を使わないこと。布団に入っても30分眠れないときや、夜中に目が覚めてもう一度眠ろうとしても30分眠れないときは、いさぎよく寝室を出て、ほかの部屋でリラックスできることをやってみましょう。しばらくして眠気が出てきたら、また寝室に戻って眠ればよいのです。
この方法は「認知行動療法」の1つで、睡眠専門の医療機関でも薬を使わない治療法として行われています。イタリアでの方法に限定させず、うまく取り入れるのがよいなと感じました。
歯磨き、散歩、皿洗い? 世界各国の入眠儀式
アイルランドでは、眠る前に歯磨きをする習慣があるようです。しかしイギリスの睡眠センターの研究では、歯磨きで冷たい水を口に含むことでメラトニンの分泌が減ってしまうことがわかっています。また、歯ブラシによる歯肉への刺激は、脳を興奮させてしまうので、安眠の妨げにもなります。夜に歯磨きをするなら、眠る1時間30分前までに済ませるのがおすすめのようです。その他、寝る前の面白い快眠のための習慣として、アルゼンチンでは皿洗いをする、アルゼンチンやチェコでは散歩するなどが挙げられていました。脳に刺激が強すぎるものはあまりオススメできませんが、皆さんも自分にあった入眠儀式(スリープ・セレモニー)を、何か1つ作ってみてもよいかもしれません。
眠れないときに数えるのは、羊でなくて構わない!?
眠れないときの世界の定番は、「羊を数えること」かもしれません。これは、アジアやアフリカ、南米、ヨーロッパなど19カ国で行われています。しかし、「たくさん数えたけれど、全然眠れなかった」という話を、ときどき耳にすることがあります。そもそも、なぜ「羊」なのでしょうか?実はこれには、英語ならではの事情があります。羊は英語で「シープ(sheep)」。「シープ」は、睡眠の「sleep」と発音が似ています。そのため、「ワン シープ、ツー シープ、……」と言っているうちに、「シープ」から「スリープ」を連想して、自己暗示がかかって眠くなるという説があります。英語が得意でない人が英語で羊を数えると、ストレスがかかってますます眠れなくなるかもしれませんね。
単純なことをすると、脳が退屈になります。退屈すると覚醒系の神経の働きが弱まって、眠くなってくるのです。英語圏以外の国々では、いろいろなものが数えられています。マレーシアでは数字や星、数字はドイツでも、星はイランでも数えられています。
きわめつけに驚いたのは、中国の「ギョーザ」です。こちらも、ギョーザの中国語の発音と、「寝る」の中国語の発音が似ているからだそうです。
各国の快眠術には、その国ならではの気候や風習、言語などのさまざまな事情が関係しているのが、わかっていただけたかと思います。取り入れられそうなものは上手く取り入れたり、日本風にアレンジしたりして、自分にあった快眠法を探してみてください。
関連記事として「こんなに違うの!?世界各国の快眠対策の香り・食べ物」もぜひご覧ください。