タオルは私たちの暮らしになくてはならないもの
タオルの黒ずみは捨てるタイミング?
しかし、はたしてこの「タオル」というもの、おろした新品の状態から一体いつまで(どうなるまで)現役で使い続けられるものなのか、みなさんご存知ですか? ごわごわになったら? 黒ずんだら? 穴が空いてもいないのに、捨ててもいいの……? そんな「タオルの寿命」について、考えてみたいと思います。
タオルの定義
タオルの表面はループ状の糸がたくさん織り込まれています
まず日本における「タオル」とは、主に「パイル織」でできた、手ぬぐい状の布のことをいいます。「パイル織」というのは、主に木綿でできた織物で、ループ状の糸がたくさん織り込まれており、フワフワと弾力性や吸収性に優れている性質があります。
とはいえパイル生地ではない、「シャーリング(パイルを切り揃えたもの)」や「ワッフル織」「ジャガード織」「ガーゼ」などの「タオル」もあります。また手ぬぐい状のみならず、大判や厚手のもの(バスタオル、バスマット、タオルケットなど)や、ごく小さなハンカチ状のもの、衣類に加工されたもの(ベビー服やバスローブなど)など、形状も多岐に渡ります。
タオルの正しい洗濯方法……柔軟剤を使うのはNG
このように基本的にはフワフワと弾力性が高く、吸水性のある布地であるタオルは、柔軟剤と「ほとんどセット」のような存在であるかのようにCMで扱われているため、意外に感じられるのですが、実は「タオル」の洗濯に柔軟剤を使用するのはNGであるといわれています。なぜかというと、柔軟剤の効果により、「タオル」のもつ本来の吸収性が阻害されたり、パイルが抜ける原因になったりするためです。
「タオル」は、洗剤洗いの後なるべくたくさんの水を使って成分が残らないように濯ぎ、脱水後しっかり振りさばいて「パイル」を開きほぐしてから干すようにすることで、元々の持ち味、吸収性や柔らかさを取り戻すことができます。
タオルの捨て時とは? ここまで使ったら捨ててよし、の目安
見た目とニオイから判断しましょう
そんな客観性を失いかけた時に有効な、タオルを「捨てて良い(捨てるべき)目安」は概ね以下のようなものです。ぜひ参考にしてみてください。
・繊維に黒い点々が染み込んでいる
あれ、なんだか黒ずんでいる?と目を凝らしてパイルの隙間を覗いてみると、黒い点々汚れが付いている。それは使用後の乾かしが甘かったり、部屋干しに失敗するなどして、すでにカビ(黒カビ)が生えてしまっている状態です。こうなると通常の洗濯をしている限り、増えることがあっても、減ることはありません(煮洗い、漂白剤につけるなどすればリベンジの可能性はあり)。タオルの黒カビは放置するとニキビや肌荒れの原因になることもあると言われています。だいたいこうなっているものはもう処分してもいい状態といえるでしょう。
・ピンク、オレンジに色が変わっている
赤色酵母や、黄色ブドウ球菌などの細菌が繁殖し、その色素が残っている状態です。真白いタオルなら気づきやすいのですが、色柄物の場合はなんとなく「くすんで」いるように見える程度で、どちらかというと「生臭いニオイ」の方で異状が感知される状態かもしれません。劣化は進んでいますが、黒カビ状態よりもまだ煮洗いや漂白が効き、リベンジもしやすい状況ではあります。放置するとこの状態の先に、先だっての「黒い点々(カビ)」がきます。
・パイルがへたりきっている
「ドラム式洗濯乾燥機」で洗濯して天日干しをしたタオルには、新しくてもパイルがへたりゴワゴワの干し上がりになるものが多いため、一概には言えないのですが、ある程度使用し洗濯回数を重ねた「タオル」は本来の持ち味や風合いを失います。ですからカビやらなにやらが生えていなくても、へたりきったその時点をもって「寿命」とする考え方もあります。
一説によれば「洗濯30回」がタオルの寿命とみる目安になるそう。繊維が短いタオルは傷みも早いため、大雑把には「安物のタオル」は寿命が短めだとういうことができるでしょう。
タオルの黒ずみは捨てるタイミング? タオルの処分方法
捨てていい、とはいえどうしても「捨てるに忍びない」気持ちに勝てない場合は、「対もしもの非常時用」として保管し、十二分に活用したのちに処分することをおすすめします。たとえば子どもの粗相処理、ペットの粗相処理、病臥時の汚れよけ(枕などを覆う)、長距離ドライブ時の車内の敷物、ベランダや三和土の掃除用などの「使い捨て」用途で、しっかり使い切れるといいですね。
【関連記事】