がんの5年・10年生存率ともに上昇している

毎年1月ごろ、国立がん研究センターが「がん生存率」を発表します。それによると、2008年~2010年にがんと診断された人の5年後の生存率は67.9%でした。かつてと比べ、がん患者の生存率は高まっています。10年生存率(2002年~2005年にがんと診断された人)は56.3%で、前年のデータと比べて0.8%上昇しています。つまり、がんにかかっても、10人のうち7人は5年後も、10人のうち6人は10年後も生きているということです。がんにかかっても、早期発見で治療期間が短くて医療費もさほどかからなければいいですが、そうではなかったら?

 
がんになり治療を続ければ、その間は働き方や収入に何らかの影響を受ける

がんになり治療を続ければ、その間は働き方や収入に何らかの影響を受ける


治療が長引くことで、がんにかかる前と同じ働き方ができなくなって配置転換で収入が減る、仕事をやめることになって収入源がなくなることが考えられます。労働政策研究・研修機構が企業に対して行った「病気の治療と仕事の両立に関する実態調査」(2018年7月)によると、過去3年に病気治療中の患者がいる企業で、がんの場合は「ほとんどが休職を経て治療している」と答えた割合が48.7%を占め、休職から復帰までの期間は6カ月以上を要する割合が43.2%でした。また、病気により退職した人の割合は1割以下という企業が8割前後と多いものの、がんの場合は「9割以上の人が退職」という企業も8.5%あり、他の病気と比べて退職割合はやや高めでした。
 
がんになり治療を続ければ、その間は働き方や収入に何らかの影響を受けることは考慮しておくことが必要でしょう。
 

がん治療の医療費は高額化し、老後資金を貯めるどころではなくなる

筆者の友人は、5年ほど前に乳がんにかかって治療のために会社をやめて専業主婦になりました。友人のように、生活費も医療費も出してくれる夫がいるケースは、失うのは彼女が仕事を続けていたら得られたであろう収入だけですみます。これだけでも大きいと思いますが、がんにかかった人が生計の担い手だと失うものが大きくて大変です。収入が減るか、なくなる上に、医療費の負担が重くのしかかるのですから。

これからも、医療技術の進歩で従来にない効果があるけれど、極めて高価な新薬が次々と登場し、公的健康保険が適用されても負担が重いケースが増えるでしょう。すると、貯蓄を取り崩すことになり、老後資金を貯めているどころではなくなります。

そこで、がん保険に入って医療費に備え、家計に余裕があったら傷病の療養による収入減や途絶に備えて就業不能保険にも入りたいもの。そして、がんにかからないようにはできないでしょうから、せめて早期発見・治療できるよう、定期的ながん検診は欠かさないようにしましょう。

※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆

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