劇場アニメのアフレコに初挑戦!高畑充希さんインタビュー

撮影:斎藤香

高畑充希『ひるね姫』インタビューに登場していただきました


劇場アニメ映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』で、森川ココネと夢の中に登場するエンシェンの声を担当した高畑充希さん。本作は、ココネが夢と現実を行ったり来たりしながら、それまで知らなかった自分を見つけるという冒険ファンタジー。劇場アニメのアフレコは初めてという高畑さんに、声の役作りから女優のお仕事まで、様々なお話しを伺いました。


ココネは何があっても変わらないところが魅力

――劇場映画のアフレコの仕事に挑戦した感想を聞かせてください。どんな風にココネ役に取り組みましたか?

高畑充希さん(以下、高畑):まったく手さぐり状態で入り、神山監督に身を任せようと思いました。難しかったのは声の抑揚の付け方です。ココネはキャラクターがノンビリした印象なので、そんなに抑揚つけなくてもいいかなと思ったのですが、彼女が夢の中でエンシェン(ココネの夢の中に出てくる女の子)になるときは、ちょっと変えようかと。そこは監督とも話し合った部分です。意識して大きくは変えませんでしたが、ココネはイメージとしては丸い声、エンシェンはちょっと角のある感じにしようと心掛けました。
撮影:斎藤香

『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』の森川ココネ


――ココネのキャラクターはどういう風に捉えて演じましたか? 彼女のチャームポイントと、ココネの冒険の相棒になる理系男子モリオくんとの関係も教えてください。

高畑:ココネは誰が目の前に現れようが何が起ころうが変わらない女の子です。芯が強いとも言えますけど、我が強いのではなく、どんなときでも人の影響を受けず、彼女のペースで行動できるところが魅力ですね。成長しないヒロインというところが好き(笑)。大変な目にあってもココネらしさは失わないように、岡山に住む女子高生らしさを維持しようと心掛けて演じました。
『ひるね姫』

モリオとココネはいいコンビ!


モリオくんはココネの手下みたいな感じです(笑)。ココネはかなり彼を振り回しますが、モリオくんは、そんなココネにちょっと恋愛感情があるかもしれません。でもココネは何とも思っていない(笑)。たぶん今後も二人の関係はあのままなんじゃないかなと思います。


ヒロインの声+主題歌も歌うことに葛藤も……

――アフレコのときはどんな様子だったのでしょう。モリオ役の満島真之介さんなど共演者と一緒に収録できたのでしょうか?

高畑:満島くんとは一緒に声を収録することができました。これはありがたかったですね。映画やドラマのお仕事で、人との掛け合いのシーンをひとりで演じることはないのですが、アフレコではそういうこともあるので。ひとりでテンションを上げて芝居するのは大変なんです。だからモリオとのシーンを満島くんと一緒にお芝居できたのは本当に良かったです。
『ひるね姫』

ココネの相棒のジョイ


あとココネが持っている人形、ジョイの声を担当した釘宮理恵さんとも一緒にお芝居できました。彼女はプロの声優さんなので、テンションをパン!とすぐ上げることができるんですよ。凄いな~と思って見ていました。

――完成した映画を見られた感想はいかがですか?

高畑:あまり冷静に見られませんでした。ずっと自分の声がスクリーンから聞こえてくるので、どこか違和感(笑)。私の声は特徴があるので、正直、このオファーを受けたとき驚いたんです。声のお仕事をしたことはありますが「向いていないかも」と思っていたので「私でもいいんだ!」と少し自信になりました。

――主題歌「デイ・ドリーム・ビリーバー」も高畑さんが歌っていて、声の演技に加えて、歌声も披露していますね。

高畑:でも最初に主題歌のお話しをいただいたときは、自分がヒロインの声をあてている作品で主題歌も歌うことについて乗り気ではなかったんです。本編でココネとエンシェンの声を担当し、その上に主題歌も?と。神山監督にも相談しました。

監督は、映画が私の声一色になることへの葛藤は理解してくださいました。ただ、私に主題歌を依頼したのには理由があって、この曲は忌野清志郎さんもカバーしているのですが、監督は映画の制作中、ずっと清志郎さんバージョンの「デイ・ドリーム・ビリーバー」を聴いていたそうなんです。

清志郎さんバージョンはお母さんに向けた歌なので、監督は「主題歌にしよう」と決めていたそうです。誰に歌ってもらおうかと考えたとき「劇中で母の秘密を追いかけるココネが歌えば、母へのラブソングになる!」と考え、私に依頼したとおっしゃっていました。

その話を聞いて、確かにココネが歌えば、作品に余韻を残せるし、主題歌も含めて『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』という作品になると思ったので、歌うことにしたんです。


仕事は毎回、苦しいことにトライしたい!

――映画では岡山弁にも挑戦していますよね。大変でしたか?

高畑:岡山出身の友達がいないので、あまりなじみがない上に、私の地元(大阪)の関西弁とちょっと似ているので逆に難しかったです。岡山弁は濁音が多いんですよ。「〇〇じゃろ」とか。その方言でココネのキャラだとけっこうグイグイ強めの印象を残すので、普段よりも柔らかく話すように心がけました。あとは方言の先生がついてくださったので、一語一語しっかりとチェックしていただきました。
『ひるね姫』

岡山の女子高生ココネの方言には高畑さんも苦労したそう。

私は関西出身なので、大阪が舞台の映画やドラマを見ていると、やっぱり言葉の発音が気になるんです。だからきっと岡山の方もこの映画を見ると方言が気になると思って、発音はかなり意識しました。岡山で生まれ育ったわけではないので100%正しくはないかもしれないけど、岡山の方が見たときにイラっとしないところまでいきたいな、と(笑)。すごく集中してやったので、終わったあとはグッタリしました。

――今回、劇場アニメに挑戦しましたが、高畑さんは舞台、映画、ドラマといろいろなジャンルの作品に出られていますね。作品はどのように選んでいますか?

高畑:お仕事のスタンスとして、自分では「毎回、苦しむ」がモットー。演じたことのある役を受けた方が楽で、やったことのないお仕事は必然的に苦しむことになるのですが、せっかくならトライしよう!という気持ちでいます。

役によって新しい発見もありますし、新しい感情も生まれます。例えば、ぶっ飛んだ女の子の役を演じたときに感じたんですが、普段の自分の思考回路と違う物の考え方になるんです。普通は何か言葉にするとき「これは言っていいのか、この言葉は自分の伝えたい気持ちに合っているか」と考えますが、でもぶっ飛んだ女の子の役のときは、脳みそを通らなかったんです。「思った、言った」みたいな。
撮影:斎藤香

映画、ドラマ、舞台、歌と大活躍の高畑充希さん


普段の私にはない動物的な思考回路になっていて、そんな自分になれるのが楽しい。「こういう生き方もあるんだ」と思えるのもいいですね。何があっても変わらないココネ役も私にとっては新しい挑戦。これからもイメージに捉われず、トライすることは止めずに続けていきたいです。


高畑充希(たかはた・みつき)
1991年、大阪生まれ。オーディションをきっかけにデビュー。2007年~2012年まで舞台「ピーターパン」で第8代目ピーターパンを務めて話題に。ほかNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」「とと姉ちゃん」、映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』『アズミ・ハルコは行方不明』など出演作多数。新作は舞台「エレクトラ」映画『泥棒役者』『DESTINY 鎌倉ものがたり』。

『ひるね姫』

『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』(2017年3月18日公開)


『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』(2017年3月18日公開)
父(声:江口洋介)と岡山で二人暮らしをする高校生のココネ(声:高畑充希)は、昼寝しては不思議な夢を見る女の子。2020年、東京五輪の3日前、ココネの父(声:江口洋介)が突然、警察に連行され東京へ行ってしまいます。何が何だかわからないココネは、変わり者の父だけど逮捕されるような悪事をするわけがないと信じ、岡山に帰省中の理科大の学生モリオ(声:満島真之介)に助けを求めます。やがて彼女は自分の見る夢が父の逮捕の理由や亡くなった母の秘密の鍵を握ることを知るのです。

監督:神山健治

(c)2017 ひるね姫製作委員会






※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。