花粉症による皮膚トラブル

花粉

花粉による肌荒れは、飛ぶ花粉の量が多い年に悪化しやすい

毎年2月になると、顔のかゆみを訴えたり、目の周りが赤くなってむくんでいたりする患者さんを必ず診察します。これらは花粉による肌荒れの典型的な症状です。

花粉アレルギーがあるとまず目のかゆみや鼻水などの症状が出ることが多いのですが、皮膚もアレルギーを起こして赤くかゆくなることがあります。花粉による皮膚症状が出やすい場所は目の周り、ほほ、鼻、口の周り、といった花粉にさらされやすい場所。特に目の周りはかゆみによりこすってしまいがちなので、赤みやがさがさといった症状が出やすくなります。
もともとアトピー性皮膚炎があったり、湿疹が出やすかったりする方は特に花粉による皮膚症状が出やすいです。私自身幼少時にアトピー性皮膚炎があったため肌荒れが出やすいのですが、花粉が多く飛んだ年には10年ぶりに湿疹が再発してしまい驚きました。

花粉による肌荒れの予防法・対処法

花粉に皮膚がさらされないようにするのが一番です。マスクをすると花粉による鼻炎の予防になるだけではなく、頬や鼻、口の周りへの花粉の影響を防ぐことができるので肌荒れにも有効です。

目の周りも荒れやすいところですが、なるべく目をこすらないようにしましょう。花粉症があると目のかゆみを手でこすりがちですが、まぶたの皮膚は薄いのでこする動作ですぐに荒れて赤くなったりガサガサします。

外出から帰ったときには顔を洗って花粉を落とすことも重要。アレルギーの原因になる花粉が顔に付着しているとかゆみが持続して肌荒れの原因になってしまいます。石鹸でごしごし洗うと逆に荒れてしまうので、ぬるま湯で軽く洗うようにしましょう。

花粉による肌荒れの症例画像

花粉による肌荒れは、特に目の周りに出やすいです。実際の症例画像としては、以下のような状態です。
目の周り

花粉アレルギーによる肌荒れは、特に目の周りに出現しやすいという特徴があります


乳児のまぶたの荒れ

まぶたの皮膚は薄く、花粉であれやすい


花粉による肌荒れ時、メイクはしない方がよいのか?

また、肌が荒れている間はメイクをしない方がいいですか?と尋ねられることもありますが、荒れが軽度であれば通常メイクをしても大きな問題にはなりません。たしかにメイクでかぶれる方はいますが、普段から使っているメイクであればかぶれる可能性は少ないからです。花粉症による肌荒れの場合にはメイクが一層肌の上にできると花粉が付着することの予防にもなります。メイク自体よりも、メイクを落とすときにゴシゴシとクレンジング剤で洗うと肌荒れが悪化しますので、強く洗いすぎないよう心がけて下さい。

花粉症を防ぐ抗ヒスタミン薬は肌荒れにも効果的?

花粉症には抗ヒスタミン薬というアレルギーを抑える飲み薬が効くことがよく知られていて、鼻詰まりやくしゃみ、目のかゆみを軽減します。これらは一度荒れてしまった皮膚を治すほどの効果はありませんが、早めに使えば皮膚のかゆみの予防になるので、結果的に肌荒れを防ぐことができます。

市販でもアレグラ、アレジオンといった処方薬と同じ成分の飲み薬が販売されていますし、処方薬ではさらに多くの種類の薬があります。最近発売されたビラノアやデザレックスというクリニックで処方できる抗ヒスタミン薬は眠気も少なく、1日1回の内服で使いやすく、眠気が多く過去に使えなかったという人にもオススメできます。毎年花粉の季節になると肌が荒れるという場合には毎日内服することで皮膚の症状を改善させる効果を期待できます。

また、この飲み薬と同じ成分で抗ヒスタミン薬の入った点眼薬―たとえば処方薬のアレジオン点眼液やパタノール点眼液などや、炎症を抑えるステロイドの含まれた点鼻薬―処方薬のエリザス、アラミスト、ナゾネックスなども、花粉症の眼、鼻の症状によく処方されます。眼や鼻をこする動作が減るだけで肌荒れは大きく改善しますので、これらの花粉症対策も肌荒れ改善に有効です。

花粉で皮膚が荒れたときの治療法

花粉で皮膚が赤くなったりガサガサした場合には皮膚の炎症をとってあげる必要があるので、ステロイドの塗り薬が効きます。乾燥などにより皮膚が炎症を起こした湿疹の治療法と同じです。ステロイドの炎症を抑える作用によって肌の赤みやガサガサは3−5日程度続けて塗ってあげれば正常なツルツルの皮膚に戻ります。数日~2週間程度であればステロイドを塗っても副作用が出ることはないので心配する必要はありません。ステロイドと言っても塗り薬なので体にはほとんど吸収されませんので、しっかりと十分な量を、完全に正常な皮膚の状態に戻るまで塗りましょう。ある程度赤みが消えたからといって完治しないうちに塗り薬を止めるとすぐに再発します。

また、皮膚をひっかかないようにするのも重要で、治療のうちです。皮膚をひっかくと皮膚の正常なバリアの機能が障害されてしまい、ステロイドをぬってもなかなか改善しなくなってしまいます。かゆくてもできるだけかかないようにして、皮膚を直接指でかくのではなく、せめて服の上から軽くたたいてかゆみを紛らわせるくらいにしましょう。

肌荒れが花粉による症状かどうかわからないときは?

花粉による肌荒れなのか、そうでないかを判断するにはまず症状が出る時期です。診察のときにもまずこれを聞きます。毎年スギ花粉が飛び始める2月頃にかゆみが出現し、顔に赤みがでる場合は花粉による皮膚炎の可能性が高くなります。また、年ごとに花粉の飛ぶ量は異なり、飛散量が多い年に症状が強ければ、さらに花粉が原因となっている可能性が高くなります。

症状が出る場所も特徴的で、ほとんどの場合は衣類に覆われず空気に触れやすい顔に症状がまず出現します。

鼻炎や目のかゆみといったほかの花粉症の症状があれば皮膚のかゆみ、肌荒れも出やすくなるので、ほかの症状があることも手掛かりになります。

採血によるアレルギーテストを行うとスギやヒノキといった花粉症の原因になるアレルゲンに対するアレルギー反応の有無を測定できるので、診断の目安につかうことができます。


花粉による肌荒れ対策には、マスク、内服の抗ヒスタミン薬、点眼・点鼻薬で花粉症予防・治療をしましょう。目や鼻をこすることがなくなるだけでも肌荒れは大きく改善します。また、花粉が付着して赤く炎症を起こしてしまった場合には、皮膚科で処方されるステロイドの塗り薬で短期間早めに治療しましょう。短期間であれば副作用を気にしすぎる必要はありません。予防、早めの治療が肝心です。
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