子育て/育児ストレス解消法

子育てが楽しくない、と悩んでいるママへ!育児ストレス解消法

本屋さんの育児コーナーや、ネットの子育てサイトにあふれている「子育てを楽しもう!」という文字。テレビのCMでも、広告でも、親子が楽しそうに笑っている映像ばかり。でも、それを見てつらくなるママもいます。子育てが楽しくないとき、参考にしてみてください。

福田 由紀子

執筆者:福田 由紀子

臨床心理士/メンタルケア・子育てガイド

子育てって、楽しいもの?

子育てが楽しくない、と悩んでいるママへ!育児ストレス解消法

「泣きたいのはこっちよ!」と思ってしまうこと、ありますよね。

本屋さんの育児コーナーや、ネットの子育てサイトには「子育てを楽しもう!」という文字があふれています。テレビのCMでも、広告でも、親子が楽しそうに笑っている映像ばかり。でも、それを見てつらくなるママもいます。

楽しめるに越したことはない。でも、楽しまなきゃ!と言われると、ちょっとイラッとしてしまう、という人が多いのではないでしょうか。「いいよね、アンタは他人事で」と、毒のひとつも吐きたくなったりして。

いつもいつも楽しいものではない。むしろシンドイ事の方が多いのが子育てで、だからこそ子育てを「楽しい」と思える時間が、余計にキラキラと輝いているように思えるのかもしれません。そんなこともなけりゃ、やってられないというか。そもそも、子育てが万人にとって楽しいものなら「楽しもう!」なんて発想は出てこないかもしれません。
   

子育てが楽しくない?「母性本能」という幻想

女ならば、無条件に子どもをかわいいと思い、適切に養育できる「母性」が生まれながらに備わっている、というのは、「神話」と呼ばれる類の根拠がないものです。

人間も動物のうち。「母性本能」を主張する人は、動物の子育てを例にすることが多いですが、生まれてすぐに立ち上がる動物の子どもと、立ち上がるまで1年近くを要する人間の子どもを同列に語るには無理があります。そもそも、動物界では、そんな子どもは捨て置かれてしまいます。

最近、育児を一手に引き受けてみたパパの「赤ちゃんのお世話ってこんなに大変だったんだ!」という子育てレポートをちらちら見かけるようになりました。意思の疎通もできず、食事から排泄、睡眠まで、常にお世話が必要な赤ちゃんと、24時間ふたりきり、という状況は、本当に大変なもの。それを「女だから本能でなんとかなるだろ」というのは、乱暴過ぎますよね。
 

「仕事を楽しもう!」との共通点

子育てが楽しくない。そういう自分は異常なのではないか。そんなふうに悩むママは、「女なんだから、初心者でも完璧にできるはず」という母性神話を内面化していることが多いようです。乳幼児健診でも、「母親失格」という烙印を押されないために、自分のつらさを打ち明けられず、ひた隠しにしてしまう。

でも、第一子を産んだばかりのママにとっての子育ては、新入社員が、いきなり大きなプロジェクトを任されるようなものです。信頼できる同僚(夫)や経験豊富な顧問(両親)がプロジェクトに関わってくれていたとしても、ブラック企業顔負けの長時間労働。不安もいっぱい、ストレスもいっぱい。支えがないなら、なおさらです。

仕事も子育ても、楽しめるに越したことはありません。はじめは向いていないと思っても、取り組んでいるうちに面白さがわかってくることもあるかもしれません。でも、たとえ自分が長年望んできた状況だったとしても、最初は戸惑いだらけなのが「普通」ではないでしょうか。

初めから完璧にできないのは、どんな物事も同じです。まして、人相手の仕事はマニュアル通りにいきません。
 

子育てに煮詰まったら、自分が楽しめることをしよう

子育てに煮詰まるママたちは「愛情」という、目に見えないものを評価基準にしがちなように思います。

「自分は愛情が薄いのではないか」「ダメな母親なのではないか」……子育ての過程で、そんなことを思ったことがないというママは少数派でしょう。誰しも悩みながら手探りで子育てをしています。ですから、そういう気持ちを吐き出せる場所を作れるといいですね。地域の子育てサークルなどに参加してみるのもいいかもしれません。自分だけではなかったと知ることで、少し肩の力が抜けるかもしれません。

ただし、あくまで、ママであるあなた自身が「楽しいと思えるなら」です。なぜなら、子どもの安心安全感は、ママであるあなたが、幸せだったり楽しかったりすることから育まれるからです。

子育てのことを忘れられる時間を持つのも大切です。友だちとおしゃべりしたり、ショッピングしたり、好きなスポーツをしたりして、「母親ではない、自分自身」に戻れる時間を持ちましょう。

「子どもを預けてまで、自分の好きなことをするなんて」と思いますか? そう思ってしまった人は、どれくらいの期間、自分を後回しにしてきたか考えてみませんか。

子どもを産んでから、何回美容室に行きましたか? 何枚服を買いましたか? ドキッとした人は、さっそく行動に移してみましょう。いつもの風景が違って見えるはずです。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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