人生100年時代はみじめでない倹約を!
長い生涯で、お金が足りなくなることがないように、お金を無駄遣いしないことが必要です。人生100年の時代を迎える今は、なおさらです。しかし、倹約・節約には、見すぼらしい、切ないイメージがあります。ケチ、守銭奴などと呼ばれるのは、ありがたくありません。そこで、誇れる節約とはどんな姿勢なのか、考えてみました。誇れる節約とは、どんな姿勢?
美しい節約の3つのメンタル・モデル
卑屈な思いをすることなく、楽にお金を節約できるには、次のマインド・モデルが有効だと考えます。- 欲望に勝てる自分という信念
- 虚飾に頼らないという自負
- 無形資産に対するこだわり
欲望に勝てる自分という信念
第一に、欲望に勝てる自分という信念です。お金がないから消費を控えるという発想は、欠乏症です。そうではなくて、無駄遣いしないことに、使命感を感じることができたのなら、倹約する自分を誇らしく思えるはずです。たとえば、マイカーなど所有する必要はない。必要な時に、どこかから借りてくればいいだけだ。自分には、所有欲を抑制する自律心を持っていると。
あるいは、広い書斎など要らない。間口45cmのデスクがあれば、勉強はできる。環境や道具のせいにして、自分の不勉強を正当化しない。
満足いく環境が整っていないと実力が出せない、というようなヤワな人間でないことの誇りがあれば、倹約生活も、楽しくなると思います。
虚飾に頼らないという自負
第二に、虚飾に頼らないという自負。流行りのブランド品など、自分は持つ必要はない。機能十分であるノーブランドの商品に劣等感などは感じない。実物大の素の自分だけで、十分な存在感があるという自信。あるいは、最新のファッションなど、興味がない。好感度を上げる、清潔感のある服装だけで、十分。身の丈に合わない高価なものを身につけてまでして、自分を良く見せようなんて、まったく思わない。
こんな風に考えられたら、お金を無駄遣いしないことに、自尊心を保てるはずです。
無形資産に対するこだわり
第三のメンタル・モデルは、無形資産に対するこだわり。消費に対する執着や拘泥が捨てがたいのは、人が物質欲や所有欲を持っているからです。グルメにしても、ファッションにしても、インテリア、マイカーに関しても、目に見える物質や形のあるものに人は価値を感じます。場合によっては、物質に対する欲望は、形のないもの(無形資産)に対する欲望を上回ります。だから、人は名誉ある行動よりも、得する行動を優先するのです。
物質主義、外形優先の姿勢の影響で、自分が犠牲を払って正しい生き方を選ぶよりも、悪名をはせることになっても、物質や金銭を得る方を有利だと判断してしまいます。あなたは違うと思いますが、道端で財布を拾っても、落し物として警察に届ける人の方が少ないのは、徳よりも得を優先して考えているからです。
他人に愛や思いやりを与えることよりも、自分が良い思いをすることを選ぶのも、精神性や内面の美しさよりも、物質欲や金銭欲が優っているからです(エゴ)。しかし、少しでも考えてみれば、人間の価値とは、所有している物質や外形によって測られるのではなくて、内面の思考、人間性、魅力によって決まります。
自分の内面を磨き、内在する無形の資産を優先することは、お金を使ってものを買う、外形を気にするという習慣を抑える効果をもたらしてくれます。 あなたにとって無形の資産とは、どんなものでしょう。
- 自分の人間性
- 自分の知性
- 自分の人脈
- 自分の健康
- 自分の行動力
などなど、いろいろあります。人によって、注目する資産には違いがあります。どんな資産であれ、内在する宝物を重視して、より良い生き方を追い求める心が、自然と美しい倹約につながるはずです。
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