夏バテを引き起こす3つの要因……発汗の異常・睡眠不足・温度差

汗を拭くサラリーマン

カンカン照りの屋外は息が出来ないほどの暑さです……

現在は「夏バテ」という言葉がよく使われますが、夏に体がだるくなったり食欲不振になったりするなど、暑さが原因と思われる体の不調は、古くは「暑気あたり」や「夏負け」などと呼ばれていました。一般的に夏バテの要因は、「発汗の異常」、「睡眠不足」、そして「温度差」の3つにあるといわれています。

人間は汗をかくことで、自分の体温を調節しています。しかし夏になり高温多湿な日が続くと、汗を出す器官の機能がうまくはたらかず、汗をかきにくくなることがあります。そうなると、体の熱を逃がすことができず、体温調節がうまくできなくなってしまうのです。また直射日光の下で長時間過ごすと、汗をかきすぎて、体の水分や塩分が不足してしまいます。こうした「発汗の異常」が、夏バテの原因の1つとなるのです。

さらに真夏は夜になっても気温が下がらず、寝苦しい夜が続いて睡眠不足になりがちです。日中の疲労を睡眠で解消するどころか、ますます疲れがたまってしまうことに……。「睡眠不足」が原因の夏バテも多いのです。

このように、発汗の異常や睡眠不足は、今も昔も夏バテの原因として共通のものです。ところが、3つめの「温度差」は、きわめて現代的な夏バテの原因なのです。
 

冷房による屋内外の温度差が自律神経を乱れの原因に

夏、猛暑ともなると、職場や室内ではエアコンがフル稼働となります。そうなると、室内の温度と外気温との差は極端に大きくなります。この「温度差」こそが、みなさんの体力を消耗させて、夏バテの原因になっているのです。さらに、強い冷房に長時間さらされていると、自律神経が乱れ、だるさや食欲不振などの症状が現れます。こうした点で、現在の夏バテの主な原因は、冷房による外気温との温度差であるといえるのです。

人間の体は冷房が効いた部屋で過ごす時間が長くなると、夏であるにもかかわらずあまり汗を流さなくなり、本来、体が持っている体温の調整機能がうまくはたらかなくなってしまいます。さらに体が冷えやすくなって全身の血行が停滞気味になってしまうと、一段と自律神経系が乱れやすい状態になり、夏バテの悪循環に陥ってしまうのです。

自律神経を整えるには、ぬるめのお湯にゆったり浸かってリラックスするのが効果的です。夏はシャワーですませてしまう人は多いでしょうが、入浴は発汗をうながし、またその後の睡眠にもよい影響を与えてくれます。また規則正しい食事も大切です。卵や肉、魚など良質のたんぱく質、野菜や果物などのビタミン、牛乳や海藻などのミネラルを、少量でもバランスよくとるようにしましょう。
 

冷房による冷えすぎ対策・夏バテ対処法

冷房による夏バテを防ぐためには、まず室内の温度と外気との温度差を5度以内にすることがすすめられています。夏の気温は日によって異なりますが、冷房の温度設定を28度に設定しておけばよいでしょう。28度は「少し暑いな」と感じる温度ですが、真夏の外気温が32~33度を超えることや、適度で自然な発汗が体に必要であることを考えると、もっともよい温度設定だと考えられるのです。

職場など、自由に冷房の温度設定ができない場所で過ごす場合は、できるだけ冷房の風が直接体に当たらないようにしましょう。また薄手のカーディガンを一枚羽織る、首元にスカーフ巻く、薄手の腹巻を着けるなどで、体を冷やしすぎないようしましょう。同様に下半身はスカートよりも長いパンツにする、あるいは室内にいるときだけ、スカートの下にレギンスやサポーター、ハイソックスなどをはくなど、体温調節がしやすい服装をすると効果的です。

高温多湿な日本の夏では、適度に冷房を活用することは、体調管理のうえで必要なことです。特に暑い夏は、熱中症で命を落としてしまうこともありますので、冷房を我慢せずに、適切に活用していくことがとても大切です。快適な室内環境での質のいい睡眠にも、自律神経を整える効果があります。スムーズな眠りにつくため、寝る前に冷房をかけることは有効でしょう。ただし、このときも大事なのは温度を極端に下げすぎないこと。設定温度は28度程度が適温です。人は眠るに少し体温が下がるので、少し暑いかなと感じるほどの温度設定で、冷房のオフタイマーをセットします。オフタイマーは30分程度を目安として、熱帯夜などは2時間ほどにするとよいでしょう(もちろん熱中症リスクの高い夜は、タイマーで切ることにこだわらず、適宜判断しましょう)。冷房の風向きは体に当たらないようにすることが大切です。扇風機を使う場合も同様です。
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