雅や冴など「牙」という漢字を名付けに使っても大丈夫?
「牙」という漢字を名付けに使っても大丈夫?
A: おっしゃる通り牙の字は4画、5画の2つの書き方があり、名前に使えるのは4画の字だけです。
このように漢字はいくつもの書体(書き方)があり、書体によって当然画数も違ってきますが、それよって意味が変わるということはありません。牙の字のもとの意味は歯であり、日本ではキバの意味で使われてきました。
牙の字に良くないイメージを持つ人もいる
タイガという名は寅(とら)年にちなんでつけられることも多く、大雅、大駕などの字が人気です。もちろんガの音に牙の字を当てることもできますが、ただし牙は滅多に名前に使われることは無い字です。牙の字は初めは人の歯を描いた象形文字で、中国では歯の意味であり、歯科のことを牙科(ヤーコ)、歯科医のことを牙医(ヤーイー)などと書きます。牙の字から芽(歯のように伸びる芽)、冴(歯のように白くて純粋)、雅(よくかみくだく)という良い意味の字も作られています。
ただし牙の字は日本では野獣を連想させ、「牙をむく」という言い方もあるので嫌う人も多いですし、多くの日本人にとってはイメージの良くない字でもあり、タイガという名前の場合も含めて、人の名前に使う人があまり無いということは知っておいて下さい。
漢字の意味とイメージは違うことがある
漢字は元の意味は悪くなくても、あまり名前に使われない字もあります。たとえば「茄」は植物のナスを意味しますが、日本語のナスという音からあまり良い言葉を連想できないため、この字は名前にはほとんど使用されません。また「嵐」は元は山のそよ風を表す字でしたが、日本では暴風雨の意味で使われてきたため、やはり子供の名前に使おうという人はあまり居ません。逆に元の意味があまり知られていないために、抵抗なく使われる漢字もあります。たとえば「欧」の字は、ヨーロッパを漢字で欧羅巴と表現したことから、誰しも欧州という連想に繋がり、人名にも入れられ、日常ごく自然に使われています。
ただ元の成り立ちは区(かたまり)と欠(口をあけること)を合わせ、口から物を吐き出すことを表します。もちろんそんなことを知ったらヨーロッパ人もいやでしょうが、今では誰しもヨーロッパの意味でしか使いませんので何の支障も起きません。
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