入学・進学前にSNSで友達を作る行為には問題はないのだろうか
入学前につながりたい子どもたち
入学・進学をひかえたときは、多くの学生が期待と不安でいっぱいになるものです。しかし、今は入学前にSNSで同じ学校に入学する人を見つけてつながり、交流する例が増えています。使われるツールは、以前はmixiが有名でしたが、今はTwitterやLINEが主流です。「#◯◯に入る予定の人RT」「#春から◯大」「#◯大」などのハッシュタグが使われているだけでなく、プロフィールに「春から◯高校入学予定」などと書いている子もいます。自分から検索して積極的につながる子もいれば、話しかけられてつながり、交流を始める子もいます。
Twitterでは「#春から◯大」の投稿が多くみられる
入学前トラブルで入学後も険悪に
進学・進級前からつながることには、どのような問題があるのでしょうか。SNSのように文字を中心としたやりとりは大人でも難しく、特に子どもはトラブルになりがちです。ちょっとした行き違いからトラブルとなり、クラスのLINEグループが悪口だらけになって、入学後もしばらく険悪だったという話も聞きます。
また、ネットでのやりとりだけでは相手のことは完全にはわかりません。「かっこいいと思っていた子が実際はそうでもなかった」「元気な子と思っていたのに、実際に会ったら大人しかった」など、ネットとリアルではギャップがあることも多いようです。
その他、名前や春から通う学校名、年齢などの個人情報を不特定多数に向けて公開することになるため、個人情報を悪用されるリスクも出てきます。
安心感や情報が得られるメリットも
入学前から友達を作ることには、もちろんメリットもあります。同じ学校に行く知り合いがいなくても、入学前から知り合いがいれば心強いものです。あらかじめやりとりをしておくことで、入学後すぐに友達ができたり、新生活にも馴染みやすいというメリットは大きいでしょう。入学前に入学予定者同士でカラオケに行って盛り上がり、新生活がスタートする前に友達ができたという話も聞きました。
また、地方から上京する場合に、SNS上のつながりから不動産情報や周辺のおすすめの駅などの情報を得て、物件を決めることができたという話も聞きます。このように、遠くにある学校に通うことになる学生には、情報が得られる貴重な場となるでしょう。
入学・進級前からSNSでつながったり交流することは、悪いことばかりではありません。しかし、実際の新生活は入学・進級後に始まります。
- SNSでのやりとりに頼りすぎず、リアルなコミュニケーションを重視する
- 公開範囲を限定して個人情報を出しすぎないようにする