見つけた植物の名前を知りたい! 植物図鑑は、どう使ったらいいの?
小学館の小林由佳さんです
植物図鑑は、身近なようで、いざ調べようと思うと、ひき方が分からずに戸惑う方も少なくないようです。
そこで、大人気の図鑑シリーズ小学館の図鑑NEOの、『花』を編集された小林由佳さんにお話を伺いました。
「まずは、バババーッとめくってみることです。これかな、と思うものがあったら、解説を読んで、調べたい植物と本当に同じものか確かめてみてください」と小林さん。
図鑑をめくって、よく似た植物が見つかったら、解説を読み、当てはまるかどうか考える― この作業を繰り返すことで、図鑑のどこにどんな植物が載っているかが頭に入ってくるので、少しずつ、あたりをつけて楽にひけるようになります。
花の大きさや付き方、花びらの数、葉の形や厚さ、茎の形、実の様子など、特徴が分かると、調べやすくなります(写真はアカツメクサです)
まずは、植物を見て調べるということを地道に繰り返すのが、植物図鑑を使いこなすポイントなのかもしれません。
大人気の図鑑、NEOの『花』と『植物』はどう違うの?
(1)分類・技術・デザインと、最新を盛り込んだ『花』
人気のシリーズNEOの中で、『花』と『植物』、どちらを使ったらいいのか迷う方も多いよう。まずは、新しい植物図鑑として話題を呼んでいる『花』をご紹介します。『花』(小学館の図鑑NEO)
『花』を開くと、まず、そのツメ(インデックス)に驚かされます。「公園の植物」「春の山の植物」など、季節や場所が書いてあることの多い位置に、「キク科」「バラ科」など植物の分類が記載されているのです。
それは、『花』が最新のDNA分類(APG分類体系)を採用しているから。DNA分類を用いることで、同じ「なかま」が一覧でき、特徴や共通点がパッと理解できます。また、「目」や「科」といった概念を掴みやすく、同じように作られている大人の図鑑への移行もスムースです。
また、イラストではなく写真を多用しているのも『花』ならでは。スタジオではなく植物の採取場所で、即撮影したのだそうです。切るとすぐに元気がなくなってしまう花の図鑑で、写真をメインにすることは、かつては不可能と言われていたとのこと。『花』は、今の技術が活かされた図鑑なのです。
『花』は、小林さんの「今の子どもたちに読んでもらいたい図鑑、様々なメディアに触れている今の子どもたちがいいなと思える図鑑を目指しました」という思いが伝わってくる、勢いのある図鑑です。