65~69歳男性の就業率は5割超え

定年後も家計のために働きたい人が多い。

定年後も家計のために働きたい人が多い。

超高齢化社会になった日本では、人口のおよそ3割が高齢者で、かつ平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳(2016年)。こういったなか、65歳で定年といっても、「年金だけではお金が足りないから働きたい」または「まだまだ元気なので、社会と接点を持ってイキイキと生きたい」といった人が増えています。

2017年の総務省「労働力調査」によると、高齢者の就業者数は14年連続で増加し、807万人と過去最多に。なかでも65~69歳の就業率は男性だと54.8%、女性が34.4%と、定年後も多くの人が働いていることがわかります。

65歳以上でも雇用保険に入れるように。そのメリットは?

このような労働状況の変化にともない、雇用保険の制度が見直しされました。これまでは、年金受給がはじまる65歳を過ぎてから新規で雇用保険加入をすることはできませんでしたが、2017年1月の制度改正で、65歳以上でも新規加入が可能に。でも、そのメリットって?とピンとこない方も多いと思いますので、ご説明したいと思います。

雇用保険に加入し半年以上働くと、失業給付が受給できるように

今回の制度改正により、2つの要件(※)を満たせば、65歳以上でも雇用保険に加入ができるようになりました。雇用保険に半年以上加入をしていれば、被保険者である期間に応じて失業給付(高年齢求職者給付金)がもらえます。この失業給付がもらえるのが大きなポイント。

「でも失業給付をもらうと年金支給がストップされるのでは…?」という点については心配ありません。そのルールは60歳~64歳で支給される「特別支給の老齢厚生年金」に適用されるもので、65歳以上であれば失業給付と年金の両方をもらうことができます。

※(1)週の所定労働時間が20時間以上あること。(2)31日以上の雇用見込みがあること

失業給付は具体的にいくらぐらいもらえる?

雇用保険の被保険者期間が半年以上1年未満で、失業給付は30日分、1年以上なら50日分を一時金として受け取れます。例えば、月給12万円で1年以上働いたとします。月給12万円だと賃金日額が4000円。この賃金日額の8割(3200円)が失業給付の日額となります。1年以上働けば失業保険の日額×50日分がもらえるので、この例では16万円が受け取れるということになります。

さらに、以前は離職後の失業給付は1回のみでしたが、制度改正後は失業給付回数の上限がなくなり、離職・求職活動をしたうえで要件を満たしていれば、給付金が何度でも受けられるようになりました。

雇用保険料の支払いは?

これまでの雇用保険では、満64歳以上の人は雇用保険料が免除。しかし65歳以上では新規加入ができませんでした。制度改正後は、年齢制限が撤廃される代わりに、何歳でも保険料の支払いが必要に。ただし2019年度までは保険料が免除となります。

雇用保険に入ると介護給付金の対象にも

失業給付だけがメリットではありません。例えば65歳以上の女性が働いているときに、夫が病で倒れたとします。その場合、要件(※)を満たせば、介護休業を取得でき、また休業に伴い「介護給付金」の支給を受けることができます。

※(1)雇用期間が1年以上あること(2)1週間の所定労働時間が3日以上あること

今回の制度改正により、定年後も働きたいという人が安心できる仕組みができました。65歳以上で定年だから…と考えている方も、もう少し働いてみるのはいかがですか?

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