日本年金機構ではマイナンバー取り扱いが一度は見送られた

年金機構もマイナンバー取り扱い開始

年金機構もマイナンバー取り扱い開始

マイナンバーの制度自体は2016年1月から始まっており、マイナンバーカードの 発行を済ませた方もいらっしゃるかと思います。また、ハローワークや税務署などではすでに届書などへの記入が始まっています。

当初は日本年金機構でもマイナンバーを取り扱う予定だったのですが、2015年5月に発生した不正アクセスによる情報流出事故を受け、その取り扱いが一度見送られた経緯があります。

その後、個人情報に関するセキュリティ対策が一定の水準に達したとして、2017年1月から取り扱いが開始される運びとなったのです。

マイナンバー取り扱い開始で何が変わるの?

マイナンバーが取り扱い開始されるといっても、当面は特に変わるところはありません。一つだけ、これまで年金事務所などにおける年金相談の折には基礎年金番号が使用されてきましたが、今後はこれに加え、マイナンバーでも年金相談を受けることができるようになります。基礎年金番号での相談は従来通りできますので、このためにマイナンバーをわざわざ用意することはしなくてもよさそうです。

2017年4月になると、年金の請求書をはじめとした年金関連の届出書にマイナンバーの記入が始まる予定です。届出書にマイナンバーを記入することにより、以下のようなメリットがあります。
  • 生存確認及び生年月日を証する書面としての戸籍抄本や住民票の添付が必要なくなる
  • 受給者の住所変更が自動で行われる
  • 年1回の生存確認のためのはがきのやり取り(「現況届」)が必要なくなる
ただし、これらは今回初めて実現したメリットではなく、従来も「住民票コード」を届出書に記入することにより、同様のメリットを受けることができていました。今回はこの住民票コードがマイナンバーに置き換わっただけ、ということもできます。

また、年金の請求手続きなどの際は戸籍や住民票などが必要になるケースが多いのですが、マイナンバーにより省略できるのはごく一部で、手続きに必要な書類についてはほぼこれまで通りといえます。

マイナンバー記入により省略できる書類は、具体的には独身の人など加給年金や振替加算がつかない人が添付する住民票などのみであり、加給年金、振替加算が発生する人の手続きに必要な戸籍や住民票は相変わらず添付しなければなりません。ここについても従来の住民票コードによる取り扱いと同じです。これら添付書類の省略については今後対応していく予定となっています。

日本年金機構が持っていない情報をマイナンバーから入手し、年金額の計算に利用することは現時点ではありませんので、マイナンバーが取り扱い開始されるといっても、実際にはほとんど何も変わることはないといえると思います。

マイナンバーを記入することは義務なの?

年金の請求書にマイナンバーを記入する欄は2か所あります。

  1. 日本年金機構にマイナンバーを届け出るための欄
  2. 扶養親族等申告書(年金から引かれる税金に関する書類)

1.については日本年金機構が年金支給のために利用するマイナンバーであり、これまでの住民票コードに相当するものです。住民票コードは記載が任意とされ、日本年金機構側では記入がなくても書類を受け付けていました。ここからすると、マイナンバーも義務とまではされず、記入しなくても受け付けてもらえる可能性は高いと思われます。

2.については税務署が年金から税金を差し引くために利用するマイナンバーであり、税務署の取り扱いに準じて記入の義務があります。日本年金機構では未記入では受け付けてもらえない可能性が高いと思われます。年金から税金が引かれない人や在職中の人はそもそもこの書類は提出の必要がないのでかまわないのですが、在職中でもなく、年金から税金が引かれる人は提出しないと年金から引かれる税額が多くなってしまいます。確定申告で取り戻すことができますので、どうしても記入したくないという場合はこの書類を提出せず後日の確定申告を検討しましょう。

年金事務所にマイナンバーを届け出るときの注意点は?

年金事務所に限りませんが、マイナンバーの提供には厳格な本人確認が必要となります。マイナンバー提供の際の本人確認は、次の2段階になっています。

  1. 番号が適正なものかどうかの「番号確認」
  2. 番号を持っている人が本人かどうかの「身元確認」

1.については、確認できる書類が決まっています。具体的には次の通りです。
  • マイナンバー通知カード
  • マイナンバーカード
  • 住民票(マイナンバー記載あり)
 
2.については原則として写真付きの証明書が必要です。具体的には次のようなものが考えられます。
  • マイナンバーカード
  • 運転免許証
  • パスポート
など

写真付きの証明書がない場合は写真無しの証明書2種類で代用できる場合があります。

本人確認ができない場合は手続きが進みませんから、必ず確認できる書類を持参するようにしましょう。

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