旅館

冬限定!果物浮かぶ「フルーツ温泉」が楽しめる宿(2ページ目)

菖蒲湯に柚子湯。古来より日本人は、季節の変わり目に植物や果物を湯に入れて温浴を楽しんできました。他にも薬草やバラの花を入れる風呂も多くありますね。今回おすすめするのはフルーツ温泉。冬に旬を迎えるフルーツを浮かべた温泉が楽しめる宿を2軒。良い香りに包まれながら冷えた体をジックリと温めてくださいね。

山田 祐子

執筆者:山田 祐子

旅館ガイド

ばんぺいゆ風呂「日奈久温泉 金波楼」

2軒目の宿は、熊本県は八代市にある日奈久(ひなぐ)温泉の「金波楼(きんぱろう)」。日奈久温泉は、古くは細川藩の藩営の湯として栄えた開湯600年の歴史を誇る温泉場で、いまでも木造旅館や湯治場の風情が残る長閑な温泉場です。

日奈久温泉駅は、九州新幹線新八代駅からローカル線に乗り換え20分で到着。「金波楼」は、創業100年を超える老舗宿。三階建ての木造旅館は、その昔、八代海に沈む夕日に映えた金色の波が展望できたことから、宿の名がついたといいます。国の有形文化財に指定されています。

冬至といえば柚子湯ですが、日奈久温泉旅館組合の宿では、12月中旬から1月まで、八代名産の「晩白柚(ばんぺいゆ)」を風呂に浮かべた「晩白柚風呂」が楽しめます。(金波楼だけは3月末日まで)
金波楼

木造三階建ての金波楼

香りさわやか!まんまるボールがプ~カプカ

館内は、飴色に磨かれた階段に廊下。大浴場へは、その心地よい軋む音を聞きながら向かいましょう。扉を開けると、湯気とともに晩白柚のさわやかな香りが鼻をくすぐります。湯船にはドッヂボールくらいの黄色い晩白柚がプカプカプカ。泉質は、単純泉のやわらかな湯。晩白柚をなでなでしながら、何だか気分も楽しくなります。

晩白柚とは、世界最重量のかんきつ類としてギネスブックにも登録される大きなミカン。温泉街の果実店でも販売されているのでお土産にしてもいいですね。皮を包丁で切ると実が分厚いワタに包まれています。皮はオリジナル石鹸の素に、ワタは砂糖菓子になるといいます。身の詰まった大きな房は、甘くて酸味もほど良く、見かけによらず食べやすいのです。
金波楼

晩白柚が浮かぶ金波楼の大浴場

日奈久温泉のもう一つの名産は「ちくわ」。温泉街に入ると狭い路地に店舗が並び、すり身の天ぷらを揚げるいいにおいが漂います。猫を引き連れて温泉街を散歩するのも楽しいですよ。

いい香りに、かわいい姿。思わず自慢したくなるようなフルーツ温泉。冬限定の温泉を味わいに出かけてみませんか?

金波楼
■住所 〒869-5134 熊本県八代市日奈久上西町336-3 
■電話 0965-38-0611
※金波楼の「ばfんぺいゆ風呂」は、12月初旬~3月。他の旅館組合の施設は1月まで。

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