日本の戦争が終わってから70年あまり経ちましたが、私たちの世代や若い世代には遠い過去のように感じられる第二次世界大戦も、その後の社会変化も、長い歴史のなかでみればほんの短い一瞬に過ぎないのかもしれません。

戦後の復興期のなかで昭和25年に制定された建築基準法ですが、いまだに法42条2項の道路認定(昭和25年当時において建物が建ち並んでいた幅の狭い道路を建築基準法上の道路として認定すること:地域により適用時期が異なります)をめぐって問題が生じることもあります。

つまり、過去数十年にわたり、そこに接するいくつかの敷地で一度も建築確認の申請が出されたことのない道路が存在するということでしょう。

また、昭和26年に制定された国土調査法により始まった地籍調査も、平成27年度末現在で調査が必要な面積のうち51%が完了したに過ぎません。調査が最も遅れている京都府では、わずか8%にとどまっています。

それでも平成15年度末時点で2%だった大阪府は、平成27年度末に10%となっていますから、調査のスピードは増しているようです。当初の予定ではすでに全国で終わっているはずの調査なのでしょうが……。

さまざまな住宅・土地政策をみても、いまだに戦後の住宅難の時代の名残のようなものがあるほか、終戦直後の利用形態が大きく影響を残している土地問題も少なくありません。

ところで、みなさんは日本の国土面積のうち、いったいどれくらいが「宅地」(住宅地や商工業用地など)なのかご存知でしょうか?

大都市圏に住んでいるとなかなか実感できませんが、国土交通省がまとめた資料によれば国内の宅地面積は、国土面積のわずか5.1%(平成25年現在)に過ぎないようです。

バブルの頃、盛んに土地不足が叫ばれていたのはいったい何だったのだろうとも感じますが、国土面積の20分の1の「宅地」だけみても、各種の情報が完全に整備されるまでにはまだ長い年月がかかるでしょう。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2007年1月公開の「不動産百考 vol.7」をもとに再構成したものです)


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