掃除機をかけるなら窓を閉めて!
掃除機は窓を閉めてかけていいの?
けれども、その知恵や流儀がかならずしも今の住宅事情や生活環境に合致しているかといったら、ときどき疑問符が浮かぶのです。正しい? 正しくない? 正しくないわけじゃないけど、正しいともいえない。何故でしょうか。
お家お掃除のイメージ通り、晴れた日に窓を開けてとはいかない
例えば「おうちのお掃除」と聞いて、あなたはどんな光景を思い浮かべるでしょう。「晴れた朝、広い家、ありったけの窓を開け放し、澄んだ空気が流れるなか、エプロン姿のママが、はたき、ほうき、雑巾を持って、掃除機も出して、パタパタ、ガーガー……」
ディティールはさておき、CMのような、
・時間帯は、午前中
・天気は晴れ
・真っ白い洗濯物が庭にはためく
なんていう感じの爽やかなイメージが浮かぶのではないでしょうか。
現実のお掃除は窓を閉めてなるべく静かに
日が暮れて、自宅に戻って、やっと掃除ができる……
それに掃除に伴う音への遠慮や、外からの目線などが気になり、戸建でも建物が密な地域だったり、マンションなどの集合住宅では、窓を開け放つのもなかなか難しいもの。超高層マンションなどではそもそも家中の窓を開け放つこと自体想定されていません。
ですから、できるだけ静かに、時間や曜日を選ばず、窓も閉めたままお掃除したいのが生活者としてのリアルなニーズにあり、実際のお掃除シーンはイメージのそれとは大きく異なることが多いわけです。
掃除法を見直そう!
1.お部屋の片付け2.ハタキがけ
3.掃除機がけ
4.棚の拭き掃除
5.床の拭き掃除
疑いなき昔ながらの掃除法。でも今、実際にこの流儀で掃除を行うと、住まいは、むしろ汚れてしまう可能性が高いのです。それは何故なのでしょう?
ハタキで、パタパタ……
2.ハタキがけでは、咳き込んでしまうことさえあるかもしれません(そもそも最近では普通のハタキを店で見る機会もないかもしれません。あまりホコリの立たない静電気式のハタキもハタキというよりモップの風体ですし)。
それから3.掃除機がけをしてホコリを吸い取ろうとするわけですが、床に落ちきれず舞い上がったままのホコリは掃除機の排気により再度舞い上げられ部屋中に行き渡ってしまいます。この一度舞い上がってしまったホコリは、なかなか落ちてきません。
ですからそのまま、4.棚の拭き掃除 5.床の拭き掃除を行ったところでお部屋の空気は、むしろお掃除前よりも汚れている状態だというのは明らかですよね。
さらにこのホコリが棚や床に落ちてくる数時間後には、お部屋はまたホコリで覆われてしまうことになり、せっかくの拭き掃除は無駄に帰してしまうというわけです。
「それなら、窓をちゃんと開けて換気をしてさえいれば、大丈夫ってこと?」
でも窓って、お掃除が終われば速やかに閉めてしまうものではないでしょうか。
そうなるともう舞い上がったホコリの逃げ場はありません。お部屋の空気は、ホコリを含んだまま半日も澱み続けるわけです。ただし微細な(身体に悪い)ホコリは基本、目に見えません。これを「掃除した、もうキレイ」な状態と称しているんです。ちょっと……怖いですよね。
効率的なお掃除方法とは?
「拭き掃除が先!」
今もっとも効率的かつ健康的である正しいお掃除法をいうならば、
1.棚やモノの拭き掃除
2.お部屋の片付け
3.床の拭き掃除
4.掃除機がけ
という順序に、プロセスを変更したものになります。
またホコリ舞わせ続ける要因になってしまう澱んだ空気を綺麗にするには、4.掃除機がけのあと5.換気として単独でシッカリ行うのがベストといえるでしょう。
このタイミングであれば掃除機をかけながらではないので、騒音を気にする必要がない点にも、注目。自然換気だけではなく、換気扇や空気清浄機をしっかり回すタイミングも、同じです。
この方法はいわゆる「王道」ではありませんし、もしかすると心理的に違和感のあるプロセスになるかもしれません。でも今の暮らし方や住宅事情においては、これが「正解」であるというのがガイドの考えです。
「どれだけお部屋の中の空気にホコリがあるか」を考え、常に意識すること。
お掃除をするときには、床だけを見ずお部屋を3次元で捉えること。
「床は『お部屋の空気ごと』掃除する」こと。
空気が綺麗な部屋は、決して汚れないのです。
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