デミオ、CX-3をアップデート

マツダ・CX-3

CX-3のボディサイズは全長4275×全幅1765×全高1550mmで、1550mmの高さ制限のある機械式立体駐車場に対応する。今回はデザインに変更はなくボディカラーや装備の変更などが主になっている


マイナーチェンジやフルモデルチェンジという機会にとらわれずに、商品改良により、常に新しい技術を市販車に投入するという考え方を採用しているマツダ。

イヤーモデル(年次改良)が多い輸入車などではお馴染みの手法だが、マツダの場合は、改良の内容もきめ細かく、商品性を高めることで、ブランド力の維持を図る施策だ。

かつてマツダ車には、下取り価格や買い取り価格が下落してしまうため、マツダ車からマツダ車に乗り替えなければならない「マツダ地獄」という言葉もあった。しかし近年はブランド力(商品力)向上に注力し、そして業績向上に寄与するはず!! という信念が実を結んでいるといえるだろう。

走りの質感をアップ

マツダ・デミオ

マツダ・デミオのボディサイズは、全長4060×全幅1695×全高1525mm。ホイールベースは2570mmで、Bセグメントの中でも全長とホイールベースが長めになっている


さて、2016年秋にコンパクトカーのデミオ、コンパクトSUVのCX-3が商品改良を受けたのでご報告したい。

デミオ、CX-3ともに内・外装の変更は小幅で、デミオは主に走りの質感、とくに静粛性や快適性の向上、安全面を含む最新装備へのアップデートが中心になっている。

走りでは、アテンザやアクセラ、新型CX-5にすでに搭載されている「G-ベクタリング・コントロール」をデミオ、CX-3ともに全車に標準装備された。ステアリング操作に応じてエンジンの駆動トルクを高精度で制御することで、ハンドリングを向上させるもので、とくに雪道など滑りやすい路面で効果を発揮するという。

アテンザ、アクセラでも新旧を乗り比べたことがあり、より自然なコーナーワークや加速フィールであることを確認済みだった。今回もデミオ(ガソリン車)で新旧モデルを乗り比べてみた。

さらに、新しくなったデミオ、CX-3ともに電動パワステの制御が見直され、初期応答性の手応え感が増したこともあって走りの印象はかなり異なる。

国産コンパクトカーの中にはあまりにもパワステの手応えがないモデルも少なくないが、最新のデミオやCX-3からは感じられず、首都高速などでも安心してステアリングを握ることができた。また、両モデルともに、足まわりも見直すことで乗り心地の改善を得ているほか、とくに印象的だったのが静粛性の大幅な向上だ。

静粛性向上に車格が上がった?

マツダ・デミオ

デミオの価格帯は、1.3Lのガソリン車が135万~194万4000円、1.5Lのディーゼルが178万2000円~222万4800円。特別仕様車などをのぞき、MT、ATを設定しているのも特徴だ


デミオでは、エンジンルームやダッシュインシュレーターと呼ぶ前席前方の騒音源になる場所に吸音材を追加し、ディーゼルエンジン仕様ではシリンダーブロックカバー、ターボの下にある遮音カバーにも吸音材を採用。さらに、ガソリン車にはディーゼル車で採用済みのフロントの遮音ガラスも展開されているという。後方から侵入する高周波ノイズにも吸音材で対応するなど、車内の静粛性向上に余念がない。

先述したように、新旧を乗り比べたデミオで最も印象的だったのが、「G-ベクタリング・コントロール」とパワステ制御変更により操縦安定性の高さ、そして明らかに静かになった車内の快適性で、車格がワンランクアップしたかのような気分になるから驚きだ。フォルクスワーゲン・ポロやプジョー208など、欧州Bセグメントを含めたコンパクトカーの中でも静粛性の高さはトップクラスにあるだろう。

ディーゼルエンジン車は、デミオ、CX-3ともにノック音の低減、加速中のエンジンサウンドの質を高めるべく「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」が採用されている。

こちらも新型CX-5、アテンザ、アクセラでお馴染みだが、ディーゼルエンジン特有の「カラカラ」、「ガラガラ」といったノック音の原因を突き止め、大きな音の波を起こしている周波数の振動を抑えるべくまず「ナチュラル・サウンド・スムーザー」で吸収、減衰させ、残りの波を部品の共振による周波数ピークを打ち消すことでノック音低減を図るというもの。

CX-3のディーゼルエンジン車に試乗したところ、アテンザやアクセラよりもやや大きめだったこうしたノック音が大きく低減したのは間違いなく感じられた。また、CX-3で指摘されていたという乗り心地の改善も図られていて、G-ベクタリング・コントロールの採用もあり、よりフラットライドになっていたのも朗報だ。これならロングドライブでドライバーも乗員もより快適に移動できるし、長距離でも疲れを誘わないはず。

安全装備にも最新技術を投入

マツダ・CX-3

CX-3は1.5Lのディーゼルのみ。価格帯は237万6000円~306万6400円(特別仕様車含む)


安全面では、デミオに中高速域でも作動する衝突被害軽減ブレーキの「スマート・ブレーキ・サポート」、約30~100km/hでの自動追従走行を可能にした「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」の設定、さらにハイ/ロービームを自動で切り替える「アダプティブ・LED・ヘッドライト」の採用など、最新技術を用意。

CX-3も歩行者検知が可能になった「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」、デミオ同様に「アダプティブ・LED・ヘッドライト」の搭載、交通標識認識システムなどが設定されるなど、安全性の向上が図られている。

商品性向上となると、フルモデルチェンジやビッグマイナーチェンジなどの機会が注目を集めるのは当然だろう。しかし、マツダのように絶えず商品改良を行うことで、最新技術が搭載されたフレッシュなモデルを買うことができる。デミオ、CX-3(とくに、同じ日に同じコースで新旧の乗り比べができたデミオ)ともに「本当に変わったの?」という当初抱いていた疑いを払拭してくれた。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。