高齢者の家庭内事故は、交通事故よりも多い!?

家の中は、危険がいっぱい!?

家の中は、危険がいっぱい!?

最近、高齢者の交通事故がニュースになることが多いですが、実は、交通事故よりも家庭内での事故の方が多い、ということをご存知でしょうか? 「平成28年版高齢社会白書」によると、65歳以上の事故発生場所で、最も多いのは、「住宅」77.1%でした。次いで「民間施設」8.2%、「一般道路」6.9%となっていて、ダントツで住宅内の事故割合が高くなっています。屋内の事故発生場所で最も多いのは、「居室」45.0%、次いで「階段」18.7%、「台所・食堂」17.0%でした(下のグラフ参照)。

(出典元)平成28年版高齢社会白書より(クリックすると拡大表示されます)

(出典元)平成28年版高齢社会白書より(クリックすると拡大表示されます)


そういえば、部屋の入口の段差やカーペットなどの縁につまずいたり、階段を踏み外してしまうなど、普段何気なく過ごしている場所で転んでしまう、というケースが多いと聞きます。転んだ拍子に頭や腰を強く打ったり、骨折をしてしまったことが原因で、介護状態になってしまうこともあります。実際、要介護になる原因として、「骨折・転倒」が4位に挙げられていますので、家の中とはいえ侮れません。
【要介護になる原因】
1位:脳血管疾患(脳卒中等)
2位:認知症
3位:高齢による衰弱
4位:骨折・転倒
5位:関節疾患(リウマチ等)
(生命保険文化センターHPより)

介護リフォームとは?

介護リフォームで日常の動作をしやすくできる!

介護リフォームで日常の動作をしやすくできる!

近年建てられている住宅は、始めから部屋や廊下の段差がなかったり、階段やトイレ、お風呂などに手すりが付けられていることが多いですが、築年数が古い家は、手すりもなく、いたるところに段差がある場合が多いです。そこで、手すりの設置や段差の解消など、バリアフリー改修をすると、家の中を安全に移動しやすくなり、介護の予防や、将来介護が必要になった場合も、介護をしやすい家にすることができます。

介護(バリアフリー)リフォームを支援する制度としては、公的介護保険による介護リフォームの給付や、国や自治体が実施している介護(バリアフリー)リフォーム減税、補助金制度があります。

公的介護保険からの給付

要介護者等が、自宅に手すりを取付ける等の住宅改修を行う場合、所定の手続きをすることで、実際の住宅改修費の8割または9割相当額が介護保険から支給されるしくみです。支給限度額は、原則1回限りで20万円です。支給の対象となる住宅改修の種類は、下の表をご覧ください。例えば、玄関や階段、トイレ等に手すりを取り付けるのに、合計15万円かかったとしても、介護保険の自己負担割合が1割の人であれば、1万5千円の自己負担で良いことになります。

生命保険文化センター「介護保障ガイド」を元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)

生命保険文化センター「介護保障ガイド」を元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)


注意する点は、原則、リフォーム工事の前に、自治体に住宅改修が必要な理由書等を添えて、申請書を提出する必要があることです(*)。工事完成後に、領収書等を提出することで、自己負担分以外の金額が給付される償還払いとなっています。 (*やむを得ない事情がある場合には、工事完成後の申請も可能。)

また、独自に介護リフォームの補助金制度を設けている自治体もあります。リフォーム工事を検討している方は、お住まいの地域で利用できる補助金制度があるかどうかご確認ください。工務店等に補助金制度について相談されるのもよいでしょう。
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(平成28年度)

介護リフォーム減税

省エネリフォームも一緒に行うと、部屋の温度差も解消されて、介護予防にもなるよ!

省エネリフォームも一緒に行うと、部屋の温度差も解消されて、介護予防にもなるよ!

省エネリフォーム減税同様、条件を満たした介護(バリアフリー)リフォームをした場合、所得税や固定資産税の減税を受けることができます(いずれも、合計所得が3千万円以下の人が対象)。

所得税の減税「投資型減税」(手元資金やローンを組んで一定のリフォームをした場合)

住宅の要件や対象となる工事は、以下のとおりです。
国土交通省住宅局「マンガでわかる住宅リフォームガイドブック」を元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)

国土交通省住宅局「マンガでわかる住宅リフォームガイドブック」を元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)


【控除要件】
●控除期間:1年(改修後、居住開始した年の分のみ)
●制度期間:改修後、平成31年6月30日までに居住開始日
●控除額:工事費用等の10%(平成26年4月1日~平成31年6月30日の場合)
●最大控除額20万円 
対象となる工事は、公的介護保険による給付と似ていますが、補助金等を差引後の工事費用が50万円超(税込)である必要があります。また、要介護(要支援)認定を受けていない50歳以上の人でも、要件に該当すれば減税制度を利用することができます。

所得税の減税「ローン型減税(バリアフリー改修促進税制)」

返済期間が5年以上あるローンを組んで介護リフォームをした場合に利用できます。住宅の要件や対象となる工事は、投資型減税の場合と同じです。
国土交通省住宅局「マンガでわかる住宅リフォームガイドブック」を元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)

国土交通省住宅局「マンガでわかる住宅リフォームガイドブック」を元にガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)


控除額は、上の図をご覧ください。A:対象となるバリアフリー工事費用(補助金等を除く)で、5年間最大25万円(ローンの年末残高250万円まで、2%の控除率なので、1年で5万円)、B:A以外の工事費用に関するローンについて、5年間最大37.5万円(750万円まで、1%の控除率なので、1年で7.5万円)ですので、合計で最大62.5万円まで控除を受けることができます。廊下などの幅を広げたり、浴室やトイレの改良などをまとめて行うと、工事費も高くなるので、こうした控除が受けられるのは助かりますね。

このほか、返済期間10年以上のローンを組むリフォームでは、従来の住宅ローン減税を利用できる場合もあります。50代の方など、定年前に大規模リフォームを予定する方は、バリアフリー改修も行うことが多いと思います。ライフプランを作りながらリフォームに充てられる費用を考えると同時に、どの制度を使うとお得になるか、比較することもお勧めします。

固定資産税軽減

バリアフリーリフォーム減税の対象となる工事を行い、補助金等を除いた改修工事費が50万円超の場合、リフォーム工事が完了した年の翌年度分、家屋に対する固定資産税額の1/3(100平方メートル相当分まで)、軽減してもらうことができます。
・工事完了時期:平成30年3月まで
・工事完了後、3カ月以内に所在地の市区町村に申告する必要があります。
【住宅等の要件】*所得税の減税制度とは、要件が異なるので、ご注意ください。
A:築10年以上の住宅(賃貸住宅を除く)
B:次の(1) ~(3)のいずれかが居住する住宅
(1)65歳以上の者 (2)要介護または要支援の認定を受けている者 (3)障がい者
C:改修工事後の床面積が50平方メートル以上

住宅ストック循環支援事業(最新の支援制度)も要チェック!

介護リフォームにもいろいろな支援制度があるね!

介護リフォームにもいろいろな支援制度があるね!

平成28年度第2次補正予算で、「住宅ストック循環支援事業」が新設されました。これは、耐震性や省エネ性を備えた住宅に改修等をすることで、国がその費用の一部を支援する補助制度です。対象となる工事は、主に省エネ性能を向上させるリフォーム等ですが、併せてバリアフリー改修を行う場合は、補助金が受けられる可能性もあります。補助金申請は、リフォーム業者が行います。制度が始まったばかりで、登録手続き中の事業者もあるかもしれませんが、ご関心がある方は、気になる事業者が「住宅ストック循環支援事業」に対応しているかどうかもチェックしてみましょう。
住宅ストック循環支援事業補助金(国土交通省)

介護リフォームをすることで、ご家族が安全に暮らせて介護予防ができたり、将来介護が必要になった時も負担を軽減できれば、家計の負担も大きく減らすことができます。お得に介護リフォームをして、ご家族の皆さんが安心して過ごすことができますように!

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