年金は10年かければもらえるように

10年で年金がもらえるように

10年で年金がもらえるように

年金をもらうために必要な年金をかけなければならない期間のことを「受給資格期間」といいます。

これまでの法律では、受給資格期間は原則として25年とされていました。25年かけなくてもいい各種特例や救済措置などもあり、厳密に25年以上自分でお金を払っていることまでは要求されないのですが、それでもかなり長期間年金をかけなければ、将来年金をもらえない制度だったのです。

これが、平成29年8月から10年かければ年金がもらえるようになりました。本来は消費税が10%に引き上げられるのに合わせて実施される予定でしたが、財源が確保できたということで先行して実施される運びとなったのです。

年金が10年かければもらえるということで、通称「10年年金」と言われています。厚生労働省の資料によると、約68万人にすでに手続き書類が黄色の封筒で郵送され、手続きをすればこれまで年金をもらっていなかった人も年金をもらえるようになりました。年金は権利発生翌月分からの支給ですので、実際に振り込まれたのは9月分からになります。

黄色の封筒が郵送された人で、まだ手続きを行っていない人は、早急に手続きすることをお勧めします。

年金を10年までかけていない人にも影響があるかも?

今回の改正で「25年には足りなかったけれど10年以上年金をかけていた人」は年金をもらえるようになりましたが、実は「10年まで年金をかけていない人」にも影響があるかもしれません。というのは、年金をかけた月数というのは実際に保険料を払った期間ばかりでなく、一定の未納・未加入期間もカウントに入れることができる場合があるからです。

これを「合算対象期間」といいます。また、記録が埋もれている可能性もあります。10年ないから該当しないと諦めるのではなく、念のため調査をおすすめします。もらえないと思っていた年金が多少なりとももらえるかもしれません。また、10年以上で該当した人もこの合算対象期間や埋もれていた記録で25年に該当する人もいます。もし25年以上に該当すれば、最高5年まではさかのぼって受給できる可能性があります。

日本年金機構では、平成29年12月から順次、年金加入期間が10年に満たない人に宛て、年金記録の確認を促す手紙を送付しています。手紙が届いた人は現時点では10年を満たしていない人ですが、上でお話ししたような仕組みで年金がもらえる場合がありますので、必ず記録の確認のため年金事務所に行ってみてください。個人的な経験でも、お手紙を受け取った人が、年金事務所で確認したところ実は改正前の25年の条件を満たしていたので過去5年分をまとめて受給できた、というケースも少なからずあります。
年金事務所を訪れる際は予約をお忘れなく。

10年かけた年金はいくらもらえるのか

例えば国民年金を10年かけたとすると、年金額は77万9300円×120÷480=19万4825円となります(平成30年度)。厚生年金であれば当時のお給料に応じてこれに上乗せがあります。

目安としては1年かけて年額約1万円~3万円ほどですから、上乗せ額は10年かけて10万円~30万円といったところ。合計で多くて年額50万円程度。生活に十分な額とはとても言えません。20歳から60歳までの40年間の積み立てが義務であることには変わらないので、「10年積んだからこれ以上は年金払わなくてOK」ではなく、これまで同様公的年金は可能な限り積み立てを行っておくのが必須といえます。その上で、余裕があれば今後加入が開始される個人型確定拠出年金(iDeco)や個人年金保険などを活用し老後の準備を整えておきたいものです。
年金額は目安です

年金額は目安です


注意!遺族年金はもらえない!

今回10年でもらえるようになる年金は、あくまで自分ひとりのものです。遺族年金がもらえる条件の一つに25年以上年金をかけていること、というものがあります(「長期要件」)が、ここは変更されません。これまで年金をもらっている人が亡くなった場合、亡くなった人に厚生年金期間があればその配偶者には通常遺族年金の権利が発生していましたが、25年未満の期間で年金をもらっている人が亡くなったとしてもその配偶者に遺族年金の権利はありません。ちなみに、寡婦年金の権利については同じように10年に短縮されました。

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