貯蓄/貯蓄を増やす習慣

お金が貯まる人は不安を「エネルギー」にかえている

健康や人間関係、仕事、お金のこと、そしてお子さんがいる方なら、お子さんの健康や教育など……“不安”は尽きないもの。不安があったときに、お金が貯まる人と貯まらない人とは、行動が違うことをご存じでしょうか。今回は、不安の対処法についてお伝えします。

西山 美紀

執筆者:西山 美紀

貯蓄ガイド

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「不安」があったら、どうしていますか?

自分や家族の健康、人間関係、仕事、子どもの教育や将来のこと……不安なことがたくさんあるかもしれません。最近はSNSで友人・知人の様子をうかがい知る機会も多く、「自分はあの人と違う」「では自分はどうしたらいいんだろう」と不安になることが増えているのではないでしょうか。

そんなとき、あなたはどうしているでしょうか。実はお金を上手に貯められない人は、「不安」からお金を無駄に使ってしまうことが多いのです。“不安”の対処法について、お金が貯まる人、貯まらない人の違いをお伝えします。
 

不安のあまり、お金を無駄遣いしていませんか?

●不安に目をつぶって無駄づかいをするケース
ある男性のAさんは「来年結婚するけど、結婚したら彼女にお財布をにぎられて、お金を自由に使えなくなりそうで不安……独身のうちがお金の使いどき」と、どんどん浪費していました。他にも「子どもが生まれると、お金がかかりそうで不安。夫婦2人のうちに」と、お金を使っているBさんもいます。

このような方は、不安に目をつぶっているのかもしれません。前者のAさんなら、彼女と結婚後のお金について相談して、意見のすり合わせをすれば不安がなくなるのではないでしょうか。後者のBさんは、子どもが生まれた後にどれくらいお金がかかるかを調べてみるほか、子どもがいる身近な人(本音で話してくれる人)に聞いてみるのもおすすめです。

●不安で保険に入りすぎてしまうケース
ある女性のCさんは、「一人暮らしだから、もし体調を崩したら不安」「自分に万一のことがあったら不安」と、保険に毎月大きなお金を払っていました。そのためお金が貯まらないと悩んでいました。

Cさんのケースは、「貯蓄もなくて不安」と、貯蓄性のある保険に入っているケースも多いです。ただ、今は超低金利なので、非常に低い金利の貯蓄性金融商品を数十年にわたって持つことは、もったいないと思います。

「自分は“貯蓄”があると、気軽におろして使いこんでしまうタイプだから、“保険”として貯めたい」という意思がある方は別ですが、基本的には保険は必要最低限にとどめ、お金を貯めるのは保険とは別の方法を選択するのがおすすめですもし今後金利が上がったら預け替えることもできますし、現金化したいときも、保険までまとめて解約しなくて済むからです。

また、不安に対して備えるのに越したことはないですが、貯蓄ができないほど保険にお金をかけているのは本末転倒です。健康に気遣ったり、保険よりも貯蓄を増やすようにしたりと、他の選択肢もじっくり考えてみることをおすすめしたいです。
 

不安のために、逆にお金を貯めこんでしまうのも注意

●不安のあまり、お金を使えなくなるケース
次のDさんは、逆パターンです。「お給料も上がらない、将来もらえる年金も減るらしい。お金がいくらあっても足りない」と不安がつのり、必要以上に節約に励み、お金をどんどん貯め込んでいました。

貯蓄が1000万円を超えても、「まだまだ足りない」というのです。「せっかく4桁(1000万円)いったのに、3桁(900万円など)に減ってしまうのが怖い」と、預金額が増えていきます。

ですが、Dさんのような方は、2000万円、3000万円あっても、不安は一向になくならないでしょう。ゴールのないマラソンを走り続けているような気分になり、むしろ不安は増していくかもしれません。

不安を“貯蓄”で解決しようとするのではなく、まず「自分は何に対して不安を感じているのか、そのために具体的にいくら必要か」を考えてみることが、不安から脱出する近道です。
 

「不安」を「エネルギー」にかえるのが正解

では、お金を上手に貯めている人は、不安とどう向き合っているのでしょうか。それは「不安」を「ひたすら消費」や「ひたすら貯蓄」ではなく、「不安を解消するためのエネルギー」にかえているのです。

「仕事が不安」であれば、「お金が使えるのは、仕事がある今のうちだ」といってお金を使いこむのでもなく、お金を貯めこんでじっと過ごすのでもなく、「その不安を解消するための“エネルギー”」にかえるのです。仕事のスキルが上がらなくて不安なら、スキルを磨く方法を考えて実践してみる、転職についてできることを始めてみるなど、具体的に問題を解決できる行動を探っていくのです。それにより、少しずつ事態が好転していき、不安は解消していくことでしょう。

不安を心に入れっぱなしでは、問題は解決しないもの。かといって不安を消費に向けると、将来いざお金が必要になったときに「あのとき貯めておけばよかった」と後悔することでしょう。不安だからといってお金を使わずに貯めこんでいては、「あのときお金を使って経験を積んでおけばよかった」と後悔すると思うのです。

ぜひ、不安を「解消するためのエネルギー」にかえてみましょう。お金を貯めるなら、将来の自分に仕送りするようなイメージで、建設的にお金を貯めていきましょう。

不安が少しでも解決すれば心穏やかになりますし、不安から生まれる無駄な出費もなくなります。気持ちが明るくなると“いいお金の使い方”ができるようになります。まさに好循環。これが「お金を上手に貯めている人」の、不安からの脱出法なのです。
 
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