配偶者手当にも、妻の収入の壁がある?
配偶者手当は、扶養家族がいる社員に、基本給以外に支給する家族手当の一種です。人事院の「令和3年・職種別民間給与実態調査の結果」を見ると、家族手当を導入している会社は74.1%です。その中で配偶者に家族手当を支給するのは74.5%ですが、配偶者の年収に制限を設けていることは多く、その上限額は、配偶者控除と連動させた「103万円」に設定しているのです。つまり、ここにも「103万円の壁」があるということ。「103万円の壁」は2018年から、対象となる配偶者の年収上限は103万円から150万円に引き上げられました(夫の年収制限あり)。
収入が減る分は働くなどで補てんを
こうした国の方針を受けて、すでに配偶者手当の削減または廃止に動く会社が現れています。ただ、配偶者手当の削減・廃止で浮いたお金は子どもの手当に回すそうなので、対象の子どもがいる家庭の夫は収入が少し減るくらいですむでしょう。では、50代の夫の年収は? 対象年齢の子どもがいれば収入は微減ですみますが、子どものいない家庭や子どもがすでに社会人になっている家庭は減ることになります。
といっても、減るのは配偶者手当分だけなので月約1万6000円(中央労働委員会の令和2年賃金事情等総合調査・産業別家族手当制度の有無より)くらいです。パートで働いている女性は勤務時間を延ばせば補てんできそうですね。節約と同時に無理のない範囲で働くことも検討しましょう。
※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆
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人事院の令和3年職種別民間給与実態調査
https://www.jinji.go.jp/kyuuyo/minn/minnhp/minR03_index.html
中央労働委員会の令和2年賃金事情等総合調査
https://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/20/index.html