毎年、クリスマスシーズン、バレンタインシーズンに新作が発表されますので、日本では、この時期になるとそのラインナップの発表を楽しみに待っている方が多いと思います。
2016年は10月28日~11月1日まで開催された「サロン・デュ・ショコラ パリ」で、いち早く最新のコレクションが発表、販売されましたので、会場で一足先にシェフにご解説いただきながら、新作を味わってきました。その内容をみなさんにシェアしますね。
ドゥバイヨル、サロン・デュ・ショコラ パリに出店
Salon du Chocolat Paris(サロン・デュ・ショコラ パリ)は、今年2016年は10月28日~11月1日まで、Parc des Exposition de la Porte de Versailles(ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ見本市会場)で開催されました。ドゥバイヨルは2015年、2016年と、2年連続の出店。上品でスイートなディスプレイです。
そして、ショーケースに近づいていくと、お目当ての新コレクションが並んでいるのを発見!
ツリーをモチーフにしたグリーンの美しいボックス入りの、新クリスマスコレクション。それから……、
ラウンド型のボックスに入った、日本ではバレンタインに販売される新作。うーん、どちらもやっぱり可愛い……としばし見つめてしまいました。
そして、こちらはサロン・デュ・ショコラ限定ボックス。白胡麻ベースのミックススパイスと、山椒を使った2種のショコラの詰合せです。山椒のショコラは、ともするとインパクトが強くなりすぎてしまう山椒がプラリネとともにやさしく調和。まさにドゥバイヨルなバランス、という感じ。
私は、ザ・オープニングナイト(前夜祭)の27日と、初日の28日の日中、会場に伺いましたが、ドゥバイヨルのブースは賑やかな会場にあって、どこかエレガント。素敵なお客さまがたくさん集まっていました。
シェフにショコラの試食をすすめられて、一口召しあがったお客さまはみなさん笑顔。日本からのお客さまも、沢山いらっしゃいました。 サロン・デュ・ショコラ パリの会場は、とにかく広くて、すごい人、人、人。私はしばらく歩き回ると、その熱気にふうう~、となってしまうのですが、そんなときこのドゥバイヨルのブースはほっとするんですよね。どう言ったらいいのでしょう、……落ち着くのです。
2016年クリスマスコレクション「ショコラ アソルティ コルヌコウピア」
パリの会場では、一足早くクリスマスとバレンタインの新作チョコレートに出会い、味わうことができました。ここからはみなさんに、日本で購入できるラインナップの写真とともに、チョコレートの詳細をご紹介します。【2016年クリスマスコレクション 】
2016年クリスマスのスペシャルアソルティは、中世ヨーロッパに数多く存在したマナーハウスからインスピレーションを受けたパッケージデザイン。ツリーの回りにはゴールドの星がキラキラと煌めき、実際に手にとると、高級感があります。手にしたときにワクワクするような喜びがあり、クリスマスプレゼントにふさわしい、豪華で美しいチョコレートボックス、だと思います。 ●どんなチョコレート?
- スペキュロス ビター(写真上):ツリーに飾る星のモチーフがデザインに。ベルギーの伝統的なスペキュロスとプラリネの風味がやさしく香ります。
- ジンジャー コリアンダー ビター(写真左):コリアンダーの香り。めずらしいですね。コリアンダー、ジンジャーの香りがプラリネと調和。おすすめの新作です。
- ノワゼット ミルク(写真右):よーく見てください。ナイフやフォークなどのカトラリーがツリーのデザインに。このチョコレートはきっと多くの方がほっとする味わいですよ。深煎りヘーゼルナッツのプラリネ入りミルクチョコレートです。
2017年バレンタインコレクション「ハイクレア ティータイム」
2017年のバレンタインのテーマは「ハイクレア ティータイム」。ラウンド型のパステルカラーのボックスがとても素敵です。中世ヨーロッパのマナーハウスの、こちらはキッチンにインスピレーションを受けています。パッケージには、食器やカトラリー、ティーカップたちが、午後のティータイムの出番を待ちわびている様子が、カラフルに描かれていてラブリ-。チョコレートのデザインも可愛いのです。
●どんなチョコレート?
- プラリネ ノワゼット プレジリエンヌ(写真左上):ヘーゼルナッツのプラリネにキャラメリゼしたヘーゼルナッツが入っています。
- プラリネ アマンド フィユティーヌ(写真右上):アーモンドのプラリネとサクサクのフィユティーヌ入り。
- ガナッシュ フランボワーズ(写真左下):フランボワーズ風味のミルクチョコレートのガナッシュです。フランボワーズをミルクチョコレートと組み合わせることでやさしい味わいに。
- ガナッシュ ブラン(写真右下):甘ったるくない、すっきりとした風味のドミニカ共和国産カカオを使ったホワイトチョコレートガナッシュ入りのビターチョコレートです。ホワイトチョコレートのガナッシュ×ビターチョコレート。ドゥバイヨルではめずらしい組み合わせです。
ソフィスティケートされたパッケージデザイン
ドゥバイヨルのファンタジックでユーモア溢れるパッケージデザイン。多くの方が魅せられていますよね。このコンセプトを決めていらっしゃるのは、この方。レインヒルド・ジーレンさんは、ファッション界でご活躍されていますので、やはりデザインがファッションのテキスタイルに近く、色やテクスチャーにいたるまでセンシティブ。
コレクションのテーマは、毎回レインヒルドさんのインスピレーションから始まり、決まるそうです。テーマを中心に、パッケージデザイン、チョコレートのデザイン、味のイメージなど、トータルで統一させ、美しさと味わい、全ての感性に訴えかける、美しいコレクションができあがります。
私も毎年、新しいデザインが登場するたびに、箱やリボンの素材感も含めた表現を、楽しみにしているひとりです。
Loïc Blandin(ロイック ブランダン)シェフにインタビュー
サロン・デュ・ショコラパリの会場では、ドゥバイヨルのシェフ ショコラティエをつとめる、ロイック・ブランダン氏と、チョコレートについてお話しました。ーー(ガイド:以下同)
ドゥバイヨルのチョコレートは、日常的に食べたくなるお味のバランス。よい意味で食べやすくて、ついたくさん食べてしまいます(笑)
―(ブランダンシェフ:以下同)
「そうなんです。実はそういうチョコレートが、ドゥバイヨルのチョコレートです。様々な素材を使いますが、その素材を決して強く際ただせることはありません。チョコレートの味わいをまずは大切にしているのです。全体のハーモニーが大事です。私は『チョコレートが好き(笑顔)』というように、チョコレートをいただくことに喜びを感じている方に、楽しみながら味わっていただきたいです」
ーー深煎りのプラリネも特徴だと思います。私にはドゥバイヨルの味、という感じがします。
「その通りです。創業者のマルク・ドゥバイヨルがこの深煎りのプラリネを好んでいました。この煎り方による香ばしいプラリネの味は、ブランドの特徴です。また、特徴といえば、ドゥバイヨルでは、長年ドゥバイヨルのベースとしているミルクチョコレートと、ビターチョコレートがあります。この私たちが選んでいる元々のチョコレートの味を、外側の厚めなチョコレートで、しっかりと味わっていただきたいとも思っています」
ーー師匠である、マルク・ドゥバイヨル氏はどんな方でしたか?
「私はドゥバイヨルで18年間働いています。マルク・ドゥバイヨルのもとでは、長年仕事をしていました。彼はプロの職人で、長い時間、とにかく、常に熱心に仕事をしていました。そばにいて彼の仕事ぶりを見て教わったことは『Passion(パッション)』、仕事への情熱です」
ーークリスマスコレクションの1粒に入っているコリアンダーと生姜の組み合わせが新しいですね。
「私はコリアンダーが大好きなのです。ベルギーでは私は料理に使う事が多いのですがチョコレートに使ってみようと思いました。一方、生姜はあまり私に馴染みのないものですが、日本でよく使われる素材、ということで、コリアンダーと合わせてみることにしました。コリアンダーや生姜の個性は出ていますが、主張しすぎることのない良いバランスになっています」
ーードゥバイヨルらしいバランスをそれぞれのチョコレートやボックスからいつも感じます。
「この、素材が主張しすぎない、強すぎないチョコレートの味は、マルク・ ドゥバイヨルが目指していたものでもあります。新しい素材や、めずらしい素材を使ったとしても、何が入っているかははっきりと判るけれども、強すぎないチョコレートなのです。そして素材の風味を生かすために甘すぎることもありません。たとえば、クリスマスのコレクションも、クリスマスらしいスパイスを使った、スペキュロスや、ジンジャー、コリアンダーを使ったチョコレートがありますが、もう一粒は、クラシックなノワゼットのプラリネです。この1粒がスパイシーな2粒をつなぐ役割をしています」
私は、シェフとお話しながら、なんだか次々とチョコレートを食べてしまい、シェフはそれを見て、うれしそうに微笑んでいらっしゃいましたが、これがドゥバイヨルマジック?(笑)
シェフはお話の中で、何度も「pas trop fort」(強すぎない)という言葉を使っていらっしゃいましたが、つい、2つ、3つ、と手が伸びてしまうのは、この独特の強すぎない、甘すぎないバランスのなせる技なのでしょう。
多くの方が安心して「美味しいね」と笑顔になれるバランスのチョコレートを、高級感のある繊細なパッケージも含めて表現していること。これがやさしいテキスタイルから憶えるような、ドゥバイヨルから私が感じるセンスなのだと、パリでシェフとお話しながら、改めて思っていました。
ドゥバイヨルファンのみなさん。そして初めて出会うみなさんも、今年のクリスマス、バレンタインのコレクションも、ぜひ楽しんでくださいね。
●DATA
・クリスマスのコレクション「ショコラ アソルティ コルヌコウピア」
価格:5,000円(本体) 5,400円(税込) 11月17日(木)~販売
・バレンタインのコレクション「ハイクレア ティータイム」
価格:4個入り 1,600円(本体)1,728円(税込)、6個入り 2,400円(本体)2,592円(税込)、9個入り 3,600円(本体)3,888円(税込) 2017年1月中旬~販売予定
WEBサイト www.debailleul.jp
販売:丸の内OAZO店のほか、丸ビル、日本橋高島屋、伊勢丹新宿店他有名百貨店
問い合わせ先:片岡物産お客様相談室 0120—941440