定番が主流の中、ヒロインの魅力で勝負!2016年の秋ドラマ
TBS火枠最高視聴率を2週連続で更新!『逃げるは恥だが役に立つ』(画像は公式サイトより引用)
次のグラフは縦軸が記事を書いている時点で最新の10月18日~24日の視聴率、横軸は初回視聴率と最新視聴率との差で、初回視聴率はなにも見ていない段階での期待値だから、初回視聴率との差は最初の期待からどれだけおもしろかったか、またはつまらなかったかを示すはずです(ただし『科捜研の女』と『家政夫のミタゾノ』は1週のみの暫定値)。
今回、ヒットとそうじゃないものは最新視聴率10%ラインで明確に分かれます。
視聴率グラフ
期待をはずさない『ドクターX』
画像は『ドクターX ~外科医・大門未知子~』公式サイトより引用
「この機会を待っておりました、医師免許がなくてもできる仕事は」
「一切いたしません」
と聞きたかったことをいってくれます。
またメインの敵がベテラン俳優であることもこれまでと同じ。伊東四朗、西田敏行、三田佳子、北大路欣也。今回は泉ピン子。いわゆる「老害」を象徴させていて、現実にも豊洲問題がその図式になっているのではないでしょうか。
さらに定番路線『相棒』
画像は『相棒season15』公式サイトより引用
メインのプロデューサーがシーズン13で交代、それに伴い櫻井武晴、古沢良太、戸田山雅司といった全盛期を支えた脚本家が書かなくなったのが効いています。櫻井、戸田山は同じテレビ朝日・東映の『科捜研の女』『スペシャリスト』に、古沢は『リーガル・ハイ』シリーズなど別のドラマで活躍しています。2話は1話の視聴率をほぼキープしているのでこのシーズンで急激に落ちることはないと思いますが、長期的な展開に不安が残ります。
『科捜研の女』は初回11%台とそれほど高くはありませんが、2時間スペシャルでなければいつもこのくらい。ここからあまり落ちずに安定していくでしょう。
ヒロインのかわいさがウリ『地味スゴ』『逃げ恥』
画像は『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』公式サイトより引用
男性人気が高い新垣結衣の『逃げるは恥だが役に立つ』はヒロインの森山みくりは大学院卒で職がない。切羽詰まって「プロの独身」津崎平匡(星野源)に「結婚して!就職の形で結婚というか、契約結婚というか」と迫り、多くの男性に「契約でもいいからガッキーにきてもらえたら」と夢をもたせます。
エンディングのダンスも話題で2話で秋ドラマ唯一の視聴率アップ。ダンスが話題になるドラマも定期的にあります。前回は2011年、朝ドラ『てっぱん』のてっぱんダンス、『マルモのおきて』のマルモリダンス、『怪物くん』のカイカイ体操と三作が集中してありました。
変人だらけ『IQ246』
画像は『IQ246~華麗なる事件簿~』公式サイトより引用
考えてみると秋ドラマ、主人公が変人、そうでなければ主人公が変人(たち)に巻き込まれるものがほとんど。どちらでもないのは『カインとアベル』『逃げるは恥だが役に立つ』『科捜研の女』、それに『キャリア~掟破りの警察署長~』が微妙なところ。
遠山金志郎(玉木宏)は警察署長としては変わっているし、相川実里(瀧本美織)など署員は振り回されているけど、人間としては真っ当。個人的に『キャリア』はそこそこおもしろいと思うのですが、変人になりきれない中途半端さがイマイチな理由かもしれません。
その他の注目作品
画像は『スニファー 嗅覚捜査官』公式サイトより引用
深夜ドラマでは日本テレビ系木曜の『黒い十人の女』。市川崑監督の名作映画をバカリズムが大胆に脚色。9人の愛人たち+妻のバトルを心の声や小ネタを交えて描いて笑えます。
今後の注目は連続ドラマ平均視聴率年間最高の座。現時点では『99.9-刑事専門弁護士-』ですが、『ドクターX』が今の勢いでいけば逆転しそうです。さて、どうなるでしょうか。